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憂鬱な講演と味噌煮込みうどん 第21回月刊中山祐次郎

(写真は講演直前のナーバスな中山です)


今日、愛知県の医学生150人を相手に「医者のキャリア」について講演した。

講演が嫌いである。そう言い始めた頃は、はっきり言ってただのカッコつけだった。それが、不思議なものでだんだん本当に嫌いになってきたのだ。
講演。
大勢の人前で自分の話をする。偉そうに、自慢話を散りばめて、身振り手振りを交えて。想像しただけで反吐がでる。今日やってきたばかりなのに。

講演依頼をいただくようになったのは、2015年に一冊目の本「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと」を出してからだ。始めは、facebookで知り合いの人から、それこそ講演料ゼロや500円(!)で引き受けていた。正直、とても楽しかった。学校の先生にでもなった気分で講演した。承認欲求の満たされ具合は、講演だとかなり大きい。なんせ自分の話を聞きに来てくれるのだ。人はみな自分の話をしたくってしょうがない。僕も例外ではない。その会の主催者やスタッフの方々は「よろしくお願い申し上げます」と丁寧に扱ってくれるし、終わったら真偽はともかく「とても面白かったです」と言ってくれる。なんならその後の懇親会で食事もご馳走になることだってある。気分が悪くないに決まっている。

その後、僕はYahoo!ニュース個人で記事を書くようになり、また講演の依頼が増えた。さらに2018年に出版した「医者の本音」がバカ売れすると、一気に依頼が増えたのだ。始めは楽しくやっていた。やるなら全力投球だ、と思い、それはもう真剣に準備してやっていた。例えば中小企業診断士の方々への講演のときには、中小企業診断士という資格の本を一冊読み、資格試験を実際に問いてみてどういう人達なのかを把握した。そこまでやった。

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