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【好きな場所】猫の島のこと。

佐柳(さなぎ)島

香川県仲多度郡多度津町・佐柳島。
日本全国から猫好きがやってくる一方で、県庁所在地で地元の人に話すとかなりの確率で「どこ?」と言われちゃうような場所。

初めて島に行ったのはたぶん小学生のとき。おじいちゃん家に行ったとき、皆で船に乗って、ひいおばあちゃんに会いに出かけた。海のそばの古い日本家屋で、家の中を野良猫がナチュラルに出たり入ったりしてるのが衝撃的だった。

その後、島に行く機会もないまま何年も経った。

初めて行ってから、約20?年後

2012年の夏、たまたまもう一度島に行った。猫がたくさんいることや、それを目当てに日本中から人が来ることを知ったのは大体このあたりの頃だった。(この当時は今よりもっと情報がすくなかったのに、猫好きの人はどこで知ったのだろう)
翌年、隣の島(高見島)が瀬戸内国際芸術祭の会場に加わったことで、「ついで」感覚で立ち寄りやすくなった。

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2013年10月、島のお祭り

CIMG1512_体育館

かつての島の小中学校の体育館。

CIMG1509_校歌

ひいおじいちゃん。私が生まれた時点ではご存命だった。
でも、たぶん面識がない。どんな人だったんだろう。

ゲストハウス・ネコノシマホステルが開業して

2017年8月、かつての小中学校がゲストハウスに生まれ変わった。これまで、宿どころか食事する場所もなかったので、とても画期的なこと。時々雑誌で見かけるし小さな宿なので、平日でも予約は結構取りにくい。

今年の5月、やっと初めて行けた。ちゃんと学校の面影を残していていいな、と思った。

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また、このとき仲睦まじいカップルを見かけた。たぶんメスのほうは妊娠していて、そのせいかご飯をよく食べた。

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ちなみに…ちょっと色っぽい座り方をするほうがオス。最初はこちらが女の子かと思ってた。

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2019年10月

先日は念願かなって初めて泊まる事が出来た。また、5月に会ったカップルにたぶんまた会った。猫には縄張りがあるから場所が同じならきっとそうだろうし、何よりもオスの座り方があの時と同じだった。(ただ、同じ縄張りの猫たちはみんな顔に傷があって、野良の厳しさも感じた)

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猫の島と呼ばれる場所は、その多くが問題を抱えている。猫のことも人のことも。
最新(4年前)の統計によれば、この島の人口は72人。「どこでもドアがあったらいいのに」とか、「リモートワークが多数派になるくらい当たり前になったら、島の近くも人口が増えるかな」とか、そんなことを考える。
関係人口からならもう少し現実的だろうか。ここ数年で港の近くにおしゃれなカフェが出来たり、近くの観光地(琴平)に新しい宿がオープンしたり…良い兆しも感じるので、土地の魅力がたくさんの人にもっと伝わったら嬉しい。
(ちなみに、男木島では、瀬戸内国際芸術祭がきっかけで移住する人が出てきて、小学校が再開した)

余談その1:島のごはん・茶粥(ちゃがい)

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この写真は2013年の10月。どんな味なのかと思い、おばあちゃんにお願いして作ってもらった。

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瀬戸内国際芸術祭のお接待でも、島と曜日によっては振舞われることがある。とても素朴な味なのだけれど、人の手によってしか残せない、食べ物の形をした、”島の記憶”。

余談その2:ウリのこと

島とは直接関係ないけれど、猫のおはなし。

2012年頃、おじいちゃんちのお隣さんが猫を飼っていて、その子が早朝や夕方によく遊びに来ていた。ウリ坊に似てる?という理由でそんな風に呼ばれていて、でも女の子なので私はウリとかウリちゃんと呼んでいた。

CIMG5574_ウリちゃん

早朝は窓をノックして朝ご飯を貰い、夕方は"近所をぐるっと一周する"というお散歩のお誘いが来るのが、おじいちゃんちの日課。ご飯を出してもらうまで大人しく待っているし、お行儀が良くてとても賢い子だった。
猫を飼っていないはずの家にカリカリが常備されていたことに驚いたけど、おばあちゃんが、実は猫が嫌いだと言っていたのにもびっくりした(島で育った人にとっては、猫の存在が当たり前すぎるのだ)。

余談その3:岩合さんの写真集「島の猫」

この本の表紙は佐柳島だ。猫好きにはおなじみの岩合さんがここに来た時(2013年)のことは、「岩合光昭の世界ネコ歩き」の瀬戸内海編で放送をしていた。島の映像を残してくれて嬉しかった。だからサイン会に行って、この本にサインして貰った。

この映像や写真集に出てくる「クジ」と遊んだことがある。2019年10月現在、クジはもういなくなってしまった。

最後に

島から遠ざかるときの景色。これを見るたびに、また何度でも来たくなる。

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