
第百二十三話:別居と明らかになっていくジェームズの現状
私は幸せなのか、このまま夫を養い偉そうだと怒鳴られながら、でも息子のためと耐えながら暮らしていくのだろうか。
前回の別居も押し切られる形で解消しており、息子のためにはお父さんがいたほうが良いという想いから、自分の気持ちは無視して再度やり直すことを決めたのだった。
とはいえ、夫と一緒にいると少しのことでイライラしている自分を客観的に見て、今は息子はまだ小さいけれど、もう少し大きくなり色々理解できるようになったら、あまり良い影響を与えないのではと思うようになってきていた。
そんな状態の中でのジェームズとの再会だったのだ。
最初のデート後、週に1回ほどデートに誘われるようになり、1-2時間カフェで話すということが何回か続いた。
別れてから6年半、その長い期間を埋めるように沢山の話をした。夫とはイライラして話をきちんとできないのに、こんなに穏やかな気持ちで話すことができるのだなと自分でも驚きつつもやるせない気持ちになった。
またジェームズは、もし夫の収入がないことが上手くいっていない原因なら、仕事を斡旋してあげられると思うと言ってくれていた。その言葉にはとても有難いと思ったものの、夫の性格上、私の元彼から仕事を紹介してもらうというのは自分のプライドを傷つけられたと感じ激高するだろうなと思い、話をすることはできなかった。
そんな中、夫はセックスの要求だけを突きつけてくる。
セックスをどうやったら回避できるかを考え、回避できたとしてもそれを非難される日々。結局耐え切れなくなり、別居を切り出したのだった。
その後コロナも流行りはじめ、こちらでは政府からきちんとした情報が開示されない中、ジェームズは体調を崩したのもあり、何か月か会わない期間が続いた。
私も逮捕されたりで、解決しなくてはいけない問題が多かったこともあり、あまり頻繁にあってはいなかった。
ただ、最初のデートの際には色々な事業を手掛けているといっていたが、結局のところ相変わらずカジノでポーカーとそれ以外の時間もオンラインポーカーに夢中になっていることが判明しつつあった。