論文(アカデミック・ライティング)の価値とは何か?
以前、noteで、論文とはそもそも何か?ということをまとめました。
今回は、「論文の価値はどこにあるのか?」についてまとめようと思います。
参考文献:まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書-阿部幸大-
そもそも論文とは、「アーギュメントを提出し、それが正しいことを論証する文章」とこの本では述べられていました。
では、論文はアーギュメントを提出し、論証すれば良いのかと言われればそうではなく、アカデミックな価値として認められることも重要です。
では、アカデミックの価値とは何なのか。
この「自分でつくるもの」という言葉が個人的にはグッときたところです。
先行研究という、研究者の功績と結果を引用しながらも、自分で何度も何度も「本当にそうなのか?」「なぜそう言えるのか?」「この根拠はどこからきているのか?」ということを問いかけて、更新していき、自分で厚みを作っていくこと。
当たり前ですが、ただ先行研究を調べて、きれいに並べることがゴールではないんですね。自分で汗をちゃんとかいているか。自分で作ろうとしているか。
そして、アカデミックな価値とは何かを、図で表現した人がいます。
マット・マイトという人物なのですが、マット・マイトさんは研究が積み重なることにより、人類の知識の総和が徐々に大きくなっていくということを図で表現しました。
円の中心に寄れば寄るほど誰もが知っている常識に近づき、外縁に寄るにつれて知識の専門度は増していく。
この図を見るだけでも、境界を突き破ることにものすごく時間がかかること、そして、本当に地道な作業であることがわかります。
私は、まだ専門的な知識をかき集めているところなのかなーと思います。
人間の知識の総量をちょっとだけ拡大する仕事が、研究論文であるということ。
そして、アカデミックの価値とは、反論可能な主張の提示によって会話を進めた時にこそ発生するものであること。
論文とは、アーギュメントとは、引用とは、アカデミックな価値とは何なのかを正しく理解・把握した上で取り組む重要性を感じました。
私自身、修士論文を書くうえで、とても興味深く、面白く、参考になった素晴らしい本だったので、ご興味ある方はぜひ、手に取ってみてください◎