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ネガティブフィードバックを伝える上で重要なスキルセットとは?

最近、研修で「ネガティブフィードバック」を取り扱っていて、以下の本を読んでいます。

とてもわかりやすく、日常の中の事例も交えて説明されているので、気になる方はぜひ読んでみてほしいです。

今回は、ネガティブフィードバックを伝える上での重要なスキルセットについて、本をもとにまとめていきたいと思います。


①合意を得る

ネガティブフィードバックを伝える上で、部下と合意を得ることが重要だとこの本では述べています。

「今から業務上の問題について対話をしたいと思いますが、このタイミングで大丈夫ですか?」

p177より抜粋

私も経験がありますが、「ちょっと話したいことがあるんだけど…」が一番怖いんですよね。ちょっと話したいことって何?なんか私したっけな..?とぐるぐるしちゃったりして。特にネガティブフィードバックは、相手の受け取れる状態や様子が重要なので、合意を得るというステップはとても重要だと思います。

ちなみに、フィードバックする機会は、記憶が薄れないように事が起きてから3日以内がベストである、とのことです。

②不協和を創る

ここでは、意図的に健全な不協和をつくることがネガティブフィードバックのポイントだと述べています。

認知的不協和とは、心理学における概念で、矛盾する認知を同時に抱えた状態、またはその際に覚える不快感やストレスのことを指します。
部下が感じていることと、上司が感じていることにギャップがある状態に近いですね。

認知的不協和を感じるから、人は変化するのだ、とこの本では述べています。ネガティブフィードバックを聞いて「とっても嬉しいです!」という人はなかなかいないと思いますし、不快な感情を一瞬抱いてしまうのも、当たり前のこと。

ネガティブフィードバックには、健全な不協和が、必要です。

③無理に面談をきれいに終わらせない

ここでは、ネガティブフィードバックを伝えた時に、相手が「はい、わかりました」と面談をさっさと終わらせる状態にあると要注意、と述べています。

納得していない、伝わっていない、十分に受け止めきれていない可能性があります。(私も、そういう態度とったことあったなあ…)

お互いに十分に合意できていないと感じたら、また話し合いましょう、と別の機会を設けるのも一つ。ネガティブフィードバックを伝えたあと、良い雰囲気で必ず終わらなければいけないことはありません。

モヤモヤや違和感を相手が持ったまま、終わるというのも時には必要なことなんですね。

④話すより聴く(傾聴)

ネガティブフィードバックを伝えたあと、沈黙を恐れてついつい話してしまう。ネガティブフィードバックをどう伝えるかに注力してしまう。

もちろん、伝え方も大切ですが、大切なのはフィードバックを受け取った相手がどう感じて、どう受け取ったのか。特に重要なのは受け取った後の「内省」であるとこの本では述べています。

もし、ネガティブフィードバックを受け止められていなさそうな様子であれば、「何が受け取りづらかったのか」「どう感じたのか」をしっかり傾聴して、言語化してもらうこと。

そして、その言語化がどれだけズレていても、身勝手に思える言い分でもまうは最後まで徹底して聴くことが、建設的に話し合いを進める上で重要だと述べています。

⑤諦める(明らかに見極める)

最後は諦める。この本では、明らかに見極める、と表現しています。
ネガティブフィードバックの効果は、伝えれば必ず相手が変容するかと言えばそうではありません。そもそも人が思い通りに動くことの方が稀。

また、とある研究では、人が新しい行動習慣を身につけるまでに「平均約66日」かかった、という研究もあります。

それほど、人の行動変容は時間もかかるし、容易ではない。

だからこそ、何度言っても、変わらなかったときは厳しい意思決定も必要。「これだけ、自分も納得して行動した結果だから仕方ない」と相手に諦めさせられるだけの努力が重要だとこの本では述べています。

以上の5つが、ネガティブフィードバックを伝える上で重要なスキルセットです。

改めて、さまざまな研究や、学術概念も交えながらの本だったので、とても面白かったです。

ご興味ある方はぜひ、手に取って読んでみてください!




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