右胸の検査結果を待つ間
右胸の検査結果を待っていた期間に、以前から面識のあった乳がん経験者の方にお話を伺いました。3年ほど前に手術して、今はホルモン治療をされています。手術のこと、術後のことなど色々聞いて、心強い言葉も掛けて頂いて、とても元気がでました。「ゆかさん、もっと落ち込んでいるかと思ったけど、想像以上にカラッとしてますね。」と言われてたけど、ジメっとしてても状況は変わらないしね。これから大変なことがあると思うけど、今は大変じゃないし。大変な時に備えて、考えて、動いて、心身ともに整えておかないと!という気持ち。
検査結果が出るまで、手術の日も確定しないし、術後の治療ももちろん決まってないし、ということで、あまり予定を入れられない・・・。でもまあ、こんな風にのんびりした時間を過ごすのも良し!ガンにならなかったら、こんなにゆっくりできなかった!!!(と思うことにする)
乳がんだと言われてから3週間ほど経過して、何か変わったかなー、と考えてみる。思いの外、自分の気持ちが安定しているのが自分でもビックリ。まあ、いつも頭の片隅には病気のことがあるけど・・・。でも、無駄に不安がったり、心配しすぎることは、ない。乳がんのことを話した人たちが励ましてくれたり、ポジティブな言葉をかけてくれるおかげかも。実際、ガン告知されても、体調が悪いわけじゃないし、日々は同じように過ぎていく。乳ガンが発覚する前から、私の体の中にはガンがあったわけだけど、、告知されて初めてガン患者になった。なんか不思議な感じ。乳がんになったことはとても残念で、不幸な出来事かも知れないけど、それでも日々の中に楽しいことは沢山あるし、笑えることも、元気がでることもある。今までよりも、「今」に集中することもできている気がする(あくまで自分比)。これから手術があって、術後治療があって、何年間も定期検診が続いて・・・。私の中にどんな変化が起きるのか、それはそれで楽しみでもある。やっぱり、人生すべてネタなのだ。
ちなみに、乳がんになって怖かったことの一つは、周りの人たちの反応。夫はきっと大丈夫だと思ってたけど、両親や友人に話すのが怖かった。取り乱したらどうしよう、落ち込んだらどうしよう、気を遣われすぎて疎遠になったらどうしよう。そんなことを心配していた。友人に関しては、(この段階で)まだ数名にしか話してないけど、私は私の周りの人たちを見くびりすぎていた、と思う。みんな、温かくて、楽しくて、強い。
あと、どうして私が乳がん体験の記録を残そうと思ったかと言うと、友人に勧められたのもあるけど、私の経験が誰かの役に立つならば、という想いがあるから。12年前に息子を出産した後は、ワーキングマザーとして取材を受けることが多く、起業した後は女性起業家として取材を受けることが多くなりました。取材の時に私がいつも気をつけていたことは、大変なことにフォーカスしない、ということ。確かに仕事と育児・家事を両立させるのは時として難しいかも知れない。でも、それはワーキングマザーに限らない。介護をしている方、病気を抱えている方だって同じ。でもその「大変」な中に、楽しさや喜びや学びが必ずある。乳がん告知をされても、毎日の中に楽しみがいくつもあるように。私が世の中に与えられる影響力なんて、大海の一滴にもならないかも知れないけど、でも私の経験が他の方の役に立って、「へえ、こんな考え方もあるんだ」と思ってもらえれば、と思って取材を受けてきました。だから、今回の乳がん体験も同じ。私の個人的な体験が、誰かの役に立てばという気持ちで書いています。私も、乳がん告知を受けてから、同じ病気の方々のブログや記事を拝見して、そこから得た情報やエネルギーが、私に勇気を与えてくれることも多かった。乳がん告知をされた方に、経験者が励ましの言葉をかけている質問サイト、ご自身の闘病体験を細かく記録されているブログでは、先の見通しを立てることができてとても助かりました。そう、世界はたくさんの善意で溢れている。私もそんな世界に、微力ながら参加したい、と思っています。