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「クラファン、そして公開泣き言」〜出版までの道〜中山祐次郎
(前回までのあらすじ)
2次会がバーだったときには、ラフロイグというお酒をロックで飲むことにしているぼく。SBクリエイティブという出版社で本を出すことになり、一緒にmakuakeでクラウドファンディングをやることを思いついた。web会議、編集者Sかぐちさんとのサシ飲みを経て、ついにクラファンが始まるーーー
***
まず読者の皆さんに、前回から3ヶ月も更新が滞ってしまったことをお詫びする。ちょっとだけ言い訳をさせて欲しい。
この3ヶ月の間に、本当にいろんなことがあった。
大切な友人が亡くなった。山下弘子。19歳で肝臓がんにかかった彼女は、この3月、天に召された。今頃天国で大好きなゲームをやりながら、「じろゆーしっかりしなよ」と言っていることだろう。
と、この3文がどうしても書けなかった。先日、彼女と共通の友人で生きづらそうな男と会い、たくさん弘子の話をしてやっと蓋を開けることができてきた。
そして、ぼくは福島から京都へ引っ越しをした。引っ越しの日は弘子の葬式だった。弘子の葬式なんて死んでも行きたくなかったが、ちゃんと見送らねばと思って行った。みんな泣いていた。ぼくも泣いた。やはりちゃんと見送れなかった。
葬式のあと、ぼくは原稿を書いた。引っ越し作業のかなりの部分を妻がやってくれたので、時間はあった。だけど、なかなか筆が進まなかった。病院のことを書くたびに、いのちについて書くたびに、苦しかった。それでも一冊分書いた。
さらに、結婚式を挙げた。東京の披露宴会場だったので、打ち合わせに行ったり曲を決めたり生い立ちムービーを作ったりと、とても忙しかった。弘子が「結婚式準備は大変だから、じろゆはちゃんとしなよ」と言ったのを覚えていた。Yahoo!ニュース個人の連載をきっちり6回ぶん休載して、きちんと時間を作った。それでも時間は足りず、とてもじゃないけどnoteを書く余裕がなかった。大勢の人が祝福してくれ、妻も本当に頑張ってくれて素晴らしくオリジナルな披露宴になった。
そして、makuakeでクラウドファンディングをやった。こんな感じだ。
結論から言うと、クラファンは大成功だった。目標金額の30万円に対して90万円以上が集まったし、なにより目的だった
「人を巻き込んで、コミュニティを作る」
ことができた。なんと174人も支援してくれたのだ。直接支援をお願いしたのは15人くらいで、その人たちにもお金を渡したわけではない。
前回にもでてきたけっこうな美女のmakuakeのキュレーター森さんと、makuake広報でやはり美女のかなちゃんには感謝しかない。クラファン成功の秘訣をこっそり教えてくれたので、ぼくはただそれを頑張ればよかった。それを今度出版クラファンのテーマで話してと頼まれた講演会で言っちゃおう。そうしよう。そして支援してくれた友人達にも心からの感謝を。
ともかく、幕は開けた。
クラウドファンディングを支援した方全員が入るfacebookの本編集ページには、ぼくと編集者Sかぐちさんのやりとりを全て透明化して載せることにした。こんな具合だ。
書いた原稿はSかぐちさんが手をいれ、それがぼくに帰ってくるよりさきにfacebookページにアップされる。コメント欄でクラファン支援してくれた方々が、どんどん感想や意見をくれる。議論する。そんな感じだ。
ぼくは、fb参加者と同じタイミングでSかぐちさんから原稿を受け取り、同じタイミングで進捗を知る。
ときにこんなものもある。
↑原稿の催促を公開で・・・。
こんなやりとりをした。
そして本当ならSかぐちさんと1: 1でやるような泣き言も↓
本当に驚いたのは、これに対してSかぐちさんだけでなく、参加者の皆さんがかなり真剣に「この本を出す意味」「露悪的になっていないか」を検討してくれたのだ。
そして励ましの嵐のコメント欄に、ぼくは泣きそうになった。
いつの間にかこのfbグループは「編集者軍団かつ応援団」になっていたのだ。オープンリソースと言えるかもしれない。
ぼくの原稿は、ちょっとずつブラッシュアップしていった。そんな中、ぼくとSかぐちさんとの間でその事件は起こった。
(第10回へつづく)
※この連載は、2018年8月に出版した「医者の本音」(SBクリエイティブ) の、執筆依頼を頂いたときから出版までのいきさつをリアルタイムに記録したものです。
アマゾンリンクは↓こちら。kindle版もあります。