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ONE OK ROCK TakaはMADE in JAPANの奇跡『その背中に背負うもの…』

2018年10月21日、私はさいたまスーパーアリーナにいた。
ONE OK ROCK with オーケストラツアーが開催される日だ。

ワンオク×オーケストラ。

奇跡の歌声に壮大な音色が合わさる…
これ以上はない組み合わせであると同時に、未体験の世界に胸が高まる。

私は音楽が生業ではないので、専門的なことは言えない。
しかし、ワンオクロックが日本のバンド史上最高傑作なのは理解できる。

その衝撃的とも言える音楽体験…
心を奪われたのは一撃だった。

まず、驚かされたのは、その音楽性。

リンキンパーク、グッドシャーロット、レッドホットチリペッパーズ、グリーンデイ、フーバスタンク、ブリンク182、などなど

15年〜20年前のアメリカのロックシーンからの影響を色濃く感じる。

おそらく、そのあたりのUSロックシーンから影響を受けた日本のバンドは多い。
基本的に音楽は影響を繋いでいくリレーのようなものであり、ワンオクとて例外ではないはず。

しかし、ワンオクは他のバンドとは一線を画す。

完全に軸足が世界に向いているという『音楽的レベルや方向性』の差もあるが、何より圧倒的なのはボーカルTakaの歌声。

もう、この声に関しては老若男女、そして世界中全ての人々を納得させる説得力がある。

3秒歌声を聴いた瞬間…格の違いを感じざるをえない。

私なりの言い方で表現すると
『お金を取るべき歌声』
初めて生で歌声を聴いたとき、私はこんな印象を抱いた。

そりゃあプロだからお金は取るでしょ?という声も聞こえるが、果たしてどうだろうか。
実際、お金を払ってでも聞きたい歌声など、そんな数多くはない。
イベント全体に対するエンタメ空間として、チケット料金を払うに値することは分かる。

しかし、歌声のみでお金をペイして当然だと思わせる魅力は何事にも変えがたい。
決して安くはないチケット代金を安いと感じさせる歌声なのだ。

さいたまスーパーアリーナ。
オーケストラをバックにしたTakaの歌声も圧巻の一言だった。

私の中にあった、このライブの裏テーマはTakaの歌声VSオーケストラ。
オーケストラ特有の壮大な世界観と分厚い演奏。
そんな大きな大きな壁に立ち向かう1人のボーカリスト。
私にはそんな戦いに見えた。

ワンオクは音楽性を変えたタイミングがある。
アルバム35xxxv以降は「洋楽っぽい」などと評されるようになり、昔からのファンを中心に賛否両論巻き起こしていることも知っている。

私の周りの若い仕事仲間なども「昔のワンオクのほうが好きだった」と言っている人が多い。

これは好みの問題なので、どっちが良い悪いと正解を決めることはできない。本来なら。

しかし、ワンオクに関しては正解を決めることができる。誰が何と言おうと、これに関しては正解がある。

断言しよう…

昔ではなく、今のONE OK ROCKが最強。これは絶対だ。
「洋楽っぽい」と言われ出して以降のワンオクこそが世界基準であり、音楽としてのクオリティーも格段にレベルアップしている。

これに異論はなし。人それぞれ好みはあるが、時に好みを超越したものもある。

「日本人なのに英語で歌ってるのがちょっとなあ…」という意見を聞いたこともあるが、それは何も分かっていない。

『英語で歌っていること』
もう、それ自体がとてつもなく凄いことなのだ。

日本語をネイティブスピーカーとする者が、英語をハイレベルで巧みに操り、音楽に落とし込むところまでもがセットで別次元。

音楽には耳心地というものがある。
あそこまで美しい英語を音に乗せて歌い上げるところまでふくめて音楽。

ちなみにTakaの英語は発音、しゃべり方から察するに耳から覚えた英語であり、テキスト等々で勉強した英語ではない。Takaの話す英語の音だけを聞けば、ネイティブスピーカーと勘違いしてしまうほどに音が綺麗だ。これで帰国子女ではない…という驚愕の事実。

この常人離れした耳の良さ…

それもふくめて音楽的センスの一部であり、才能のカタマリなのは確かだろう。

あと、『洋楽っぽい』というのは、基本的に褒め言葉でしか使わないことも付け加えておきたい。

「洋楽崩れ」「洋楽の真似」などは否定的な言葉になるが、パッと一瞬聴いた瞬間、洋楽かと勘違いすることは、裏を返せばそれだけ卓越した音を響かせている証拠。

「日本人なのに洋楽っぽいことして…」という言い分は
「日本人なのにメッシやクリスティアーノロナウドのようなドリブルして…」と言っていることと同じ。

しゃべれない英語を歌詞のメインで駆使することは想像以上に過酷な作業だが、世界を拠点とする上で英語は必要不可欠。
論争をするのは勝手だが、見ている景色や狙っているイスの高さが、そもそも違う。

15年〜20年前のUSロックシーンからの影響下にある…と、冒頭で言ったが、実際のところは影響から憧れになり、憧れから凌駕する域に入っている。
もはや、あの頃のレジェンドたちと引けを取らないのでは…と、個人的には感じる。

リンキンパークのマイクシノダやアヴリルラヴィーンなどとの共演を見ていても、全く見劣りしない。
見劣りどころか、むしろ勝っているのでは…と本気で思わせてくれる瞬間もある。

海外の一流アーティストと互角で渡り合う日本人アーティストが出現する。
正直、そんな日が訪れるとは思っていなかった。

もう、本格的にワンオクロックは音楽界のイチローになっていく道のりを先頭で歩み出している。

最新のアルバムEye of the Storm を通じて、「ワンオクはロックじゃなくなった」みたいな意見も聞くが、ハッキリ言わせてもらおう。

ロックとかロックじゃないとか、もはやそういった次元で語れるバンドではない。
ワンオクロックのスケールとポテンシャルは、そんな場所からとっくに離れている。

日本発、いや、アジア発
本当の意味で、世界を相手に戦える力がある。
ワンオクの音楽を語るとすれば、その部分だけで十分。
ジャンルなど何でもいい。どうでもいい。

Takaが真ん中で歌えば、それがONE OK ROCKという唯一無二のジャンル。

世界で戦えるレベルのボーカリストが日本から生まれた。

これを私はMADE in JAPANの奇跡だと呼んでいるが、この日本屈指のボーカリストを説明する上で1つ避けて通れない話がある。

それは、Takaの生まれ育った境遇の話だ…

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