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パリフォトで山上新平さんと話して写真観こそが作品を特別なものにすることに気づいた
先日パリフォトに行ってきました。
パリフォト全体の感想を書いても仕方がないので、一つ一つ感じたことを書いていこうと思います。
今回は山上新平さんとお話しして響いた話を書こうと思います。
山上新平さんはストイックで純粋な、強度の高い写真を撮ります。
最新作は上記のKanonですが、Ephiphanyの方が色々な種類の写真があるので、どういう作家かわかりやすいと思います。
僕が山上新平さんの写真に惹かれたのは、コンセプチュアル全盛期の今、作品の強度のみでここまで魅力的な写真を撮られている点です。
そこでコンセプチュアルな作品も作ろうとしたことがあるか、どうやって今の写真に行き着いたか、といった内容を質問してみました。
まず、結論としてはコンセプトを考えてから写真を撮ることはない、とのことです。
その理由は「自分が思う写真の良さはコンセプチュアルな作品ではない、思考の外にあるから」というものでした。
「自分が思う写真の良さ」「思考の外から訴えかけてくるもの」について、僕は考えていたようで全然考えられていなかったと感じてます。彼の作品はそれだけの説得力があります。
僕はコマーシャルギャラリーで販売されるような作品が好きなので、自分の写真もその方向を目指すために必然的にアート市場にも向き合っていました。
迎合しているわけでははありませんでしたが、どこか「ギャラリーを通してコレクターに買ってもらうのはこういう作品なんだな」と考えて作品制作に活かそうとしていました。
しかし山上新平さんからはそういった目論見や欲が感じられません。
ひたすら自分の思う写真の理想を追求し、現代の写真の潮流には目もくれず「写真の声」を聞いて磨き上げています。
(「写真の声」は山上さんの言葉です)
自分と写真は別、ということも繰り返しお話しされていて、
写真を自我とは切り離しているからこそ、自分のための写真ではなく、
写真の声を聞き、写真に導かれて山、海、蝶と被写体が写っていったとも話していました。
僕と山上さんは同じ人間ではないので、そのまま同じことをしても意味はないです。僕はコンセプチュアルなものもやっぱり好きですし。
なので自分の中で消化し、新しい考えに至ることが大事だと考えています。
そして飛行機の中、帰国してからもずっと考え続け、
最終的に
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