共働き夫婦が協力してキャリアを築く3つのコツ
「共働き夫婦が協力してキャリアを築いていくにはどうしたらいいでしょうか?」というご相談をいただくことがあります。
最近では、企業や自治体からも「共働きでのキャリア形成とパートナーシップ」というテーマで講演をいただくことも増えてきました。今回は、共働き夫婦が協力してキャリアを築く3つのポイントについて考えてみたいと思います。
1.価値観の刷り込みや他人軸に捉われず、自分の理想を見つめ直す
「キャリアについてふたりで話し合おう!」と行動を起こしてしまいがちですが、その前にまず「自分がどんなキャリアを歩みたいのか」を言語化することが大切かなと思います。
「自分のことなんて自分が一番よくわかってるから大丈夫だよ」と思いがちなのですが、自分の本音に気づくのは意外と難しいもの。
知人男性Aさんのケースを紹介します。Aさんは、男たるものバリバリ働くのが当たり前、家族を犠牲にするのはしょうがない、むしろそれが「カッコいい」と思って日々仕事をしていました。
でも子供が生まれ、人生に「父」という役割も増えたことをきっかけに「俺って本当に家族を犠牲にする働き方がしたいんだっけ?」と少しずつ疑問に思うように。
そこで初めてAさんは、上司や父親から「男は家庭を顧みずに出世するべきだ」という価値観の刷り込みがあったことに気づいたそう。
このように、自分らしい働き方を阻害するのが「価値観・一般常識の刷り込み」や「他人軸で判断すること」。
など、私たちは知らず知らずのうちにバイアスがかかっています。
自分が本当は望んでいないにもかかわらず、「〜するべきだ」という思考に縛られていないか。
自分の中にあるバイアスを取り除いて、本音を知ることが自分らしいキャリアへの第一歩です。
2.ふたりでビジョンを共有する
それぞれの理想を描けたら、次はパートナーとお互いのビジョンを共有する作業に入ります。
など、夫婦で本音を話し合ってみます。
先ほどのAさんも、夫婦でお互いのビジョンを共有したところ、なんと妻さんが「日本語教師になりたいという夢があるけど、今は子育てがあるから60歳になったら勉強を始めたい」と思っていたことが判明。
「妻の夢を実現するのに、あと何十年も待たせてしまうのか……」と衝撃を受けたAさんは、ブラックな働き方をやめて定時で帰れる職場に転職することを決意します。
現在Aさんは定時で帰って子育てを分担できるようになり、妻さんもその時間で資格の勉強ができるように。妻さんは夢だった日本語教師になることができ、ふたりとも理想のキャリアを歩めているそうです。
本音を共有するのは勇気が必要ですが、Aさんの例のように「実はこんなことがやりたくて、勉強時間を確保したくて……」と打ち明けてみたら、「いいね!じゃあ家事時間を減らすために、ドラム式洗濯機に変えてみる?」と協力できるポイントが見つかるかもしれません。
パートナーは最強の味方。ひとりで悩むよりも、ふたりで「どうやって達成するか」を考えられると、ビジョンの実現がぐっと近づきます。
3.日々の進捗管理を徹底&情報格差を防ぎ一緒に学ぶ
ふたりのビジョンを策定できたら、達成に向けて日々の進捗管理や情報共有をしていきます。
仕事のモチベーションから忙しさ度合い、職場環境、自分の体調など、常にお互いの状況を共有することが大切ですが、これが不足しているとすれちがいやすくなります。
例えば「パートナーが家事をしないで家でゴロゴロしてる!」とイライラしてしまう場合。
でも実は、パートナーは生理中で体調が悪いのかもしれないですし、プレッシャーのある仕事が続いていて、気分が落ち込んでいるかもしれません。
相手の事情を知らないと「家事やってない!」とイライラしてしまいますが、相手の状況を理解していると「生理で体調悪いんだよね、大丈夫?」とお互い助け合いやすくなります。
また、絶対に防ぎたいのがライフイベントに関する情報格差が生まれてしまうこと。
例えば、ふたりで妊活をしようと思っていても、「不妊の原因は男性にもある」「男女ともに加齢によって妊娠確率が下がる」といった基礎知識をともに持っていないと、ふたりの間に知識差が生まれることによって建設的な議論ができなくなってしまいます。
ライフイベントは、出産育児や住まいの購入など、夫婦ともに未知の体験も多いです。うまく乗り越えていくためには事前にどれだけお互いが均等に知識やスキルを装着できるかがポイントです。
パートナーはキャリア形成における心強い味方
ということでまとめると、
をぜひやってみてほしいなと思います。
前回noteに書きましたが、パートナーは「人生の共同経営者」。キャリアにおいても、お互いの理想を実現するために応援し合える仲間です。どんどん情報共有して、相談できる関係性になれるといいですよね。
キャリアの実現のためにパートナーとの協力体制が必要不可欠な中で、パートナーシップ観点からのキャリア研修を検討する法人企業も増えています。人事・ダイバーシティ推進担当者の方など、課題に合わせてセミナーや講演もできますのでぜひご相談ください!
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