【無料】ウケないエピソードトークはイントロを変えてみる
「僕が中学2年生の時の話なんですけど…」
「何年か前に後輩と一緒に旅行行った時の話なんですけど…」
エピソードトークには出だしを話し始めるフリの部分が絶対にある。
これからどんなことを話すのか?を端的に説明する導入であり、いわゆるイントロ。
最初のフリの部分は何気なくサッと通り過ぎるが、実際はこの段階で勝負が決まっている場合がある。
話し始めは聞き手側の興味を起こす作業の一発目であり、この段階で角度をつければエピソードの聞こえ方は見違えるほどに変わる。
騙されたと思って試してみてほしい。(試すタイミングがあるかは知りませんが)
今までウケなかった話が生まれ変わる可能性を秘めております。
例えば…
「もう、一生恋愛できひんなってトラウマになった出来事なんですけど…」
「たった5分で自分のことを大嫌いになってしまった話なんですけど…」
こんな入り口からエピソードを始められたとすれば、何があったんやろ?と聞き手は少し前のめりにならないでしょうか?
「僕が中学2年の時の話なんですけど…」より先が聞きたくなるフリになっているのは理解できると思います。
フリの段階で聞き手を惹きつけることによって語り手の気持ちが乗ります。
語り手の気持ちが乗ればリズムを生みます。
リズムを生めば温度が上がります。
温度が上がれば笑いを生みやすい土壌が整います。
音楽ライブでよくある、曲のイントロが鳴った瞬間に客席が「ギャーーーー!!!」歓声が沸くやつ。
イントロでテンションを上げてくれると、Aメロに入ってからも盛り上がりやすい。
これはエピソードトークも同じ理屈。
エピソードに角度をつけてグラデーションを描かないとウケる話もウケない場合があります。
フリをコンパクトにまとめて、サッとオチに繋げていくショートエピソードもありますが、それは話の中身と起きた出来事自体が相当おもしろくないと成立しません。
正直、話の中身だけで勝負することには限界があります。
めちゃめちゃおもろいエピソードなんて、そんなにないよ…と手練れのトークエキスパートですら悩むことなので、話の引き出しのみで挑み続けるのは厳しい。
目指すべきは90点の話をすることではなく、60点の話を90点にブラッシュアップする作業。
その一部分を担うのがフリだったりします。
ここに一つ懸念事項があるとすれば、フリでハードルが上がってしまう問題。
フリが壮大なわりに、なんやその話!とガッカリされる瞬間もあります。
フリで目線を下げておいて中身に入って当てにいくパターンのほうがトークのテクニックとしては王道。
ゆえに、そちらの道を取る人のほうが圧倒的に多い。
ただ、下げたハードルを軽く飛び越えるエピソードより
上げたハードルに立ち向かっていくエピソードで挑む姿勢がトーク力の基礎を作り上げていく。
ある程度追い込まれた上でトークを展開していけば、自ずと気持ちが入る。
適度にまとまった話を重ねるより、気持ちで運べる話を優先していくほうが話術の地肩を作る。そのためにも興味を持ってもらえそうなキーワードは早めに入れ込んでおき聞き手を起こす。
大風呂敷とまでは言わないが、「目線は上げてもらってけっこう」だと逃げ場をなくすことで勝手に熱量が込められるのだ。
よっぽど面白い話や、よっぽどの話芸を持った人でない限り、高いハードルに立ち向かう姿勢で走りきるエピソードのほうが好ましい。
結局、人間が人間を笑かす作業なので人間味が伝わることが最大の近道。
"自分という人間"を伝えるための手段としてもトークのイントロ部分を変えてみるだけでエピソードは一変します。
「高校生の時に行った修学旅行での話なんですけど…」
「人生の不平等さを痛烈に感じた出来事なんですけど…」
この2つのトークの出だし…
自分が聞き手だった場合、どっちの続きが聞きたくなるか?
一度続きが聞きたくなるフリをアタマに入れて、エピソードを走らせてみてください。
今までウケなかった話が生まれ変わるかもしれません。
その向こう側にある15分間1人で喋る方法に関しては、こちらの有料記事で有料級の内容を本気で書いておりますのでご興味あればよろしくお願いします。