第百三十六話:突然の出来事
次の日、丁度祝日ということもあり、海に息子と行き癒され、ビーチを歩いてパワーを充電した。
どれだけ酷いことをされていたとしても10年以上愛していた人を手放すというのは、そう簡単なことではない。でも、一緒にいて楽しくない、一緒にいて話を聞く時間がしんどい、と感じ始めていたので、もう別れるときなのだろうなと感じていた。
このまま友達として関係を続けるのか、もう一切会わないべきなのか。私が見捨てたら、ひとりになってしまうから、たまには会って話を聞いてあげるべきなのか、、、そんなことを考えていた。
それから4日後の朝、事件は起こった。
その日は月曜日、オフィスに着き、WhatsApp(Lineのようなチャットアプリ)を開き、何気なくステータス(Instagramのストーリーのようなもの)を見ていた。そのときに、一つの写真が目に留まった。(ステータスを開かなくても、小さく投稿されている写真が見える)
この写真ルトフィーの写真だ!瞬間的に思った!
この写真を投稿していた人のことは、もはや記憶になかったのだが、ルトフィーの写真だと思って、そのステータスを開いた。
間違いなくルトフィーの写真だった。
ただ、その写真にはこう書かれていた「Rest in Peace, bro」
一瞬で理解できる英語だが、私の脳みそは理解することを拒否するかのように、止まっていた。
そして沢山の想いが頭を駆け巡った。今日ってエイプリルフール?だって、昨日インスタグラムにいいねくれたし、投稿もしてたし、それが死んだ?どういうこと?
震える手でその写真を投稿していた人にメッセージを送った。「どういうことなの?昨日連絡したし生きてたよ!」
「昨日の夕方、亡くなったんだよ!」
このメッセージを見て、涙があふれてきた。まだ誰もいない静かなオフィスで嗚咽しながら、スタッフのマイケルとお手伝いさんに電話をかける。「ルトフィーが死んじゃった!」泣きすぎて言葉にもならないが、声を振り絞った。
「死んだ?どういうこと。もうすぐオフィスに着くから、もうちょっとだけ頑張ってて!」マイケルに励まされた。
ちょうどこの時にチャットしていたモアナちゃんにもメッセージを送った。「どういうこと?今から、そっちに行きましょうか?」車で2時間以上離れたところに住んでるモアナちゃん、いつもなら遠慮してしまうところだったが、「来てくれたら嬉しい」そう返信した。
「じゃあ、今から向かいます!」躊躇することなくそう言ってくれた。
この言葉に本当に救われた。