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浮島丸の名簿4点が新たに開示されました。500人以上の朝鮮人が犠牲になった浮島丸の沈没から、まもなく79年を迎えます。

 私が厚生労働省に開示請求していた浮島丸の名簿が、新たに4点開示されました。3月に開示された3点、5月に開示された12点と合わせて、これで計19点の名簿が開示されました。これまでに開示された名簿と同様、乗船者の氏名や生年月日、本籍地などが記されている箇所は、「個人情報」だとして全てマスキングされています。

 また、名簿以外にも、死亡した朝鮮人徴用工の遺族への補償(扶助料)の支払いをめぐって日本政府が在日本朝鮮人連盟と行った折衝の経緯を記した文書などの関連資料を数点開示されました。 
 内容については、資料を精査したうえで、機会を改めて書きたいと思います。
 いずれにせよ、500人以上の朝鮮人が犠牲となった浮島丸事件は、日本が植民地支配していた朝鮮の人々を戦争遂行のために強制動員していなければ起きていなかったことであり、日本政府には事件の真実を明らかにし、遺族の方々に対して誠実に説明する責任があります。 
 日本政府はこれまで、実際には存在する乗船者名簿や関連資料を「存在しない」と偽り、事件の真実について誠実に説明する責任から背をそむけてきました。 
 今年、私の情報公開請求をきっかけに乗船者名簿や700近い膨大な関連資料の存在が明らかになりました。存在が明らかになった以上、日本政府はこれらの資料を一刻も早く韓国政府や北朝鮮政府を通じてご遺族の方々に公表すべきです。 
 私も引き続き、日本政府に対して、説明責任を誠実に果たすよう求めていきたいと思います。

 浮島丸は1945年8月22日に青森県の大湊港を出港し、8月24日に京都府の舞鶴湾で沈没しました。まもなく沈没から79年となります。舞鶴湾の海底には今も死没者の御遺骨が多数眠っているとみられ、収集された御遺骨の多くも故郷に帰れぬまま東京・目黒区の祐天寺に仮安置されています。
 今年も、大湊、舞鶴、祐天寺、そして浮島丸が向かう予定だった韓国・釜山で慰霊と追悼の集会が開かれます。私も、祐天寺と舞鶴での追悼会に参加する予定です。

【各地の追悼式情報】
・大湊での追悼集会→8月22日午後1時30分から。むつ市中央公民館駐車場。
・祐天寺での追悼式→8月22日午後6時から。祐天寺本堂。
・舞鶴での追悼集会→8月24日午前11時から。舞鶴市下佐波賀の「殉難の碑」前。
・釜山での追悼式→8月24日午後5時半から。国立日帝強制動員歴史館記念公園内。

浮島丸が沈没した海に向かって献花し、手を合わせる参加者ら(2022年の舞鶴追悼集会で)

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