第百二十八話:要領を得ない話し合い
いろんなことが発覚し、「もうこんな人のことは忘れてしまいたい!」「でも、ここで諦めたら駄目だ!一緒に未来を歩んでいきたい!」という葛藤と私は一人戦っていた。
ある日、いつものように唐突にこれから会おうと連絡がきた。本来なら仕事が終わってジムに行く予定であったが、会えることも誘ってくれることも貴重なため、ジムに行くことはやめ会うことにした。
この日の議題は、「なかなか会えないこと」「愛情表現がないこと」「会ってもカフェでオンラインポーカーをしながらやカジノでの為、セックスを数か月していないこと」という感じで、すべて私の不満に対してジェームズの考えを聞くという感じだった。
この話をしながらも、オンラインポーカーをしつつ、パソコンを開いて映画をダウンロードしている状態。そんな状態で良い話し合いができる訳もなく、「そんなに会いたいなら、毎晩8時頃から朝の8時頃までカジノにいるんだから、顔を出せばいい」「甘い言葉をささやくのは俺の性に合わない」と切り捨てられ、長々と非難されてしまった。
セックスに関しては、何か月か前に私が言った言葉を根に持っていることが分かった。そのころ朝3時頃に家に現れ、事が済んだら本人は爆睡、こちらは朝の準備をしたりして、とくに何か話をするわけでなく、朝慌ただしく出かけるということが何度か続いた。そのことで、ネガティブな気持ちで自信を無くした私は、「体が目当てなんじゃない?」というようなことを言ったらしい(私はもう覚えていなかった)。だから、そうじゃないことを証明しているということだった。
話し合いをしてさらにモヤモヤし、会わなきゃ良かったと強くそのときに思った。本人は言いたいことを言ってスッキリしたようで、「もう、カジノに行く時間だから!」と勝手に去っていった。
私はモヤモヤしながら、家路に急いだわけだが、もの凄い渋滞にはまってしまった。通常30分もあれば帰れるわけだが、二車線道路を皆が横入りしたりで四車線になっており全く身動きができなかった。少しでも間を開けたら、前に入られてしまうので、常に足はブレーキを踏んでおり、かなり精神的に疲れていた。
「あー、あんな話し合い時間の無駄だった!そのせいで渋滞にはまっちゃうし!」と怒りながら、お手伝いさんに電話をして渋滞にはまって、いつ家に着けるか分からないことを伝えようとした。
いつもすぐ電話に出てくれるのだが、何度かけてもコール音が鳴るばかりだった。全方向を車に囲まれまったく身動きが取れない状態で、私はパニックになった。