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ウルルカタジュタ国立公園でガイドしてた話と現地ガイドのオススメ情報

現在はカナダでヒーヒー言いながら育児をしている私ですが、8年ほど前はオーストラリア、ウルルカタジュタ国立公園で日本語ツアーガイドをしていました。

その前は乗馬、ATVのツアーガイドをしていたのですが、元々ツアー=生きた博物館であり、ツアーガイドはなまもの相手の学芸員だと思っていた私は、オーストラリアの先住民族の聖地であるウルルカタジュタ国立公園で働くことは夢の様な話でした。

ネットから応募して、オンラインで面接、諸々の書類、各種学校の証書や今まで働いた所からのリファレンスまで必要で、さすが現地の大手観光会社、ワーホリにも審査が綿密…とドキドキして待っていたので決まった時は飛び上がりそうだったのを思い出します。乗馬ツアーの上司も喜んでくれ、「俺リファレンスレターめちゃくちゃ褒めといたからね!」と得意げだったのを鮮明に覚えています。

ウルルカタジュタ国立公園で働くにはチャールズダーウィン大学が発行するガイド資格に受かり、3日間の実地試験を受けなければいけません。
この講座の中身は主に公園の歴史、動植物、現地の原住民族の文化、などなど、アボリジナルの人が直々に監修している内容となっており、大学時代自分の専攻そっちのけで文化人類学に入り浸っていた私にはパソコンの画面がピカピカ光って見えたのでした。
しかし情報量が多いのと、難しい単語も多々出てくるため、テストは結構難しく評価は厳し目。私も何度か科目ごとのテストに落ちながらも、予定通り1ヶ月以内に終わらせる事ができました。
現地に到着した後の実地研修では追加で更に大量の情報を詰め込まれ、より対応力を求められましたが、一緒に受けたガイド達も良い人だった事もあって楽しく終わり、晴れて公認ガイドデビューを果たしたのでした。

ウルル初日リゾートの土を踏んで興奮する私の図

赤土の砂漠はとにかく今まで見てきた風景とは全く違い、とにかく新鮮でした。
寝泊まりはエアーズロックリゾート、現在は The Lost Camel hotelという宿泊施設として使われている場所が当時はリゾート内で働く人々によって使われており、特に若者が多い宿舎だった事もあり、一緒にお酒を飲んだり料理をしたりしょうもないことをうだうだ話したり、近隣住民同士とても仲良く過ごしていました。

夕方家に帰ったら既に誰かしらが玄関先で始めている…


ウルルは日本人観光客が多く、日本人の個人客だけで毎日一台はバスが出せる。プラスで団体ツアーも沢山出るし、繁忙期には個人参加だけで2台満席になる事もあります。私が働くツアー会社は日本人スタッフだけでも10人近くいました。オーストラリア人のバスドライバーに日本人のガイドが付くという形でツアーは組まれていました。
1番一般的な日程としては、お昼までに空港に着く→ホテルで荷物を下ろす→昼過ぎからカタジュタ散策とウルルサンセットのツアー→希望者は星空BBQ→時期によっては星空観測ツアー→寝よう!→早朝からウルルサンライズツアー→ホテル→空港から出発
という感じでやって来る。ガイドも大体サンセット→サンライズの組み合わせとBBQのシフトが交代で来るのですが、たまーに忙しいとBBQもやってからサンライズの時もあり、めちゃくちゃ疲れる。これこなしてるお客さんはすごい頑張ってる!
多分今も流れは変わってないんじゃ無いかな。とても効率よく回れると思います!疲れるけど!

ウルルで働いてたと言うと、聞かれる第一位は「オススメはどこ」だけどそれと同じくらい聞かれるのは「ハエすごいんでしょ」です笑
ハエはすごい笑しかも彼らはあのカラカラの地で水分を求めてやって来るので目鼻口の粘膜を狙ってやってきます。1番嫌なとこ。
けどだんだん慣れてきます。ハエネットの方が鬱陶しいので私は使いません笑 

もし上記の日程以上でオススメを紹介するなら、ウルルでもカタジュタでもどっちでも良いので、サンセットをサンセット会場ではなく岩場のすぐ近くで見ることをお勧めします。特にカタジュタは、オレンジに光る岩肌に囲まれる様な感じになってとても気持ち良いし、皆んなサンセット会場に行くので、ほぼ貸切で楽しめます!もしレンタカー出来たり、車で行くなら本当にお勧め!

カタジュタ間近サンセット
時間によってどんどん色が変わる

もうひとつのオススメは、カタジュタの Vally of the Wind と言う散策路です。こちらはツアーも出てるので車がない人でも行けます。
このツアーが入ると私は楽しみで前日眠れなくなります!景色がどんどん変わるのと、ウルル周辺に比べて植生が豊かなので、長い散策も楽しめます。最後の景色がまたとても良い。

Vally of the Wind

もちろんウルルの周辺を散策して現地に息づく神話を間近でみることは一番。これはおそらくみんな絶対にやることだと思うのでここでは省きます。でも一つだけ、個人で行く場合でも、是非、公園スタッフのフリーツアーも素晴らしいので、ガイドツアーに参加してほしいです!ここでガイドをする人達はもれなく全員ガイド資格のコースを受けて合格した人達です。この公園は景色も素晴らしいですが、何よりもその文化的な側面が魅力なのです。是非ガイドツアーに参加して、唯一無二の文化や歴史を体感してほしいです。
私はこういう神話が目に見える話とか、カラスとトンビの昔話みたいに、だからカラスとトンビは今も追いかけ回っているんだよ、と最後に現実に帰ってくるお話が大好きなので、この土地が大好きです。

そしてもう一つ、どーしてもウルルに登りたかった!某小説のシーンを再現したかった!という方におすすめ!Kings Canyonの散策。リゾートからツアーも出てます。
実はあの映画のラストシーン、もちろん実際にウルルの上で撮ることは叶わなかったので、こちらのKings Canyonで撮影されています。
変わり続ける景観と、多様な植生。長い散策で大変疲れますが、おすすめです。

若い方で、英語が多少は話せるよって方、バックパッカーの方は是非、小さいバスで他の都市から出るアウトバックツアーに是非参加していただきたい。自由度は少ないけど、大抵のアウトバックツアーはキングスキャニオンも行けますし、他の細かい名所も寄ってくれます。
ウルルで出会うガイドたちは普段はアリススプリングスに住んでいるアウトバックツアーガイドが多くいます。とっても楽しくて気さくな方が多く、赤土の大地をひた走る「アウトバック」というオーストラリアならではの旅が味わえるのと、数日密に関わり合うので、たくさんお友達ができます。
アリススプリングスからの往復2〜3日くらいから、アリススプリングスからダーウィンに抜けるツアー、アデレードの方から行くツアーなど、日程、行き先出発点は様々です。
ツアー参加者はほぼヨーロピアン、たまにアジア人の若者なので英語力はそんなに必要ありません。私もここで働くさらに4年前くらいに、まだそんなに達者ではない英語を駆使して参加しました。
私の友人は、
「今日来る途中カンガルー轢いちゃったから尻尾だけ切って持ってきててさ、今晩BBQして食べるんだ」
との賜っておりました。
今は流石にそこまではしないかな?でもそんなワイルドなガイドたちと素敵な思い出を作りたい方は是非、各社アウトバックツアー、参加してみてください。

もう8年も経つなんて信じられないくらい、いろんなことを鮮明に覚えています。これからウルルカタジュタ国立公園に行くよって方。きっとこれ以上に、アクティヴィティが増えていると思います。たくさん楽しんで、たくさん学んで来てください。

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