【無料】ダイアンのよなよな…が終わるなんてありえないぜよ
おい。うそやん。それはあかんやん…
そんな言葉が勝手に出てくる一報。
ABCラジオ、秋の改編に伴ってのよなよな終了である。
ということは、当然ダイアンのよなよな…も終わる。
ダイアンのよなよな…というラジオ番組。
エンタメの種類や形式が細分化されすぎた現在でも、絵に描いたような深夜ラジオっぷりを突っ走り続けてきた中毒性の高いラジオ番組。
全くブレることなくフリートークとコーナーをひたすらにこなす、いわゆる古き良き深夜ラジオの真骨頂を残す番組。
オールナイトニッポン(ニッポン放送)やJUNK(TBS)などとはまた違った空気感があり、良い意味での緩さが充満していた。
しかし、そのモサっとした独特の緩さの中でハイセンスな笑いを運んでくるのがダイアンのお二人のトーク。
とにかく、この掛け合いの面白さに関しては他の追随を許さない。ただただ二人が喋ればどんなことでも笑いへと転がっていく強さ。
どんな些細な話題であろうと、流れる空気感の全てが面白さで支配されている。ユースケさん津田さんは何をしていても何もしていなくても、おもしろオーラが毛穴から解き放たれている。
よくダイアンのお二人はラジオの中で時事ネタへと言及するが、ビックリするくらい何も核心を突かない。
今、世間を賑わせるニュースを引っ張り出して話を広げるが、最後まで何も言っていないことと同じくらい切り込みが薄い。
私は毎度思っていた。
それが、なんでおもろくなるんやろ…?
話題のニュースにズバッと切り込んで面白くなるのは当たり前。
ほぼ毎週、テレビやラジオなどの媒体で死闘を勝ち抜いてきた覇者たちが話題のニュースや時流に一石を投じ、鋭い意見や独特の着眼点で見所を作り上げていく。
それは覇者だからこそ成せる技であり、説得力と絶対的な信頼が手繰り寄せてしまう格の違い。
しかし、ダイアンさんは話題のニュースに一石も投じないわりに笑いを生み出していく量がおかしい。
ニュースへの切り込み具合と面白さの分量が比例していない。
「内容薄っ!」と言われれば本来ならガッカリされるところだが、「内容薄っ!」と言われる地点からどんどん面白さが広がりを見せていく
これは、ある意味離れ業。
なぜなら、このやりかたは己の身を斬らずして半永久的に量産できてしまう笑いのメソッドだからだ。
己の身を斬りながら戦えば、どうしてもダメージは避けて通れない。
しかし、ダイアンさんはノーダメージかつ二人が喋ってさえいれば確実に笑いが担保されている。
ゆえに、これが成立するのなら長続きしていく未来しか見えない。
将来の先細りが想像できないラジオ。
それがダイアンのよなよな…だった。
さらに、ダイアンのよなよな…は玄人にもガッチリ刺さっている。
しかも、単なる玄人ウケではない。
芸人さんでダイアンのよなよな…を聴いている人は実際に多いのだが、これまでよなよなを聴いていると私に伝えてきた芸人さんは、もれなく面白い芸人さんたちなのだ。
これは決して偶然ではなく、面白い人に刺さってしまうラジオなのだろう。
昨今、声高に語られがちな戦略もなければ、時代を読む嗅覚などが優れているわけではない。
ただただ、面白さだけで形成されているのがダイアンさんの個性であり、シンプルに笑いのセンスのみがズバ抜けているだけ。
むしろ、笑い以外の部分においては不器用な印象を受ける。
だからこそ信用できる。だからこそ何も考えず好きになれる。
変に小器用な立ち回りができる人は、仮にスキルは高くても、どこかに違和感を覚え何かが引っかかる。
感性の鋭い人はそこも含めて見抜けてしまう瞬間があり、気持ちよく応援させてくれない場合がある。
余計なことは一切考えず、シンプルにおもしろいことだけを喋って笑わせようとする姿勢。
それもダイアンさんが目利きの人間たちに一目置かれてしまう大きな理由だろう。
それゆえ、ダイアンのよなよな…はリスナーのレベルが高いことも透けて見える。
深い魅力を感じ取ったならば、それは笑いの本質を理解していることと同義語。
当然、コーナーに送られてくるネタのレベルも高い。
ハッキリ言って、ダイアンのよなよな…こそ、理想のラジオ番組なのだ。
結局、誰に支持されているか?
芸歴を重ねれば重ねるほど、最終的にはそこに集約されていく。
そもそも、誰がダイアンさんを高く評価しているか?
それを知ってもらえれば全ての答えが出る。
レジェンド級の天下人たちは想像以上に全てを見通せており、どれだけ取り繕おうともごまかしがきかない。
その上で、お笑い芸人としての能力だけをダイアンさんは評価されている。
ようするに、M-1グランプリに優勝したのと同じ。
ダイアンさんはM-1で優勝こそしなかったが、M-1チャンピオンと同じなのだ。
だからこそ、ダイアンのよなよな…の終了は残念すぎるのですが、よなよなは終わろうともここでダイアンさんのラジオが消滅してしまうのはありえない。
どこかが始めなければ勝手に自身のYouTubeチャンネル内でも音声の配信はできる。ただ…
声を大にして言いたい。
本当にそれでいいのか!?
ラジオはパーソナリティとリスナーを繋ぐ密談ができる濃厚なメディアだからこそ、絶対に本物を残しておく必要がある。
ラジオはパーソナリティショーであり、誰の番組であるかが全て。
こんな言い方をするのは少し気が引けますが、ダイアンさんのラジオをやっているラジオ局は絶対に得をします。
笑いの感度が高い人たちや、センスあるリスナーたちを相手に魅了できるラジオ番組を持てることは、どれだけ娯楽が多様化されようとも他の何事にも変えがたい。
ただでさえメディアの勢力図はインターネットに流れていき、時代の動きを止めることは不可能。
そんな苦境の中でもラジオは何で戦うのか?
パーソナリティの本物度で戦うしか道は残されていない。
大切なのはネットに流れた人たちを呼び戻すのではなく
今、ラジオを聴いている人たちをラジオにステイさせること。
正直なところ、よなよなは終わったとしてもダイアンさんを手放すとは思い難いのですが、、、
ダイアンさんのラジオ番組が何かしらの形で継続となれば、きっとラジオの未来は明るいぜよ。