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【展覧会】世界のバリアフリー児童図書展

東京藝術大学の美術館で開催中のあるがままのアート展から徒歩3分。国立国会図書館 国際子ども図書館で『世界のバリアフリー児童図書展-IBBY選定バリアフリー児童図書2019』が開催中です。

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国際児童図書評議会(IBBY)では2年に一度、世界中から収集した障害のある子どもたちの読書を支援する書籍の中から特に優れた作品を選んで、推薦図書リスト“Outstanding books for young people with disabilities”を刊行しています。今回の展示会では、2019年の推薦図書リストに収録された、点字付きの絵本、布絵本、障害のある子どもにも読みやすい本、障害を理解するための本など、世界20か国から選ばれた40作品をご覧いただけます。

バリアフリー児童図書とは、本を読むことにバリアがある子どもも楽しめるように、さまざまな工夫がされた本のこと。字を読むこと、見ること、理解すること、ページをめくる動作などの障壁に対して、考えられた本がたくさん展示されていました。

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会場のなかは写真撮影ができなかったので会場のマップです。展覧会の構成は大きく3つのカテゴリーに分かれていました。

1. “FOR ”配慮:スペシャルアプローチ

配慮が必要な子どもたちを対象に制作された特別な形態の本です。例えば、目が見えない、見えにくい子どもへのアプローチとして、点字が付いていたり、手でさわったり動かすことで楽しめる絵本。さわる絵は学習障害や知的障害、発達障害のある子どもがストーリーを理解することにも役立つそうです。
また、文字を読むことが困難な子どもに向けた、絵文字で読む絵本もありました。単語や概念が絵文字で表現されている非言語コミュニケーション手段は内容を理解する助けになるそう。
さらに、読みやすさを重視した本として、まぶしくない紙の色や質感の選定、読みやすい書体の使用、短い文章、広い行間や白地が多いレイアウト、挿し絵や文章表現への配慮など、さまざまな工夫の数々が。障害の有無に関わらず誰にとっても嬉しい配慮だと思います。

他にも手を動かしながら楽しめるプレイ性のある布絵本や、参加型で楽しめるもの。手話が収録されたDVDや、テキストを音声で聞けるオーディオブックがついた絵本などがありました。

『まったく問題のない小さな四角のおはなし(Quatre petits coins de rien du tout)』というフランスの絵本は点字付きのさわる絵本。独特の手ざわりの素材が使われていたり、実際に仕掛けを使って動かせたり、三次元の建物へと変身したり、ワクワクする工夫がたくさん施されているそう。

2. “WITH”共に:ユニバーサルアクセス

本を読むことにバリアがある子どもたちも一緒に楽しめる一般的な絵本が紹介されていました。例えば、絵や写真が大きい、字が大きいなどの配慮の他、内容が理解しやすい表現で書かれているもの。ストーリー展開や言葉づかいが分かりやすく、年齢や理解力に限定なく楽しめるものなどです。

紹介されていた本のなかの一冊、『夏がきた』は、海沿いに暮らす少年の夏を描いた絵本。繊細なタッチで描かれた挿絵からは、夏の風景がリアルに伝わってきて思わず絵本のなかに飛び込みたくなるほど。文字を読まなくても絵を見ているだけでストーリーを感じ取ることができました。

3. “ABOUT”理解:ポートレイト

このコーナーでは、障害について描かれている本が紹介されていました。特に障害を特別扱いするのではなく、障害のある人が置かれた立場や、自分との共通点に目を向けた、理解と共感に繋がるような作品が選定されていました。

紹介されていた本のなかの一冊、『夏がきた』は、海沿いに暮らす少年の夏を描いた絵本。繊細なタッチで描かれた挿絵からは、夏の風景がリアルに伝わってきて思わず絵本のなかに飛び込みたくなるほど。文字を読まなくても絵を見ているだけでストーリーを感じ取ることができました。

3. “ABOUT”理解:ポートレイト

このコーナーでは、障害について描かれている本が紹介されていました。特に障害を特別扱いするのではなく、障害のある人が置かれた立場や、自分との共通点に目を向けた、理解と共感に繋がるような作品が選定されていました。

暗号から指でさわって読む文字「点字」を発明したルイ・ブライユの人生を描いた絵本『6この点 点字を発明したルイ・ブライユのおはなし』など、さまざまな国の本が紹介されていました。

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初めて足を運びましたがとても立派な建物。新型コロナウイルスの影響で、本来であれば実際に手にとって見ることができたそうですが、感染症拡大防止のためにケースのなかで展示されていました。

日本国際児童図書評議会(JBBY)やバリアフリー児童図書については、JBBYの以下ウェブサイトでも詳しく確認することができそうです。

また、英語表記のみになりますが、2019年の推薦図書のカタログもPDFファイルで見ることができます。

世界のバリアフリー児童図書展-IBBY選定バリアフリー児童図書2019
会期:2020年7月28日(火)~8月30日(日)
会場:国際子ども図書館 レンガ棟3階 本のミュージアム
入場無料
https://www.kodomo.go.jp/event/exhibition/tenji2020-02.html


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