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散々語り尽くされたM型ライカを使う理由
ライカを使い出してまだ1年も経っていない。そんな僕がライカを語るなんてまだ早い。
早いけど語りたいので、僭越ながら語らせていただきます。
M型ライカを検討している人の参考になるように、
あるいはすでに使っている人には「それだよ自分が言いたかったの!」と言ってもらえるように頑張って書きたいと思います。
僕が使ってるのはライカM type240(以降M240)とM2いう機種です。
それに70年前の沈胴ズミクロンのレンズをつけています。
好きな点
常備できるコンパクトなシステム
デジタルとフィルムを同じ感覚で使える
撮影プレビューがなく、撮影イメージをあらかじめ持って撮る癖がつく
曖昧なフレーミング
周りの環境と実際の距離感が掴みやすく、切り取るイメージを持ちやすい
地味に電池の持ちが良い(これはM240特有)
マニュアルが使いやすく、スローに撮るペースが心地よい
偶然から新しい発見が生まれる
新しすぎずレトロすぎない程よい描写
威圧感や撮ってる感を与えにくい
声を大にして伝えたいのが、上記では性能や描写の良さは全く含まれていません。
スペックは低いというか機能とか無いに等しいですし、描写も好みの範疇です。
同じものを撮り比べして他のメーカーより良い写真が撮れるとは思いません。
M10の写真かと思ったらZ6iiだった、ということがあるくらい些細な違いです。
(ではカメラやレンズの何に価値を感じてお金を払っているのか、という内容はまた別途書きたいと思います)
明らかに違うし、好きだと感じているのは撮影体験と、それにともなう撮ろうと思うものの変化・被写体への向き合い方です。
上記の好きな点を個別に見るとコンパクトならGRでいいじゃんとかフィルムとデジタルで同じ撮り方したいならNikonでいいじゃんとなりますが、全部含んでいるのは他のメーカーでは代替できません。
メーカーとしての思想が違うからです。
(QシリーズやSLシリーズはよりミラーレス一眼に近い撮影体験だと思いますが、実際に使ったことはないので僕からはうまく伝えられません)
つまり撮影後の結果ではなく、撮影までのプロセスに作用して、撮ろうとするものや撮り方・思考回路が変わるカメラだと思います。
詳細
1.常備できるコンパクトなシステム
僕はフィルムとデジタル1台づつ常に持っています。M240とM2は僕が元々使ってるショルダーバッグに入ります。何なら水筒も入れてます。
バッグを持たない時はジャケットのポケットに入れることもあります。
持ってないと写真は撮れないのでとても大事です。
2.デジタルとフィルムを同じ感覚で使える
普段はデジタルで撮りますが、作品として撮るのはフィルムが良いと思ってます。できれば全部フィルムが理想ですが、月1000枚くらいは撮るので破産してしまいます。
デジタルのM240を使う感覚のままM2を使えるので、フィルムでもほぼイメージ通りの写真が撮れるというのは僕にとってはかなり重要です。
3.撮影プレビューがなく、撮影イメージをあらかじめ持って撮る癖がつく
一眼レフ同様、ライブビューを使わなければプレビューがないので、光と露出の具合を読んで撮ることになります。
ミラーレスのファインダーで良い感じの画にみえるポイントを探していた頃と違い、明らかに光と影を意識して「1枚の写真を完成させるために最後シャッターを押す」という撮り方になりました。
4.曖昧なフレーミング
レンジファインダーはミラーレスや視野率100%の一眼とは違い、厳密にフレームを決めることはできません。
どこまで入っているかはアバウトに撮りますが、撮る瞬間に大事なのは被写体に向き合うこと、というライカの思想は僕にとても合っていました。
画面の端まで何が写っているか気を配る、というのも大事なので、これは撮影スタイルによりますね。
5.周りの環境と実際の距離感が掴みやすく、切り取るイメージを持ちやすい
これも上記と似ていて、目に見えている中から自分が何を選択して切り取るのか、というのを意識するようになりました。
また実際の距離も意識に入るようになり、ズームレンズで居るところから焦点距離で調整するのと、実際に動くのは見え方が違うことにも気づきました。
6.地味に電池の持ちが良い(これはM240特有)
1,2週間くらい家を離れることも多いのですが、充電器を持っていかず、バッテリーもだいたい持つので気にしなくなりました。
最悪なくなったらフィルムで撮ります。
7.マニュアルが使いやすく、スローに撮るペースが心地よい
ライカは絞りとシャッタースピード(M10以降はISOも)が物理ダイアルかつ段階が細かすぎない(←めっちゃ大事)ので、マニュアルがとても使いやすく、マニュアルでの使用を促してきます。
なので自然とマニュアルで撮るようになりました。
そして僕にはマニュアルで露出を決め、フォーカスもマニュアルで合わせるのが合っているみたいです。
完成をイメージしながら設定を合わせるという工程そのものが、写真に大きな影響を及ぼす気がします。
ちなみに記念写真はプログラムオートのフィルムカメラ(Konica 現場監督)やiPhoneで撮ります。
8.偶然から新しい発見が生まれる
マニュアルなので意図せずピントをはずしたり、露出オーバー、変な構図になることもたまにあります。
でもそれによりピントを外す表現、あえて露出オーバーから現像で戻すテクニック、新しい構図の発見がありました。
これも失敗しないミラーレスだと気づけなかったことです。
9.新しすぎずレトロすぎない程よい描写
これはM型とは関係ないですが、沈胴ズミクロンのオールドだけどキレのある描写による、現代的すぎないM240とフィルムながら解像感のあるM2の組み合わせがとても好みです。
現行ズミルックスはキレキレすぎるし、オールドすぎるレンズは甘すぎて合いませんでした。
その中間が好きだと気づいて、機材選びに迷わなくなりました。
10.威圧感や撮ってる感を与えにくい
見た目が大きいカメラほど「撮ってるぞ!」感が出て相手が良くも悪くも構えます。
ライカでも撮ってるということは相手にも伝わりますが、緊張感は少なく自然な表情を撮りやすいです。
ストリートスナップでもみんなスルーしてくれることが多いです。
思ったより量が多くなりましたが、参考にしていただいたり、共感していただけると幸いです!