3年間ゼミを運営して、改めて大切にしていることは何かを考えてみた。
山梨学院大学小笠原祐司ゼミは2021年度から、経営学部と法学部の学生を採用することになります。
ここで、改めてゼミについて私自身がどのように考えているか、何を大切にしているか、ゼミを通して学生にどうなってもらいたいかを整理していきます。
※コーチングしてもらい、今の考えをビジュアルで見える化してもらいました。菊さんありがとう。
活動テーマ:「当たり前を問い直す」
経営学部も法学部もほとんどのゼミは、学問分野に対応したテーマで運営されています(経営ならマネジメント、マーケティング、法学科や政治行政学科なら会社法、国際政治、地方自治など)。その中で小笠原(祐)ゼミ(以下てっちゃんゼミ)は「当たり前を問い直す」をテーマに活動をしています。ゼミを受け持ってからの3年間、法学部政治行政学科のみのゼミでしたが、その際にも様々な方から「政治行政学科のゼミらしくない」ゼミと言われてきました(ゼミ生自身が、「てっちゃんゼミは学科の中で異端なゼミ」というぐらい)。
現在、社会問題が複雑に絡み合い、一つの専門家だけで解決できるものではなくなっています。違和感を大事にしながら、多様な専門家たちが自分たちの文化を超え、共創することが大切になってきます。学生たちには、一つの専門知識だけでなく、様々な分野を組み合わせて、問題を発見したり、解決策を見つけていく、これからの時代を創造する側になってもらいたいという想いがあります。
そんな多様な人たちと共創をしていったり、問題を発見して取り組んでいくためには、自分の常識だけで判断したり、「これで当たり前だ」、「当然だ」で思考停止せず、複眼的に物事見ながら、なぜそうなんだ?本当にそうなのか?と「当たり前を問い直す」力になります。
また、関心がバラバラな多様な人がゼミの中にいることで、関心の広がりや学びあいを期待します。
※僕自身も専門が一つでなく色々重なっています。
学んできた分野、今の仕事に関わるキーワードとしても、教育工学、ワークショップ、ファシリテーション、場づくり、フィールドワーク、エスノグラフィ、アクションリサーチ、コーチング、組織論、学習する組織、人材育成、文化人類学、コミュニケーション、ソーシャルビジネス、まちづくり、起業支援、居場所作りなどなど。
色々なキーワードを組み合わせて実際に取り組んでいます。
目指している状態
そうした、テーマを通して、一人ひとりが下記の状態になることを目指しています。
①自ら問い、自ら考え、自ら行動し、自ら生み出し、自分の人生を自分で歩む。②Creative Confidence(自分の創造力に自信を)。
③Can I do it?で考えるのでなく、How can I do it? やHow can we do it?で。
①に関しては、自分が納得した人生を歩んで欲しい思いがあります。自由に生きるということは、決して一人でなんでもできるようになれというわけではないです。
大切になるのが、③。できるかどうかで考えるのでなく、どうやったらできるか、誰と一緒にやったら、自分も相手もハッピーになれるかをベースに考えていくことも重要になります。
②はこちらの本に詳しく書かれていますが
Creative confidenceとは、「自分には周囲の世界を変える力がある」という信念を指している。別の言い方をすれば、自分のしようと思っていることを実現できるという確信だ。そして、自分の創造力を信じることこそ、イノベーションの「核心」をなすものなのだ。
『クリエイティブ・マインドセット 創造力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』より
とあります。①にもつながってきますね。
ゼミ活動の3つのポイント
①対話と越境
「当たり前を問い直していく」ために、自分自身のいつものフィールドから越境し、違う環境にどっぷり浸かることや、多様な人たちとの対話をしながら、自分の価値観、当たり前を揺さぶる経験をしていくことを大切にします。そのため、ゼミは基本ワークショップ、対話型で進めていきます。また、ゼミ内外のプロジェクトも積極的におこなっていきます。
②理論と実践
体験だけでなく、本も読んでいきます。前期10冊、後期10冊を読みます。自身のことをメタで見られるように、さらに実践と理論をつなげていくことも大切にします。体験も一人一人が関心が違う中でも、これからの生き方の中で、横断的に大切になる学びをゼミの中で実際に体験していきます(NVC,コーチング、グラレコ 、ファシリテーション、ワークショップ、システム思考など)。
③アウトプット
ゼミでの活動や、ゼミの外に飛び出し学んだことや気づいたことを形にしていきます。今年度はインタビューを社会人にした内容をまとめ、冊子にしてアウトプットをしてみました。
※表紙、裏表紙ともにゼミ生がデザインしました。
卒論に関して
卒論は、不思議に思うこと、疑問に思うこと、解決したいことであれば自由です。さらに、自分にも社会にも貢献できるテーマであることを大切にします。自分が興味あることでないと、続きません。
研究手法としては
①アクションリサーチ
②エスノグラフィ(参与観察やインタビューなど)
③オートエスノグラフィ (自分史、自身に関してのライフヒストリー)
がベースになります。
※2019年度の卒業生の卒論では、原田遼太郎君が政治行政学科の最優秀卒論に選ばれました。
http://www.yguppr.net/200313ygu/2019stu.pdf
ゼミの中で大切にして欲しいこと
1:直感を大切に!
2:好奇心、興味関心を持ち、まずやってみる!
3:PLAYFUL!楽しむ!
4:動きながら考える!
最後に
僕自身が学生と話をしながら、いつも試行錯誤です。これが完璧なんてものはなく、おそらく毎年やることは変わるかもしれません。でも、大切にしたいことは今まで書いてきたものなのかなと思っています。
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