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「生涯愛します」以外の誓いがあってもいい

1ヶ月ほど前に、ようやく婚姻届を出した。

私がズボラすぎて婚姻届を出すまでに4ヶ月以上かかってしまったが、リアルでもツイッター上でもたくさんお祝いの言葉をいただき、あたたかい気持ちになった。(ありがとうございます!)

どんな結婚式にしたいかを今話し合っているところなのだが、このあいだ彼と「結婚式で一生愛することを誓いたいか?」という会話をした。

よくある神父の問いかけはこうだ。

あなたは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、生涯愛することを誓いますか?

「3組に1組が離婚する時代なのに、結婚式で『生涯愛することを誓います』って言うの変じゃない?」

「うーん。一生とか生涯って言葉が、非現実的に聞こえるのかもしれないね」

私も彼も、妙に理屈っぽいところがあった。

「あと『相手を愛せるか』って自分の努力だけではどうしようもないというか、相手の態度によって変わると思うんだよね」

「たしかに。相手が信頼を裏切る行為をしたときに、その人を愛さない自由もあるよなあ」

「うん。愛の形は変化していくものだから、誓うものではない気がするね」

結局、結論は出ずに終わった。

その一週間後、ある人を取材していてはっとする言葉があった。

家庭を維持するためには、「お互いに関係性をチューニングし続ける努力」が大切だと思います。

結婚生活では色々なことが起きて、その都度二人の関係性も変化していくけれど、どっちかが「チューニングするのが面倒くさいな」と思ってしまったら、もう維持できないと思うんです。

私はよく、「家族」や「夫婦」に関する取材をする。さらにその一週間後、別の人を取材したときにはこんな話も聞いた。

「結婚」とか「夫婦」って概念があるのは、動物の中でも人間だけなんですよね。だから結婚って、自然ではない行為だと思います。

何が言いたいかというと、夫婦ってただでさえ不自然な状態なんだから、お互いがすごく努力しないと簡単に壊れてしまうんですよね。

どうやら結婚生活というやつは、二人がものすごく努力しなければいけない上に、壊れやすいものらしい。

「生涯愛する」とは、お互いに関係維持の努力を絶やさないことなのだろう。

生涯愛せたら素敵だし、その努力も惜しまないつもりだけど、もしどうしてもうまくいかない場合は「維持しない」選択肢も全然ありだよね、と二人で話した。

結婚式は来年の春。お互いに何を誓うかは考え中だが、「生涯愛します」以外の誓いの言葉があってもいい。

私たちの場合は「お互いの存在を当たり前だと思わないこと」「相手に期待しないこと」「自分の幸せには自分で責任を持つこと」あたりになるだろうなあ、と思ったのだった。

みなさんは結婚でパートナーにどんなことを誓いますか?

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あつたゆか@「共働きのすごい対話術」著書
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