論文を書く時に必要なものは
医学論文専門のメディカルライターになって、もうすぐ5年目になる。内科医として病院で勤務していた時も、臨床研究や基礎研究をしてそれを学会発表や論文という形で公表するのが好きだった。研究そのものよりもデータをまとめる作業の方が得意だったかもしれない。今はその「好き」で「得意」なことで生計を立てている。
論文を書くことには多くのハードルがある。まとまった時間が取れない。論文にする価値があるのかわからない。英語で論文が書けない。そもそも何から始めたらいいかわからない。
メディカルライターとして論文を一から書く作業を繰り返す中でわかったのは、どんなに慣れても論文を書くには根気がいるということ。論文初心者も年に何本も論文を書いているベテランも、することはみんな同じ。ベテランは迷いがないだけスピードがあるが、楽をしているわけではない。
特に大事なのは、データを丁寧に扱い、メッセージが伝わる図表を作成すること。説明不足のせいで、せっかく苦労して手に入れたデータが雑に扱われている論文が多い。
適切な図表の量の判断も難しい。少ないと物足りなかったり説得力に欠けたりするが、多すぎると何が言いたいのか伝わりにくくなる。その丁度いいバランスは、投稿先のジャーナルや共著者の好みの影響が大きい。
そして書き始める前の準備がどれだけできているかで、執筆から投稿までのプロセスをスムーズに進められるかが決まる。たとえば、執筆前に共著者と話し合い、ストーリーを決めておく。投稿先ジャーナルを決めて、投稿規程に沿って執筆する。研究開始前に倫理委員会の許可を得る。その際に日本語でしっかりした計画書を作成する。統計解析の専門家に事前に相談する。引用文献のPDFをダウンロードして文献管理ソフトに入れておく。そういった地道な作業をしておけば、論文を書くハードルが下がる。
一つ一つのプロセスはそれほど難しいものではない。効率を重視するのではなく、根気強く取り組むこと。そしてわからない時は周りの人や専門家に頼ること。
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メディカルライター・医学博士
木下祐加