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【無料】人を笑わせることにおける量、質、角度、運気。

奥深すぎて答えは分からないけれど日々勉強になります。

人を笑わせることは奥が深すぎる。

狙い通りにいく場合もあれば、狙いが外れる場合だってある。
客前でやってみなければ分からないことが90%を占める中、少しでも精度を高めるための準備をする。

自分の中で痛切に感じることがあったので、自分用として文に残しておきます。

笑いにはウケ量、ウケの質、笑わせる角度、笑いを呼び込む運気がある。

この4つの要素全てがガチッと合わさった時、表現する側も作り手側も観客側も十分な満足を得ることができる。

どこか1つが突出しても良くないし、何か1つが足りないだけで全くの別物。繊細かつ緻密な要素の積み重ね。

驚くほどに微妙な違いが結果として大きな差を生むので、「笑いの神様が降りてくる」なんて表現されるほど不思議なメカニズムで笑いは構成されている。

ウケたウケていないを1番分かりやすく定義づけするのはウケ量。
笑わせたい人たちは皆ウケることを目指し、ウケ量こそが全ての基準。

基本的にウケ量がなければスベったとカウントされるので、1番大切なのがウケ量であることに異論はありませんが…
実際、やる前に1番計算できるのはウケ量だったりもする。

ようするに「これはウケそうだな…」というのは過去の経験から鑑みて、ある程度の予測ができる。
笑い声の大小は客層や現場の空気によって違えど、ウケることに関しては計算が立つ。

しかし、ウケ量ばかりを追い求めるとウケの質を置いてきぼりにしてしまう場合があり、ここのバランスを考慮することは本当に大切。

ウケの質とは笑い声の大小などを度外視したレベルやクオリティ自体のことですが、響く笑い声の大小だけを追い求めれば足元をすくわれる。

ウケてはいるけど、本当に内容が芯を食っているかどうか?そこは絶対に無視できない。
結果オーライだけで乗り越えていると、どこかでツケが回る。

質が問われる笑いの種類は大きく分けて2つ。

観た人が事後に覚えているか?

目利きの人間も納得できるか?

大抵、この2つをクリアしていれば笑いの質は保証されている。

"思い出し笑い"という言葉がありますが、まさに思い出し笑いをさせられるなら相当クオリティは高いはず。
ウケの量だけでなく、あとあと振り返った時に、「やっぱりアレおもろかったな…」となる笑いも目指すべき。
言い換えれば、もう一度観たいと思ってもらえるか?

さらに、目利きの人間をも笑わせることができれば、レベルの底上げの可能性を見込める。
実際、玄人から観てイマイチなものは、どこかに大きな穴があるのだ。
もちろん、客席のウケは大切だが、そこだけで全てを判断しないこと。

「おもしろすぎるから伝わりにくい」は通例であり、それは何もお笑いだけに限った話でもない。
ある程度合わせにいかなければ目に見える結果は見込めないが、クオリティの追求をやめてしまったら進化は止まる。

多少は伝わりづらいレベルを打ち出しつつも、きちんと的は外さない。質へのこだわりが個性にもなっていく。

そして、笑いの質と大きく関与してくるのが、笑いを生み出す角度である。

どんな切り口で勝負しにきたか?
これは笑いのセンスや感性であると同時に、1つの心意気でもある。

ここで問われるのは大枠を決めることになる題材やテーマ。

題材やテーマ自体が刺さらなければ、なかなかお客さんを盛り上げることは難しい。
例えば、大勢の女性客を相手にプロレスをテーマに喋ったとすればスベる可能性は高いし、大勢の年配客を相手にマッチングアプリを題材にされても入っていけない。

そんなことは誰にでも分かることなので、テーマは誰にでも当てはまりそうな広めのものを構えてしまいがちなのですが…

それでも攻めなければいけない時もある。

挑戦的な構成を仕掛けてみる。
普段とは違うテーマに挑戦してみる。
狭すぎる題材を広く刺さるよう落とし込む。

そのチャレンジこそが質の向上を呼び起こし
その心意気が次のレベルアップにも繋がっていく。 

マイナーな話題に対してはメジャーな切り口を入れ
メジャーな話題に対してマイナーな切り口を入れる。

それを繰り返すうちに、いつしか笑いの筋肉がつき
何となくのバランス感覚も養われていく。
時にニッチなコースを攻めつつも、王道な笑いに跳ね返る遠回りな順路を辿る。

結果、そこで悩み苦しんだプロセスが運気を呼び込む。

なんだかんだ言ったところで、やってみなければ分からないが、現場に運気を呼び込めるか否かでは雲泥の差。

笑いを生む角度において挑戦し
笑いの質の向上を目指し
必死に足掻いた結果
良い風が吹いて運が味方してくれる気もするのだ。

最終、、、全体のウケ量に直結するかどうかは結果論。

人を笑わせることは奥が深すぎますが、大切なのは精度を高めるための準備と、準備をする上での心構え。

優しく寄せていく意識と一つ上のレベルを提示していく志の共存にヒントはあるのかもしれません。

ようするに、本気で笑かしたいのならば

はみだして なじめ!


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ゆじりこ【放送作家・ライター】
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