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フィルムライクがあればフィルムはいらないのか?
デジタル写真のレタッチをフィルムに寄せることは多くの方がやっていると思います。
かくいう僕もそうです。
それでもフィルムライクと実際のフィルム撮影は違います。
撮影体験も違いますが、結果も違います。
フィルム写真と見分けがつかないデジタル写真はできます。
ではフィルムの雰囲気を完全に再現できることと、実際のフィルムで撮影した写真の違いは何でしょうか?
それは「フィルムカメラで撮ったから生まれた写真はデジタルカメラで撮っていたら生まれなかった」という証明が難しいカオス理論的な話です。
(また逆も然りです)
例えば以下の写真を見てください
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127109079/picture_pc_b500dec5932bcd1a1ec332e26cd57cd5.png?width=1200)
これはフィルムで撮った写真です。
この写真を見てデジタルカメラで同じ場所、同じ時間帯、同じ天候で撮影し、
レタッチでこの色味にして見分けがつかないくらい完璧に再現したとします。
そしてそれを「フィルムライク1」というプリセットにしたとします。
ここからが変わってくるのですが、このプリセットは全ての写真に適応できるのでしょうか?
おそらく天候や場所、光の入り方によって最適ではなくなるので、また色味や露出・コントラストなど調整するでしょう。
そして「フィルムライク2」というプリセットを保存したとします。
それを繰り返しプリセットは更新され、やがて汎用性の高く自分の好みに一番近い「フィルムライク10」というものができます。
そして次はフィルムカメラで以下の写真を撮りました
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127109555/picture_pc_18fd45b84c603739ca0b8bc9648b3e40.png?width=1200)
仮にデジタルカメラをこの時に持っていたとして、
同じタイミング、同じ画角で撮れば上記と同じ写真になるでしょうか?
もちろん違う写真になるはずです。
なぜなら「フィルムライク10」のプリセットはこの雰囲気で調整されてないからです。
これが「フィルムと見分けがつかないデジタル写真」と「フィルムカメラで撮った写真」の結果の違いです。
逆にデジタルカメラだからこその写真も出てくるので「フィルムこそが至高」という主張はしません。
ただデジタルでもフィルムっぽくできるからフィルムがいらない、とならないのはここにあります。
フィルムはそれぞれ個性があり、最適なシーンがわりとはっきりと分かれます。
逆に言うと得意なシーン以外は微妙な写真(変な色の写真)ができあがります。
デジタルではどんなシーンでも最適化できるので失敗は生まれにくいですが、
逆に言うと自分の想像を超えた写真も出てきにくいです。
なので、フィルムで撮る理由は、
「フィルムで撮ったらまた違う写真になったのかな?」と思いそうな大事な時は必ずフィルムで撮りたいという気持ちの部分です。
「デジタルで撮った方が失敗がない」とのトレードオフです。
晴れの日はGOLD200かEKTAR100、曇りはPOTRA、室内はPOTRAかMARIX 800Tあたりを使えば変な色になることが少ないです。
(最悪迷ったらPOTRA)
個人的には解像度が高いフィルムカメラ(中判とか良いレンズ)で撮ってスキャナーでRAWにすればデジタルみたいな写真が撮れるので、
「デジタルでいいじゃん」よりも「フィルムでいいじゃん」と思うタイプです
(コスト面を度外視した場合)