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<ラグビー>早くもエディ・ジョーンズの後継者探し

(この文章は,以下のNZヘラルドの記事を引用しています)
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby-scott-robertson-as-next-england-coach-12-potential-candidates-to-succeed-eddie-jones-and-whether-they-can-fill-his-shoes/HBX5BLNJNHC3UGQBWU6STMEHLU/

今シーズンのシックスネーションズで5位になったことに対し,イングランド協会チーフエクゼクティヴのビル・スウィーニーが「受け入れない」と発言したことを受けて,英国デイリーテレグラフ紙のチャールズ・リチャードソンが,早くもエディ・ジョーンズ監督解任後の次期監督候補を挙げている。

1.ロブ・バクスター
エクセター・チーフス監督のバクスターは,サラセンズ監督のマーク・マッコールとともに,クラブレベルから代表レベルへの昇格が期待されてきた。これに対して,マッコールは引き続きクラブレベルに止まる意向だが,バクスターは代表チームを指導する融通性を持っている。

主要業績:2010年ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝(エクセター),2017年及び2020年イングランド・プレミアーシップ優勝(エクセター),2020年ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝(エクセター)

2.アレックス・サンダーゾン
サラセンズのアシスタントコーチとして,ヨーロッパのクラブラグビー界に君臨しているが,代表レベルで指導可能なことを証明したい。

主要業績(アシスタントコーチとして):2011年,2015年,2016年,2018年,2019年イングランド・プレミアーシップ優勝(サラセンズ),2016年,2017年,2019年ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝(サラセンズ)

3.コナー・オシェア(NZ人)
前ハーレクインズのディレクター・オブ・ラグビーであるオシェアは,2020年からはイングランド協会のパフォーマンス部門の責任者となっている。また,イタリア代表監督をしていたときは,イングランド戦で通称「ラックゲート」という,相手ボールのラックに味方選手が一人も入らない(ラックが成立しないため,ラックオフサイドも成立しない)という,奇妙なゲームをして有名になった。

主要業績:2012年イングランド・プレミアーシップ優勝(ハーレクインズ)

4.アンディ・ファレル
皮肉なことに,45歳の衆目が一致するジョーンズの後任候補NO.1は,現在アイルランド代表監督をしており,2023年RWCまでの契約が残っている。また,先日のイングランド戦快勝で,契約途中で辞める気持ちはさらさらないことだろう。ただし,これまでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのアシスタントコーチを2回経験し,イングランド代表でもスチュアート・ランカスター監督の下で働いた経験がある。また,現イングランドのキャプテン,オウウェン・ファレルの父であることは衆目の事実だ。

主要業績(アシスタントコーチとして):2011年イングランド・プレミアーシップ優勝(サラセンズ),2013年ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのオーストラリア遠征勝ち越し,2018年シックスネーションズ・グランドスラム(アイルランド)

5.ワレン・ゲイトランド(NZ人)
元ウェールズ代表監督は,現在NZに戻ってチーフス監督に就任したが,今年のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの南アフリカ遠征に際して,監督を担う。その後は,2024年までチーフスとの契約が残っているが,代表監督としては無職となるので,ゲイトランドが希望すれば,イングランド代表監督就任も可能だろう。

主要業績:2003年,2004年,2005年イングランド・プレミアーシップ優勝(ワスプス),2004年ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝(ワスプス),2013年ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのオーストラリア遠征勝ち越し,2013年シックスネーションズ優勝(ウェールズ),2008年,2012年,2019年シックスネーションズでグランドスラム(全勝優勝,ウェールズ)

6.ジョン・ミッチェル(NZ人)
クライブ・ウッドワード監督時代のイングランド代表でアシスタントコーチを務めていた。56歳の現在は,昨年のRWCでイングランドのディフェンスコーチとして準優勝に貢献している。オールブラックス監督としても,2003年RWCで3位(エディ・ジョーンズ監督のオーストラリア・ワラビーズに準決勝で敗退)になった他,ウッドワード時代のイングランド代表でもファイブネーションズで準優勝を経験している。

主要業績:2011年南アフリカ・カリーカップ優勝(ゴールデン・ライオンズ),2002年,2003年トライネーションズ優勝(オールブラックス)

7.ラッシー・エラスムス
2019年RWC優勝の南アフリカ代表監督は,現在は元のディレクター・オブ・ラグビーに戻っているが,南アフリカのメディアによれば,イングランド協会とジョーンズ監督の後任候補として,既に連絡を取り合っているそうだ。

主要業績:2005年,2006年南アフリカ・カリーカップ優勝(フリーステート・チーターズ),2019年RWC優勝(南アフリカ)

8.ジェイミー・ジョセフ(NZ人)
エディ・ジョーンズ監督の後任として,日本代表監督に就任し,2019年RWC地元開催で日本代表を初のベスト8に導いた。2015年にはハイランダーズでスーパーラグビー優勝を遂げている。イングランドがアタック重視なら,ジョセフが適任だろう。

主要業績:2015年スーパーラグビー優勝(ハインラダーズ)

9.スティーヴン・ボースウィック
41歳のボースウィックは,元イングランド代表キャプテンであり,2015年から2020年シックスネーションズまでは,ジョーンズ監督の下でアシスタントコーチをしていた。また,ジョーンズが日本代表監督を務めていたときも,3年間アシスタントコーチをしている。現在は,レスター・タイガーズのディレクター・オブ・ラグビーをしているが,代表監督もできることを証明したい。

主要業績(アシスタントコーチ):2016年シックスネーションズでグランドスラム(全勝優勝,イングランド),2017年,2020年シックスネーションズ優勝(イングランド)

10.ジョー・シュミット(NZ人)
2019年RWCを最後に,アイルランド代表監督を辞めたシュミットは,家族との時間を大切にしたいと,多くの代表監督就任要請を断ってNZに戻った。その後,2020年10月からは,WRのハイパフォーマス担当のディレクター・オブ・ラグビーを務めている。もしも家族との時間を再び犠牲にする気持ちがあれば,イングランド代表監督のオファーを受けるかも知れない。

主要業績:201年フランス・トップ14優勝(クレルモン・オーベルニュ),2011年,2012年,2013年プロ14優勝(レンスター),2014年,2015年シックスネーションズ優勝(アイルランド),2018年シックスネーションズでグランドスラム(全勝優勝,アイルランド)

11.マイケル・チェイカ
54歳のチェイカは,オーストラリア・ワラビーズ監督を2019年RWC後に解任されたが,2020年はアルゼンチン代表の顧問を務め,アルゼンチンの歴史的なオールブラックス初勝利に貢献した。その後,自身がレバノン人の血を持つことから,リーグラグビーのレバノン代表監督を務めている。

主要業績:2008年ケルティックリーグ優勝(レンスター),2009年ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝(レンスター),2014年スーパーラグビー優勝(ワラターズ),2015年ザラグビーチャンピオンシップ優勝(オーストラリア)

12.スコット・ロバートソン(NZ人)
候補の中で最もダークホースといえる存在だ。46歳の現在,クルセイダーズでスーパーラグビーを3連覇しており,次期オールブラックス監督としての期待も大きい。国代表レベルでのコーチは未経験だが,担えるだけの十分な実績を持っている。

主要業績:2017年,2018年,2019年スーパーラグビー優勝(クルセイダーズ),2020年スーパーラグビーアオテアロア優勝(クルセイダーズ)

個人的見解:
12人中6人がNZ人ということでも,世界的にNZ人コーチの優秀さが高く評価されていることがわかります。また,現ワラビーズ監督はNZ人のデイヴ・レニーですし,日本代表もNZ人のジェイミー・ジョセフです。さらに,トップリーグには多数のNZ人コーチがいます。

しかし,イングランド監督はコーチとしての世界最高額の報酬が約束されているとはいえ,NZオールブラックスにとっては宿敵であり,また元植民地という因縁もあるので,NZ国民としては受け入れ難いでしょう。

そう考えると,NZ人以外が候補となりますが,面白そうなのはマイケル・チェイカで,可能性が一番高いのは,スティーヴ・ボースウィックではないかと思います。

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