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不用の要―ジモティーで手放してみた Feb20.2025

先日から不用品の処分にあくせくしているという話は書いたが、今回は初めてジモティーを使ってみたという話だ。

ジモティーというサービスをご存じだろうか。不用になったものを投稿するとそれを欲しい人から問い合わせが入る。掲載料は無料、支払はサイトを介せば5%の決済手数料がとられるが、現金払いも選べてその場合は取引が成立しても手数料は一切かからない。また、ほとんどの取引が運送会社を介さずに直接受け渡しされるのもこのサービスの特徴である。

いまや中古品の取引は、オークション形式からネット販売まで幅広いが、ほとんどが運送会社を通すのが前提となっている。そのため、価格は運送料込の価格に設定されるし、その価値が運送料や手数料を下回ると思われるものは出てこない。

ところがジモティーでは、現金払いで直接受け渡しをすれば手数料は一切かからない。だから、洗濯機や冷蔵庫、タンスといった大物家具から、ふすまや物干しざおやなかには自動車まで、ありとあらゆるものが掲載されている。引っ越しのために急遽家具を処分しようとする人、子供用品など不用になった物を誰かに譲ろうとしている人、そしてその多くが0円と表記されている。

いまや物を捨てるのにもお金が要る時代、特に粗大ごみや家電は処分費用も高くつく。そこで、不用品を取りに来てもらえるのであれば、ただでも処分したいわけだ。なるほど理に適っている。

だが、最もネックになっていたのは知らない誰かと直接対面してやり取りすることだ。仮にもうら若き女(ひと昔前までの話)が古い平屋に一人暮らし、不用意に誰かに家などを特定されたくはない。それでこれまでこのサービスを知ってはいたが、利用したことはなかった。

そんな自分も気づけば三十路街道ほぼ折り返し地点、晴れて一人暮らしの身から脱しようとしている。夫が越してくるためにせっせと不用品の行先を決めているなかで、初めてジモティーを利用してみようと思い立った。

見よう見まねで写真を撮り、食卓テーブルや客間用の大物の和テーブル、なんで取っておいたのか昔ワンルームに住んでいた時のカーテン、それから祖父母や母の古本など、しめて4点を掲載してみた。

掲載から数時間後、もっとも処分に困っているテーブルには全然コメントが付かないのだが、カーテンと古本にはすぐに問い合わせが入っていて驚いた。カーテンについては、複数人から問い合わせが入った。なかには、他県から土日にこちらに来る予定があるのでその際に受け取りたい、というものもある。

一応、公平を期すため、一番早く問い合わせをくださった方と引き渡しの日程調整をする。引き渡し場所は自宅から少し離れたスーパーの駐車場に設定した。ここならば、人目もあるし、自宅も特定されるような距離ではない。

当日、約束の時間に遅れないよう早めに家を出る。早かったからという理由で引き渡し相手を決めたのだが、直前になってやはりどんな人なのかと心配になってきた。それで、その人が過去に投稿した物や取引者の評価などを確認する。幸い不安になるような書き込みはなく、総じて感じのいいひとだったとの評価ばかりだ。

約束の場所に立って待っていると、店舗の入り口に近い場所だったこともあり、色んな人が行き来する。この人だろうか、あの人だろうかと行きかう人に視線を向ける。ちょうど約束の時間頃、一人の初老の男性がこちらへやってきた、たしかに感じの良い親切そうな方だ。○○ですと名乗られたので、うっかり自分も名乗ろうとしたが、とっさにアカウント名が思い出せずに、どうも、とだけ挨拶をする。

早速、引き渡し予定のカーテンを手渡す。その方は、急に単身赴任することになり、一通りの生活用品を整えようとしており、とても助かったという。カーテンの代金として300円を手渡しで頂く。こちらの方こそ、捨てようとしていた物に300円も頂けるのだから、ありがたい。

確かにカーテンなんて、仮住まいや特に部屋にこだわりのない人からすれば、とりあえず目障りにならない程度の物で、外からの視線を遮断できればいいわけで、それに数千円も払うのは気が進まないだろう。かといって、なぜか巷に中古のカーテンを置いている店は少ない。斯くして、私の初めての一人暮らし時代を共にしたカーテンは、長い休眠を経て次の持ち主の元へと旅立っていった。


ところで話はがらりと変わるのだが、この日記のタイトルにはいつも日付をいれている。そして、今ふと気づいたのだ、Sepと書いてあることに。Sepといえば、Septemberつまり9月ではないか!何たること!今月に入ってずっとなぜだかSepと書き続けている。気づいてる人いたなら言ってくれよ!などと貴重な読者の皆さんにぶつけたところで仕方ないのだが、ああ恥ずかしい。穴があったら入りたい。

今更だけれど、これらはまぎれもなく今現在February、2月の日記である。もはや自分の記憶などあてにはならないので、iPhoneに向かって「Hey, Siri」と呼びかける。二月は英語でなんというか、と問えば流ちょうな発音でFebruaryと返ってきた。そうだよなあ、なぜ、いつから私はSeptemberに居たのだろうか。戒めのために昨日までのタイトルはそのままにしておこう。



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yuki
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