写真の中にある心に働きかける要素をプンクトゥムという
プンクトゥムという言葉を知ってますか?
僕は何となく聞いたことはあるけどちゃんと理解していないので調べてみました。
プンクトゥムとは?
ロラン・バルトが「カメラ・ルシダ」で紹介した概念で、
バルトによると、写真には二つの要素があります。
「スタジウム」と「プンクトゥム」です。
「スタジウム」は写真の明白な内容、技術的な質、構成を指します。
一方で「プンクトゥム」は、写真を見た人に個人的なレベルで強く訴えかける要素です。これは一般的には計画されない、偶発的なものであり、写真を見る人の個人的な経験や感情に深く根ざしています。
プンクトゥムの例
よくわからないと思うので、例を話します。
例えば、木の写真があるとします。
その写真がある人にとってはただの木かもしれませんが、別の人にとっては卒業式に告白した思い出の木を想起させるかもしれません。
他には、ポートレート写真で、
かっこいい/かわいい以外にも、その表情や仕草、シチュエーションを表す細かいディテールが、
観た人の心に強く訴えかけることがあります。
このように、「プンクトゥム」は作者の意図ではなく、鑑賞者の個人の経験や感情に働きかけるものです。
プンクトゥムを写真に含めるには
観た人が勝手に感じるなら、
プンクトゥムを含んだ写真を撮ることに、撮影者は干渉できないかというと、
そうではありません。
プンクトゥムを意識的に捉えることは難しいかもしれませんが、
自然な瞬間を捉え、感情を引き出すテクニックなどはあり、それを磨くことは可能なはずです。
例えば、被写体の自然な表情や、朝ごはんの支度など日常の些細な瞬間は誰の心・記憶にも触れる可能性があります。
また最近個人的に実践していることでいうと、
写真を使った感情日記をつけています。
写真に個人的な感情を含める練習です。
小手先のテクニックではなく、こういった積み重ねにより、鑑賞者の個人的な記憶や感情に触れる可能性を高めることができるのではないでしょうか?
まとめ
SNSには無数の画像がありますが、見る人の心に深く響く写真もあります。
それは技術よりも、その写真が持つ独特の「プンクトゥム」によるものだと思いました。