【タッピー♂のガチやらかし】ナースサンダル②

それから何事もおきる気配もなく1ヶ月が経過しようとしていた。
あれから華井さんも何か変わった様子や動きもみあたらなく、僕が変にビクビク警戒や用心したり不用意に華井さんや周りの様子を伺ったりしていると、ちょっとしたことから僕が不審に思われたりしかねない。むしろ堂々としていれば何も問題ないと思うようにした。
ねんのため華井さんの様子も遠めだったり近くを通った時に見ていたが、あれからも普通に白のナースサンダルを毎日履いているのを確認できている。もし何かあれば違うサンダルにいつ変えてもおかしくない。華井さんが白のナースサンダルを履き続けている以上は僕に何か容疑や不審などをかけられることはなさそうだった。

そんなあるとき、お昼になったので会社のエレベーターに乗って下に降りようとしたときにたまたま華井さんが乗ってきて一緒になることがあった。僕は平静を装い、お互いに挨拶をするとたったいま気づいたふりして華井さんに白のナースサンダルをはいていることに触れた。
僕「あれ?華井さんてその白いサンダル?ずっと履いてたっけ?」
華井「え?ああそうですね、もう何か月も履いてるんであちこち汚れてきてるしボロボロになってきてますよ。どうしてですか?」
僕「いや、なんとなく僕の勝手なイメージだけど、事務員さんて名前わからないけど黒い靴とかミュール?っていうのかな、そういうの履いてるのかなって。今さらかもしれないけどたまたま目についたんで・・」
華井「ああそうなんですね。」
僕「いきなり変なこときいてごめんなさいね」
華井「いえいえ」
ほんの10秒程度の時間だったが、当たり障りのないごく普通の会話を華井さんと2人きりでした結果、特に疑われてたり不審がられてたり嫌われてるような素振りも感じられなかったし、華井さんの言う通り凝視はできなかったが確かに汚れはところどころあったように見えた。そうなるとじっくり見てみたいという気持ちが心の中のどこかで再燃してきたのを感じていた。

しかしそうかんたんにチャンスやタイミングが訪れることもなく、どこかであきらめの気持ちも出てきたころに思いがけずチャンスは訪れる。
商談用の資料作成で思いがけず時間がかかってしまい、気づけば20時をまわっていることに気づいた。気分転換と休憩を兼ねてトイレに立ち寄り自販機でドリンクを購入しようとしたときに、近くにある女性更衣室が目に入り、誰もいないこのタイミングを利用しない理由はないと勝手に判断して潜入。
一目散に華井さんのロッカーを開けてハンガーにかけられている制服を手に取り、制服とスカートに僅かに残る香水のような香りと汗のようなものがミックスされたような香りがとても斬新に感じて嬉しくなり、そのまま10秒くらい匂いを嗅ぎ続けたあとは目当ての白いナースサンダルを手に取ってじっくり観察。
華井さんとエレベーターで話をした時から時間は経過しているとはいえ、たしかにナースサンダルの表面には黒ずみ汚れや何かにこすったようなキズもあり、履いている部分には華井さんの足の形にソール部分が変形していたりつま先部分には足の指の形のようなものができていたのを見て、気づいた時には携帯電話のカメラで写真を撮っていた。サンダルの底は擦れて黒くまっ平になっているのは仕方ない。
そして最大の目的である華井さんのナースサンダルの匂いを10秒くらい堪能。言葉では言い表すことのできない匂いと香りがあわさったものが鼻につく。もちろん華井さんが毎日の仕事中ずっとナースサンダルを履き続けたことによる疲れや蒸れなどがサンダルに少しずつ浸透したことによりこうなっているのであろう。名残惜しさも感じつつ再びナースサンダルも元の位置に戻してロッカーを閉めて更衣室を出ると自販機でドリンクを買って仕事に戻る。華井さん効果(パワー?)も手伝ったのか残りの資料作成はスムーズに進んで会社をあとにした。

それからも僕はそういうタイミングを見つけると逃さずに華井さんのロッカーを開けては制服と白のナースサンダルの匂いを嗅いで活力とし続けていたのだが、ある時に会社内で全員に1通の通達がされることになった。

③に続く

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