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奥“ボウイ”昌史さんによる『TWILIGHT WANDERERS - BEST OF YUJI NAKADA 2011-2020 -』 ライナーノーツ

テイチクいまづです。昨年11月にリリースされた10thアルバム『PORTAS』発売記念で立ち上げたこちらの公式noteですが、3月17日のベストアルバム『TWILIGHT WANDERERS - BEST OF YUJI NAKADA 2011-2020 -』リリースに伴いこのたびリニューアル。引き続き、様々な情報やここでしか読めない記事などをお届けしてまいりますので、よろしくお願いいたします。


今回は、新作リリース時恒例の「ぴあ関西版WEB」での充実のロング・インタビューやツアーパンフでおなじみ、大阪在住のライター/編集者の奥“ボウイ”昌史さんによるベストアルバムのライナーノーツをお届けします。

「ぴあ関西版WEB」では、中田のこれまでのインタビュー記事をしっかりアーカイブしていただいてますので、まだ読まれたことがない方はこの機会に是非読んでみてください。


そして、ツアーパンフは2015年の”BITTER SWEET"ツアーからこれまでに5冊を手がけていただいてます。
完全撮りおろしのグラビア撮影と趣向を凝らした記事の数々は、毎回パンフの域を超えた「ほぼムック本」のような充実ぶりです。
ちなみに、すべて通販でご購入いただけます(笑)

TOUR 19 “Sanctuary”
http://shopping.deli-a.jp/products/item_Info.php?itemID=10535

TOUR 18 “Nobody Knows”
http://shopping.deli-a.jp/products/item_Info.php?itemID=9969

TOUR 17 “thickness"
http://shopping.deli-a.jp/products/item_Info.php?itemID=9131

TOUR 16 “LIBERTY"
http://shopping.deli-a.jp/products/item_Info.php?itemID=7821

TOUR 15 “BITTER SWEET"
http://shopping.deli-a.jp/products/item_Info.php?itemID=7750

すみません、、、すっかり前置きが長くなりましたが、奥“ボウイ”さんならではの素敵なライナーノーツ(書き立てほやほや)をどうぞ!

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「これを聴いたら、どれだけ地味に名曲を作り続けてきたのかが我ながらよく分かりました…!笑」

初のベストアルバムのリリース発表時に中田裕二が自ら寄せたコメントに、思わず笑ってしまった。そして、全33曲146分(+MV20作品)という彼の10年の旅路をたどり終えたとき、改めて大いにうなずいた。
リリース順に、『école de romantisme』(2011)『MY LITTLE IMPERIAL』(2012)『アンビヴァレンスの功罪』(2013)『BACK TO MELLOW』(2014)『LIBERTY』(2015)までの前期5作のアルバム収録曲をDISC 1に、『thickness』(2017)『NOBODY KNOWS』(2018)『Sanctuary』(2019)『DOUBLE STANDARD』(2020)『PORTAS』(2020)までの後期5作をDISC 2に収録。さらには書き下ろしの新曲「DIVERS」「TWILIGHT WANDERERS」まで追加されるなど、シンガーソングライターとしての中田裕二の出発点から現在進行形までをコンプリート。その上、DISC 3のDVDには歴代のMV全20作品を収録と、ソロ10周年を飾るにふさわしい最高のアーカイヴスとなっている。

青春=20代を捧げた椿屋四重奏という発射台から意気揚々とソロワークを謳歌しAOR歌謡を極めた前期(DISC 1)、シーンのカウンターであり続けるプライドから脱却し、真のソロアーティスト像を音楽的探訪とともに確立していくネオソウルな後期(DISC 2)。明と暗、太陽と月、どちらも代えがたい魅力に溢れているところが何とも彼らしい。

中でも、DISC 1の転機と言えるのは『BACK TO MELLOW』期で、そこからピックアップされた「薄紅」「誘惑」「愛の摂理」は、自身のルーツとオリジナリティが黄金配合で邂逅を遂げた至高の出来で、これを機に彼のプロダクトのクオリティが完全に一段上がった。DISC 2でのターニングポイントは近年の『DOUBLE STANDARD』期で、苦悩の果てに自身が歌うべき使命に立ち返ったような「海猫」「DOUBLE STANDARD」「どうどうめぐり」…時代から目をそらさず、日々矛盾を抱えて生きる人々に寄り添う、こんなにも美しくはかない音楽はそうはない。

そんなベストアルバムのタイトルは、『TWILIGHT WANDERERS』=“黄昏時のさまよい人”とはよく言ったもので、彼の音楽とこの10年の生きざまを形容するならば、まさにこれ。同時に、複数形であるこの言葉は、中田裕二の音楽を愛してくれた全ての人への感謝と信頼であり、次の10年も共に歩いていこう…そんな願いと覚悟が込められているとも感じる。

この世で歌声を上げる全てのアーティストと出会うことは難しい。だが、それが時に何かの縁で巡り合い、同じ時代を生きていく。中田裕二という才能と出会えたことは、間違いなく人生の喜びの一つであると、『TWILIGHT WANDERERS』を聴いて思う。そして、その出会いは今からでも決して遅くはないと、ここに並ぶ名曲群を前に自信を持って言える。

見届けよう、次の10年を。『TWILIGHT WANDERERS』を手にした同志たちよ。

Text by 奥“ボウイ”昌史

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いかがでしたでしょうか?

次回もどうぞおたのしみにー♫

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