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勝者と敗者

昨日、高校野球の秋季大会、福岡大会の準決勝を観戦に行きました。
第一試合は、東福岡と育徳館の対戦。
この試合は、劇的な、逆転サヨナラで育徳館が勝ちました。
勝負が決まった瞬間、ホームベース付近で膝をつき頭を抱える東福岡のキャッチャー、ホームの後方で同じように膝をつき頭を抱えるピッチャー。
その脇で、歓喜の輪を作る育徳館の選手たち。
勝者と敗者の、明と暗…


▼ 敗者を視界に入れることができるか

育徳館の選手は、喜びを爆発させましたが、すぐに整列に並びました。
東福岡の選手たちがまだ、グランドに跪いている間に、すぐに大喜びをやめ、整列を始めました。
素晴らしいと思いました。
おそらく育徳館の選手たちには、グランドで項垂れる東福岡の選手たちの姿が、視界に入ったのだと思います。
お互いに死力を尽くしての死闘だったからこそ、負けた相手の選手の気持ちに、思いが至ったのだと思います。
そんな、整列の仕方でした。


▼ いろんなことを感じて学ぶ

試合後僕は、たまたま、グランドから選手たちが外に出てくる出入口付近を歩いていました。

そこに、東福岡の選手たちがいました。
選手たちは、そこでもまだ、座り込み、膝に頭を埋めて、肩を震わせていました。
あと一歩で九州大会だったのですから、そうでしょう。

その脇を、勝った育徳館の選手たちが歩いて通り過ぎていました。
育徳館の選手たちの目にも、涙が溢れていました。
嬉し涙なのでしょう。
でも、育徳館の選手たちに、誰も声を発する者はなく、涙を浮かべた眼は、じっと前を見つめていて、淡々と歩いて過ぎて行っていました。

負けた者への、最大の配慮なのだと、僕には思えました。

勝った者、負けた者。

勝った者も、いつ自分たちが負けた者になるか分からない。
負けた者は、この悔しさをバネに、一層の精進を違うのでしょう。

勝った者も、負けた者も、そこから何かを感じ、何かを学ぶのです。

項垂れる敗者の脇を、涙を浮かべた勝者が淡々と通り過ぎる。
ほんの一瞬の光景でしたけど、僕は、大きな大きな感動を覚えました。

両チームの選手とも、頼もしい若者だと、感じました。


以上でーす。

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