新NISA、複数指定日に積み立て設定する方法

 以下の記事で、目的別にNISAの積み立て設定をする方法について紹介しました。一言でまとめると、「親と子供で別日に積立設定する」方法の紹介でした。きっかけはジュニアNISA廃止に伴い、子供の資産形成をどうやっていこう?と考えたことでしたが、親と子供だけでなく、目的別に積み立て設定するなど応用できると考えています。

 今回、別日に積み立て設定する具体的な方法についてご紹介します。新NISAの「積立投資枠」と「成長投資枠」のワナについてもご紹介します。


ひと月に複数の積立日を設定する方法

積立投資枠を使う(失敗する)

 新NISAでひと月に複数日の積立日を設定する方法についてご紹介します。まず、新NISAの積立投資枠を使って、複数日を設定してみます。通常通り、希望する商品を選択し、積立設定を行うと、、、

 失敗します。積立投資枠のルールとして、同一商品は同一月内に一つの積立日しか設定できません。つまり、例えば2月10日と2月20日に同一商品を積み立てることはできないのです。積立方法も「毎月」または「毎日」の2種類しか設定できず、毎日積立てそれを目的別に分配するのも、ちょっと違いますよね。

成長投資枠を使う

 そこで、成長投資枠を利用します。成長投資枠では証券業者によるところだと思いますが、積立設定が可能です。積立投資枠で設定してしまっている商品も選択可能なので、目的別に別日で積立設定を行い、運用していくことができます。これで前回紹介した子どもの資産運用なども可能になります。
 メリットは成長投資枠の年間投資枠は480万円と、積立投資枠より大きいです。積立投資枠は年120万円までという制限があったため、ひと月あたりに換算すると10万円しか投資できません。その枠をある程度気にしなくても済むのが、成長投資枠を使う最大のメリットかと思います。

ここである疑問が生じます。「成長投資枠で積立設定できるなら、なぜ積立投資枠が存在するの。。。?分ける理由って。。。?」ここからは筆者の考察に入っていくため、真意のほどは定かではない点、ご了承いただければと思います。

積立投資枠と成長投資枠が設けられた理由

理由1)トラブル回避のため

 これまでのNISA(旧NISAと呼びます)では、つみたてNISAまたは一般NISAの2つ(ジュニアNISAは省きます)のどちらかしか選択できないというレギュレーションがありました。どちらかしか使えないというのは、今考えると非常にもったいないですが、当時は非課税という最大のメリットに惹かれ、利用者が増えていったのだと思います。そんな旧NISAが廃止され、新しいNISAがスタートしたとき、もし成長投資枠しか設定されなかったら。。。?
 一般NISAを使っていた人なら積立設定できると知っているので問題ないですが、つみたてNISAしか触ったことがない人からするとどうでしょう?これまでのような運用ができなくなる?と勘違いしてしまい、利用を辞めるか、中にはクレームをつけてくる利用者もいるでしょう。そんなトラブルを回避するため、旧制度を踏襲するという形で、積立投資枠は設けられたのだと思います。

理由2)旧NISAからの引き継ぎのため

 これがおそらく最大の理由だと思いますが、旧NISAを利用していた方ならわかると思いますが、新NISAは旧NISA口座を持っている人なら特に手続きせず自動的に開設される仕様になっていました。このとき、新NISAに成長投資枠しか無かったら、どうなるでしょうか?つみたてNISAが一般NISAのような成長投資枠に引き継がれるというよくわからない状況になり、少し混乱を招きますね。つみたてNISAは積立投資枠で引き継ぐ、という流れを作るためにも、積立投資枠は設定されたのだと思います。

それでも必要?積立投資枠と成長投資枠のカテゴリー

 ただ、成長投資枠でも積立投資枠と同様に積立設定ができます。両者の違いといえば、積立投資枠の制限の強さ、くらいでしょか?この2つのカテゴリーは、実質呼び方くらいしか違いが見つからないので、将来的になくなるのかなと思います。ただ、扱っている商品が異なってどちらかといえば積立投資枠のほうが安全な商品が多いため、例えば将来未成年は積立投資枠しか使えないというような残り方をするのもあり得るかなと思います。いずれにしても、現状つみたて運用をするに当たり、両者は上手に使い分けることが重要かなと思います。

さいごに

 今回はひと月に複数日で積立設定をする具体的な方法についてご紹介しました。目的別に積立日を分ければ、その積立日で口数を計算し、それぞれいくら投資できたのかを把握することが可能です。また、成長投資枠を利用すると同一商品でひと月に複数の積立日を設定できます。積立投資枠と成長投資枠を上手に利用し、効率よく資産を形成していきましょう!

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