クリスマス・ツリーに込められた意味

キラキラ輝くイルミネーションや鮮やかに飾られたツリー、リース。いずれも（基本）12月8日の「無原罪の御宿り」の祝日から1月6日まで飾られます。

現代では年末のインテリア感覚で飾られますが、それぞれに歴史やキリストに関連する意味が込められています。

まず、クリスマス・ツリー。

ドイツが起源と言われています。中世ではクリスマスの夜、教会の扉の前でアダムとイヴのお話を劇で語っていたそうです。2人が神様の言いつけを破って「禁断の実」を食べてしまった行を。

その時、劇で使われたのがリンゴの木でした。そのため、後に宗教画ではリンゴが「禁断の実」として描かれるようになります。

後に、クリスマス・ツリーは聖体（ホスチア）とリンゴの実で飾るようになり、翌年の豊穣と繁栄を祈願しました。ですが、12月24日にリンゴの花が咲くことはなかったため、常緑樹のモミの木が選ばれました。常に緑の葉を茂らせるため、永遠の命の象徴です。

共和国広場のツリー。赤いボールは、かつてリンゴの実が飾られた名残。

次第にクリスマス・ツリーはキリスト誕生による、人間の贖罪を意味するようになります。彼が十字架上で人類の罪を引き受けてくれたため、人間は罪から解放され、苛まれずに生きられたからです。

ツリーに飾る装飾にも、それぞれ意味と由来があります。

たとえば、ツリーの頂点に着けられる星は、東方の三博士が主の誕生時に夜空に見た星です。彼らはその光に導かれイエスの元に辿り着けました。

また、かつてイルミネーションの代わりに使われていたろうそくは、星の光、特にイエスが生まれたベツレヘムの星を意味し、信者にとっての光です。

イルミネーションだけで作られたツリー

ヴェッキオ橋のイルミネーション

今はリボンやギフトボックス、人形など様々な飾りがつけられていますが、実は宗教的に大切な意味が込められています。

ワインボトルをつけたツリー。イタリアならでは。

リネンショップのツリー。モダンでおしゃれ。