風呂マンス
「ブロマンス」という言葉をご存じだろうか?私は初めて知った。
「ラブロマンス」の間違いだろと思い調べたら確かにブロマンス。
Bro + Romance。
の合成語で、ラブロマンス的な関係はないが、男同士の密な関係を表す。
なるほど。BLともまたニュアンス少し違う。
この言葉で最近観た映画がちょっと腑に落ちた。ミニシアター系フランス映画の「美しき仕事」。軍隊生活を描いた作品で、兵士同士が厳しい訓練しながらべたべたスキンシップとるがホモではなさそう。
男同士の集団生活という環境下で、友情以上ロマンス以下の関係性が芽生える様がとてもよく描かれていた。
別の言葉だと「ホモソーシャル」もしっくりくる。
フィクションだとその描き方加減でラブロマンスにもブロマンスにもなる。アメリカ人の得意な「バディ・ムービー」とかも見ようによってはそういうブロマンス的な括りもできる。
リアルに目を向けると、あれはどうなんだろう。
銭湯・サウナのドラクエ達。
多少うるさかろうと批判はしない。友達同士で温浴でしゃべる楽しみもあるだろう。
ただ、風呂とサウナを行き来するタイミング、どの湯舟につかるかまでそんなにぴったり合わせるのかい?っていう疑問はあり、君たちはやはり好き同士なのか?とずっと訝っていた。
「美しき仕事」における軍隊訓練描写と同じで、呼吸と身体のリズムをぴったり合わせることで得る親密感、真正ホモとは違うブロマンス的・精神的なエクスタシーがそこにあるんだろうな。
「コイツ(ら)といると安心するぜ。裸でぶつかり合って内面もさらけ出しあって、ずっとつるんでいたい」ていう。
よく行く上星川のスパ銭では露天の狭い壺風呂に男たちが下手したら4人ぐらいで無理やり入ってるときがあるんですよ。さすがにキャパoverなので、うち二人は縁に腰かけているが、最初見たときはホモAVの撮影じゃなかろうかと隠しカメラを高速サーチしたものだ。
こういうのは背筋がゾわ~っとして、あのブルーミントのキンキンの水風呂より寒々しい視覚体験なのであるが、温浴におけるホモソーシャル社会のサンプルとして興味深い。
50代ぐらいのおっさん二人で壺湯に入ってるのを見たことさえある。なんか挙動おかしかったし、そこまでいくとさすがに真正だろうと思うが、おれたちゃピュアなブロマンスな関係だと開き直ってくるかもしれない。
女湯だとどうなんだろ。
まあ私はブロマンスより風呂マンス派である。上記の上星川スパ銭に行くと裸男たちのタコ壺ブロマンスを見るよりも、湯上りにOFR48の風呂マンスなラブソングを聴いていたい(2回ぐらいしか行ったことないけど)。