「地方創生」の現状とこれから
~地方創生が叫ばれている日本の現状~
現在日本は人口急減・超高齢化という大きな課題に直面している。出生率・出生数は1970年代半ばから長期的に減少傾向にあり、合計特殊出生率では人口規模を維持するために最低限必要な2.07を下回る状態だ。
他国と比較しても顕著なスピード感で進行しているわけだが、人口減少の影響は地域によって差が出ているのが現状である。
上記のグラフにあるように東京圏や大都市などは都市部の大学進学時や大卒後就職時に東京圏へ転入する人が多いため、極めて出生率が低いながらも人口減少における第1段階と呼ばれる段階にある。一方で地方では人口流出と低出生率によって、第2・第3段階に入り人口の維持が困難な状態になっている。
この状況をうけ、2014年に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定された。
~まち・ひと・しごと創生について~
まち・ひと・しごと創生とは①人口急減・超高齢化に歯止めをかけ、2060年に1億人程度の人口を確保すること②人口減少克服と地方創生を合わせ行うことにより活力ある日本社会の維持を目指す取り組みのことである。さらに、政府は取り組む際の4つの基本目標を掲げた。
その4つの基本目標とは
・地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする
・地方への新しいひとの流れをつくる
・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
・時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する
である。
「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」
これは2060年に1億人程度の人口を確保するための中長期展望をまとめたものだが、その中で政府は目指すべき将来の方向として①若い世代の希望実現によって出生率を1.8程度に向上させる②人口構造が若返る時期を迎える③人口減少に歯止めがかかる④人口の安定化とともに生産性の向上が図られることにより2050年代に実質GDP成長率が1.5~2%程度に維持される将来をあげている。そのなかで地方創生は日本の創生としての役割をにない、地方と東京圏とのそれぞれの強みが活かされ、日本全体を引っ張る活力になるとされている。
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
これは2015年度からの5カ年の政策目標・施策のことを指すが、その基本的な考え方は①人口減少と地域経済縮小の克服②まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立することを目指すという考え方である。政策の企画・実行にあたっての基本方針は政策5原則に基づく政策を展開すること、国と地方の取り組み体制とPDCAを整備することである。今後の施策の方向性として基本目標を4つ掲げている。
基本目標①地方における安定した雇用を創出する
基本目標②地方への新しいひとの流れをつくる
基本目標③若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
基本目標④時代にあった地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する
~地方創生のこれから~
現状、国としては上記のような指標をたて、行動に移しつつある。実際、仕事を作り、安心して働ける環境を作る点に関し、有効求人倍率は1.15と向上しているといえるだろう。その一方で地方の過疎化は深刻であり、東京一極集中は依然として進んでいる。そこで私はネオキャリアの一員として人材派遣や、求人者と求職者をつなげるだけではない、働き方の提案などでも貢献することが出来ると考える。現状大学卒業後の若者が東京に集中してしまう要因として働くオフィスの場所が首都圏に集中していること、地方では様々な点で不便と思わされる「距離の問題」があるためだと考えられる。そこでネオキャリアで開発したjinjerやCallingのシステムを利用すれば、働く同僚や顧客との距離を問題とすることなく、自分の働きたいところで場所に縛られずに働くことが出来るようになる。そうなれば地方の実家で家族との時間を大切にしながら、仕事で利益を出すことも可能になり、東京一極集中の必要性を取り除けるのではないだろうか。人と企業を出会わせるだけでなく、全ての人の働く環境を向上させる事で地方創生に貢献したい。