リーダーを支えるフォロワーシップの役割と5つのタイプとは?
チームワークにおいて、フォロワーシップの存在は重要です。
アフリカの諺で、「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)という言葉があります。
私も個人事業主になりたての頃は、即断即決で意思決定ができ、一気に決断して推し進めていける身軽さが楽しかったのですが、会社を設立してから、関わる人が増え、より大小様々な目標がチームごとに生まれるようになり、これまでの「早く」なんでも動かせていたところからより「遠く」を意識し、みんなで決める、みんなで動かすという意識に変わっていきました。
物事を最初に動かし、「この指とまれ!」と声を上げるリーダーの存在がいるから、何かが生まれることはもちろんありますが、それに反応して乗ってきてくれる人がいなければ、特に大きな目標は達成できません。
フォロワーシップ研究の第一人者であるケリーは、組織の業績に対してリーダーシップが与える効果は10-20%にすぎず、残り80-90%はフォロワーの貢献によることを喝破しています。(Kelly,1992)
今回はそんな重要な存在であるフォロワーシップのタイプについてまとめていきたいと思います。
フォロワーシップの5つのタイプ
よく知られたフォロワーシップ理論に、ケリーモデルがあり、リーダーと交流する程度として「積極的関与」-「消極的関与」、もうひとつはフォロワーが独自の考えや意見をもつ程度として「独自の考え」-「依存的・無批判の考え」に分けて、フォロワーシップを5つに分類している図です。
一つずつ、簡易に説明していきます。
模範型フォロワー
最も理想的と言われるフォロワーで、フォロワーが独自の基準や価値判断で思考し、また、建設的な意見をリーダーに進言し、同時にリーダーとも積極的に交流します。
孤立型フォロワー
独自の考えや意見を持つものの、リーダーにはあまり関与しない。リーダーの考えや意見に反対はするものの、それをリーダーに伝えないためやや孤立した存在です。
順応型フォロワー
リーダーや組織に対して積極的に交流するものの、フォロワーとして独自の考えや意見を持たず、リーダーの意向を無批判に受け入れ、依存します。「イエスマン」とも言われます。
消極的フォロワー
独自の考え方や意見を持たず、かつリーダーや組織に関与しようとしません。このタイプは、リーダーに依存して単なる指示待ちになってしまいます。
実務型フォロワー
独自の考えも一定程度持ちつつも、リーダーや組織とも最低限交流するものの、それ以上のリスクや関与は行わないフォロワーです。
以上が、フォロワーの5つのタイプになります。
皆さんのチームは、どんなタイプのフォロワーがいましたか?もしくは自分はどのタイプのフォロワーだと思いましたか?
タイプ分けや診断は、現状を客観的に理解するために役に立ちますが、その後の働きかけが最も重要ではないかと私は考えています。
自分のチームはどんなチームにしていきたいのか?ということを描きつつ、そのためには関わる人たちがどのような動きをして欲しいのか、どのような発言が増えて欲しいのかを想像し、働きかけや環境づくりを意識していきたいですね。
具体的にどのような働きかけ、環境づくりができるかはまた別の機会にまとめたいと思います◎
参考文献:チーム・ダイナミックスの行動科学