超高齢化社会のリテラシー
先日、ビジネスケアラーについての講演を聴講した。
介護はまだ先だが2030年代には他人事でなくなる可能性は低くない。
こういう話には耳を塞いでいたいが、いずれは来ることだと参考まで聞いたところ非常に良い講演だった。
2025年には国内の認知症患者が一千万人規模になるという導入部から引き込まれる。え、そんないるの?もちろん生活に大きな支障のない軽度な人を含めてだが。
色んな話があったが、介護に関するリテラシーがこの講演だけで一新された。
例えば、身体介護は親族がやるべきではない。それは準・医療(?)で、素人がや(れ)ることではない。
これを聞くとほっとすると同時に後ろめたさもあるが、準・医療というのはたとえば、被介護者が不調を訴えた際によかれと思い安静にさせていたら(体が一気に弱って)寝たきりになってしまったりする。
関連して、介護についてはプレイヤーになるな、マネージャーであれ。一方、仕切りになるケアマネージャーはコンサルだから、いいコンサルを見つけること。
などなど。こういう語り口で聞いたことなかった。ご自身、ヤングケアラーとして30年の介護経験をもち、エンジニアとしてキャリアを積み起業されている。相当苦労されてきた方。
受け売りが過ぎるとあれなので著作ご紹介。
ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち (ディスカヴァー携書) | 酒井 穣 |本 | 通販 | Amazon
高い評価がついていてさすが。エンジニア出身だからデータドリブンかつ統計に基づく語りに説得力があるのだろう。
2030-40にはいよいよ超高齢化社会が進む。高齢者支援市場が数十兆円規模になるらしい。
そういう意味だと自分の親が要介護になる時期にまさに市場が成長しきっているという安心感はある。親が団塊の次の世代なので、人口ピラミッドのもっとも厚い団塊世代で介護システムがこなれてくれるのがありがたい。
認知症進行を遅らせる医療も進化しているとよい。
そんな目線で介護や医療市場をチェックしうまく投資すれば資産構築も固い気がする。つまりそれが超高齢化社会に向けた投資リテラシーにもなる。
一方、介護を担う人材確保が重要。若い介護人材の給料あげてやれよ。外国人就業者も、不良外人としっかり分けて大事に育ててやれよ、って切に感じる。そんなことからも、総選挙は他人事でなくしっかり考えるべきなのだ。