<旅行記>沼津、一泊二日の温泉旅
元勤務先の友人夫妻と私ども夫婦の老人珍道中で、沼津へ一泊二日の温泉旅に行った。
朝9時頃に東京を出発する東海道線各駅停車に乗り、熱海で乗り換えて沼津に着く。それまでは、皆でマスク越しに四方山話をして、乗車時間の約2時間があっという間に過ぎてしまった。人生は意外と短いのかも知れない。
駅からタクシーに乗り、沼津漁港(表題の画像)へ。あらかじめネットで調べておいた寿司屋で、さっそくビール、日本酒にちらし寿司のランチ。東京では雨だったが、沼津では良い天気になったこともあり、アルコールは雨傘の水滴同様に、すぐに蒸発してしまう。
ランチの後は、宿のチェックインまで時間があるので、友人が調べていたSF的な水門「びゅう」を見学。
別角度から見ると、なにか宇宙船のように見える。このまま火星に向かって発射しても不思議でない・・・ような。
展望台から港を見ると、なかなかフォトジェニックな風景が広がる。日本は、日本の港は、とても長閑だ。一日が長くなる。
展望台を降りた後、観光客用のアーケードに入って、ビール休憩。そう、アルコールはすぐに蒸発してしまうのです。人生は長く、酒は短い?
その後、再びタクシーに乗って、これまた友人が下調べしていた、沼津御用邸記念公園に向かった。
ここは、パンフレットによれば、明治26年に大正天皇(当時皇太子)の静養先として建てられ、明治38年には、昭和天皇の御用邸として西付属邸が建てられた。大正時代にはほぼ現在の形になったが、本邸は第二次世界大戦時に消失してしまった。その後、平成28年に国の名勝に指定され、現在の記念公園となっている、とのこと。
昔の調度品などを見るのは、天皇家の生活ぶりが想像できて、けっこう面白かったが、個人的に興味をそそられたのは、「さざれ石」(注:国歌『君が代』のさざれ石です)の一部と、「お玉突き所」と名付けられたビリヤード場だった。
ビリヤードは、今一般的にプレーされているポケットではなく、昔流行していた四つ玉。そのため、四隅+中央のポケット(穴)がないし、玉も赤白の四つしかない。プレーも、ポケットと違ってちまちまやるので時間がかかり、高貴な人が時間潰しにやるには、もってこいだと思う。
ちなみに、私は下手ですが、賭けないという前提で、ビリヤード(ポケット)もスヌーカーも大好きなので、いつでもお相手しますよ!
この後、幸い曇り空になった中、右手に「学習院御遊泳所」を見ながらとぼとぼと歩き、途中コンビニのエアコンで涼みがてら、地ビールとつまみを買って、予定通りの時間帯に宿へついた。そこは、松などが良く手入れされた庭が美しい、なかなか風情ある旅館だが、経年劣化を半端に改装しているのがマイナスになっている。
宿に着いた後は、お決まりの温泉、夕飯、温泉浴衣卓球、二次会とやって、年寄りらしく早々に就寝。翌日は、これまたお決まりの、朝風呂、豪華な朝食、土産品購入をした後、沼津駅に向かった。
帰りは新幹線を三島から使うことも考えたが、急ぐ旅ではないので、同じ各駅停車に乗り、遅めのランチタイムにちょうど良く着いた東京駅地下街で、打ち上げのビール(!)ランチで、このささやかな小旅行を無事に終えた。
今回のメインは、私としては、経年劣化しているぎっくり腰、膝痛、指のリューマチ治療だったが、意外と面白かった沼津御用邸記念公園が、最も記憶に残るものとなった。外国人観光客が来ても、かなり楽しめると思う。