みなさん、こんにちは、こんばんは。
ゴールデンウィークも明けて、あっという間に2週間が経っちゃいました。
なんだか時間の経過がとても早く感じます。気づけば1日が終わっているし、去年までは仕事終わったらできるだけ映画を1本観るって生活してたんですけど、今年はそれができない体になってしまいました。
ドラマに比重を置いているのもありますが、映画2時間を自宅で観る元気があんまりありません。笑
さて、今回は新作映画については、この2週間でいえば『恋するプリテンダー』『不死身ラヴァーズ』『ミッシング』『家出レスラー』『ボブ・マーリー:ONE LOVE』『碁盤斬り』を観てきました。
『ミッシング』『家出レスラー』はこの後のピックアップ映画で詳しくご紹介いたします。
この中では個人的には『恋するプリテンダー』が好きでしたね。
なんというか往年のちょっと下品なラブコメが回帰してきたなという感覚で、近年はこの手のハリウッドの王道ラブコメが減ってきたようにも感じていて、久しぶりにリース・ウィザースプーンとかキャメロン・ディアスとかがヒロイン張っていたラブコメ時代を思い起こさせました。
この手の映画をもうちょっと定期的に摂取したいですね〜。
2024年5月19日(日)22時〜𝕏のスペースで配信した「#EDDIEのかく語りき」第27回目のトークテーマについてまとめていきます。
細かい話は配信の方で語っていますので、アーカイブを聴いていただけると幸いです。
①EDDIEのピックアップ映画/映画『家出レスラー』『ミッシング』
◆『家出レスラー』
これは熱い!
ある出来事をきっかけに高校生で引きこもりになった少女が、女子プロレス”スターダム”のアイコンになっていく夢のような本当の話。
最初に申し上げると、映画好きの厳しい目を持つ皆さんからすれば、映画自体は演出や役者の台詞回し、撮影、照明、編集など、いずれも粗いところが満載です。
だけど、熱い物語には熱中してしまうもの。
主人公の岩谷麻優は実在のレスラー。あらすじにもあるとおり、兄と一緒に観たプロレスをきっかけに、「女子もプロレスラーになれるんだ!」と、ジャージにサンダル姿、コンビニ袋とたった6,000円を握りしめて故郷・山口から東京に向かいます。
しかし、女子プロレスの世界はそんなに甘くありません。
スターダム1期生の門戸を叩きましたが、同期には極真空手を15年していたり、スポーツ経験のあるメンバーが中心。マユはスポーツも大の苦手で本当に華々しい世界への憧れと豊富な妄想力だけを武器にこの厳しい世界に足を踏み入れてしまったのです。
そんな彼女は体力もなく、プロレスも決して上手くなく、練習嫌いで、当初はポンコツ呼ばわりされていました。
そんな彼女が果たしてどのように大人気女子プロレス団体スターダムで”アイコン”と呼ばれるまでになったのでしょうか。
あとは、個人的に評価のポイントというよりもエモポイントとしては、現役レスラーが実際に演者として出演しているところですね。
僕は日本のプロレス、もといスターダムもそこまで詳しいわけではなく、映画を観る前に岩谷麻優のいくつかの試合をYouTubeで観戦した程度の知識です。
しかし、スターダムには世界最高峰のプロレス団体WWEの第一線で活躍するレスラーが所属していたのです。
それが劇中に登場した海城タカラと紫炎リオの2人です。
海城タカラは、現在WWEで海賊王女ことKAIRIのリングネームで活躍しており、WWE女子タッグ王座にも2度輝いています。本来、スターダム所属時代は宝城 カイリのリングネームだったので、海城タカラはあくまで映画の中だけの登場人物の名前ですね。
そして、紫炎リオは現在WWEでイヨ・スカイのリングネームで活躍しています。スターダム時代のリングネームは紫雷イオ。劇中の名前とは炎か雷で変更しているようですね。
イヨはスターダム時代には岩谷麻優とタッグを組んでおり、「サンダー・ロック」というタッグネームで共闘していました。劇中ではファイヤーロックという名前で登場しています。
彼女は世界最高峰のWWEで、WWE女子王座にも輝いており、疑うことなき世界最高の女子レスラーの1人といえます。
実際に映画に出演していたのは、KAIRIの方。スターダム3期生として同郷の岩谷麻優とも仲良くしており、元グラビアアイドルの愛川ゆず季との対戦がデビュー戦でした。彼女は一時WWEとの契約が終了し、スターダムに復帰していた時期があったのですが、その際におそらく出演者として協力していたのでしょう。
そのため、いちWWEファンとしては嬉しい誤算で、まさかのKAIRIがかなりの出番が与えられており、セリフもたくさんありました。主人公マユを常に気遣う後輩としてとても存在感が強く、演技面は大人数相手にいつも試合している彼女なので臆することなく演技に臨んでいたように見えました。ちょっと不思議なリアクションをしていたのが印象的だったので、彼女の演技だけでももう一度見たいぐらいです。
下記はWWE時代を経て、5年ぶりにスターダムに復帰した際のKAIRIの入場シーンです。ぜひご覧ください(岩谷麻優とのタッグ)。
本編とは関係のない話で熱くなってしまいましたが、マユがポンコツから苦難を乗り越えスターダムのアイコンになっていくまでの過程、一気に上り詰めていく模様と仲間と協力して這い上がっていくところには涙が禁じ得ませんでした。
そう、この映画粗はあるけど、めっちゃ泣けるんです。
ほかにも、くりぃむしちゅーの有田哲平や古坂大魔王、レイザーラモンHG& RG、浅越ゴエなどのプロレス好きのお笑い芸人たちもたくさん出演しているので、キャストで楽しめそうという人には是非とも観ていただきたいです。
◆『ミッシング』
𠮷田恵輔は決して裏切らない!
彼は近年『BLUE/ブルー』や『空白』、『神は見返りを求める』など、上質な映画作品を次々に世に送り出しています。
僕のFilmarksでの星評価は自分の満足度でつけていて、★4.0以上は人に勧めたいぐらい面白い作品につけていますが、𠮷田恵輔作品はどの映画も4.0以上をつけていた気がします。
そんな彼が新たに発表したのは、ドラマ清純派女優として大人気の石原さとみを主演に迎えての最新作。
しかも、あらすじにある通り、自分の子供が行方不明になり精神的に追い詰められた母親というある意味ダークサイドな役柄を演じています。これまでの石原さとみのキラキラ恋愛ドラマなイメージとは真逆な登場人物をどう演じるのか。𠮷田恵輔は彼女をどう生かすのか。とても期待が高まる作品でした。
そして、そんな期待とちょっとした不安は見事に期待以上に応えてくれました。
石原さとみは今回の役を演じるにあたり、ボディソープで髪を洗い、あの特徴的なぷるぷる唇をカサカサにするために肌に合わないリップを塗ったりと、とにかく今回の映画出演で殻を破ろうとする意気込みを強く感じました。
以前、放送された「ボクらの時代」での𠮷田恵輔、石原さとみ、中村倫也の対談で、「港区女子のイメージから足立区女子への脱却(変貌)」について語られていました。見事な変身っぷりだったと思います。
夫役の青木崇高も素晴らしかったですね。むしろ今作のMVPは彼の演技ではないでしょうか。
ヒステリックにどんどん追い込まれていく妻の沙織里とは対照的に、常に冷静ではあるものの、ふとした時に娘が行方不明になってしまった親の悲しみを抑えきれない場面での彼の表情や涙にはこっちまでやられてしまいました。
とにかく今回のこの『ミッシング』では、「他者への無関心」やいわゆる「他人事」を上手く表現していたと思います。このオリジナル脚本中心で唸るような作品ばかり撮る𠮷田恵輔監督には感嘆するばかりですが、この自然に自分たちが生きている社会での出来事として想像できる物語を紡ぐ脚本・構成力には信頼しかありません。
警察の人が沙織里に向かってはなつ「気持ちはわかるけどね」という無意識に放ってしまう攻撃的な言葉。そう言っている本人はなだめるつもりで言っているのに、言われた沙織里としては「同じ立場にもなっていないのにどう気持ちがわかるっていうんだよ」という気持ちになると思います。正直言われて気持ちの良い言葉ではありません。
でも、僕らは生きていたらその場しのぎの言葉として、時には傷つけるつもりではなくても、相手が傷ついてしまう言葉を放ってしまうことが多々あるでしょう。病気で苦しんでいる人に対しての「頑張ってね」などもその最たるものですね。
ただ、これは沙織里自身にも起こることで、彼女は自分ばかりが悲劇的な境遇のように辛い立場を強調していくのですが、弟には相手の気持ちはそっちのけで厳しい言葉を放ってしまうんですね。夫の豊も同様でした。
中村倫也演じるテレビ局スタッフの砂田も、親身になって沙織里たちの力になりたいという思いで娘の美羽ちゃん探しに躍起になり、上層部ともぶつかりながらも、実は自分も真実を追求していくにつれて徐々におかしな方向にいってしまうのです。
一緒に動いているカメラマンの相棒に言われるひと言がとても印象的でした。
「美羽ちゃんが無事に見つかりますように」
そう思うのが自然な想いだとは思うのですが、カメラマンの相棒に聞かれた質問に対する言葉が実にズレた回答だったんですね。
このように無意識で「人のため」と動いていたつもりが、「自分のため」に置き換わっている瞬間など、実にその人と人の難しさを追求していく物語に唸るばかりでした。
一方、𠮷田恵輔の凄さはそれだけではありません。
娘が失踪してなかなか見つからないという重苦しいテーマをはらんだ作品ながら、ところどころ笑って良いのかいけないのかという絶妙なユーモアを挟んでくるのです。これも他人に対する無関心や温度差の表現の一つだと思いますが、懸命に苦しむ沙織里のフォローをする砂田を尻目に、あるモノを一生懸命撮影するカメラマン、真剣に臨んでいるロングインタビューの場面で放たれる虎舞竜(観た人ならわかると思います)、商店街で口論する男女などです。
とにかくずっと沈むぐらい重い作品ですが、ちょっとしたユーモアにくわえ、未来を感じさせる救いも見せてくれる傑作映画だと感じました。
観た直後よりも時間が経過していくにつれて、どんどんこの映画のことを考えるようになり、結果的に年間ベスト10にも絡めたいぐらいの思い入れができました。
②AppleTV+最前線
今回のAppleTV+最前線では、前回同様に配信中もしくは最近配信開始したAppleオリジナル作品をご紹介します。
■ドラマ『シュガー』
Appleオリジナルドラマとして全8話構成、1話あたり35分前後の短めのドラマ。
近年の作品でいえば、Netflixオリジナルの『ザ・キラー』のような主人公の独り言が多いノワールドラマです。
メインストーリーはあらすじにあるようなハリウッドの超大物プロデューサーの行方不明になった孫娘の捜索なのですが、もう一つは主人公であるジョン・シュガーが一体何者なのかというもの。
彼は探偵という職業のほか、酒に酔わない体質、かなりの映画好きという設定。これも途中までは記号的に彼の性格や性質としか捉えていなかったんですけど、第6話に大きな転換点がやってきます。
マジかよ、そんな話!?と驚きが隠せません。
そして最終話まで観ていくと、彼の正体とこれまでの彼の動きには合点がいくという探偵ノワールものでありながら、視聴者として主人公の正体が徐々に解き明かされていくシークエンスが面白いです。
細かいことを言ってしまうとネタバレを踏んでしまいそうなので、とにかくAppleTV+加入者は観て!としか言えません。
【近日配信の新作】
■ドラマ『推定無罪』/2024年6月12日配信開始
③6月期待の新作映画
隔週第3日曜日の恒例である、「来月の注目新作映画」についてまとめていきます。
本コーナーはリスナー参加型で実施しており、まずは私が観ようと思っている次月の注目新作映画を紹介していきます。
その間にリスナーの方々にコメントをいただきながら、次月にどんな映画を観るかの参考になるような時間にできればと考えているコーナーです。
私の趣味嗜好だけでなく、リスナーさんからの注目映画を教えてもらうことで、「そんな映画があったんだ!」「それ面白そう!」とかの発見になれば嬉しいと考えて設けています。
【EDDIEの6月公開の注目新作映画】
●『違国日記』/2024年6月7日公開
●『あんのこと』/2024年6月7日公開
●『かくしごと』/2024年6月7日公開
●『チャレンジャーズ』/2024年6月7日公開
●『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』/2024年6月7日公開
●『蛇の道』/2024年6月14日公開
●『ブルー きみは大丈夫』/2024年6月14日公開
●『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』/2024年6月21日公開
●『バッドボーイズ RIDE OR DIE』/2024年6月21日公開
●『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』/2024年6月21日公開
●『ザ・ウォッチャーズ』/2024年6月21日公開
●『フィリップ』/2024年6月21日公開
●『ルックバック』/2024年6月28日公開
●『クワイエット・プレイス DAY 1』/2024年6月28日公開
【リスナーさんの6月公開の注目新作映画】
●『朽ちないサクラ』/2024年6月21日公開
④「#あなたの好きな上京映画」特集
今回の特集企画は「#あなたの好きな上京映画」です。
ピックアップ映画でも取り上げた山口→東京への状況を経て主人公がスターになった『家出レスラー』公開を記念して、今回のタグ企画を実施するに至りました。
◆横道世之介
◆下妻物語
◆魔女の宅急便(1989)
◆砂の器
◆世界
◆ブルーノ
◆東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
◆サチコの幸
◆ベイブ 都会へ行く
◆マイ・エレメント
◆リディキュール
◆13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ
◆ドリーム・チーム
◆彼岸花
◆BU・SU
◆四月物語
◆わたしは光をにぎっている
◆その人は昔
◆ショーガール
◆舞妓はレディ
◆スプラッシュ
◆息子
◆私たちのハァハァ
◆東京物語
◆フリーズ・ミー
◆喜劇 東京の田舎っぺ
◆パリ、18区、夜。
◆魔界転生(1981)
◆マンハッタン無宿
◆サンライズ
◆摩天楼はバラ色に
◆東洋の怪物 大怪獣バラン
◆LION ライオン 25年目のただいま
◆銀座の次郎長
◆天安門、恋人たち
◆ジェイムズ聖地(エルサレム)へ行く
◆乾杯!ごきげん野郎
◆アバウト・タイム 愛おしい時間について
◆TOKYO POP
◆愚行録
◆皇帝のいない八月
◆真夜中のカーボーイ
◆いちごの唄
◆魔法にかけられて
◆秋立ちぬ
◆オペラハット
◆モスラ(1961)
◆ニュー・シネマ・パラダイス
◆ロリーポップ
◆ここは退屈迎えに来て
◆天然コケッコー
◆河内カルメン
◆ブルックリン
◆狂った果実(1981)
◆ムーラン・ルージュ
◆ヘアー
◆ALWAYS 三丁目の夕日
◆ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
◆ズートピア
◆ハチミツとクローバー
◆星の王子ニューヨークへ行く
◆女中ッ子
◆ストレンジャー・ザン・パラダイス
◆小さな中国のお針子
◆BLUE GIANT
◆レディ・バード
◆雄獅少年 ライオン少年
◆ひるなかの流星
◆海がきこえる
◆パリ、テキサス
◆超高速!参勤交代
◆銀河鉄道999
◆ドラキュラ都へ行く
◆ゴッドファーザーPARTII
◆ゴジラ(1954)
◆恋人たちの予感
◆天気の子
◆風と樹と空と
◆プラダを着た悪魔
◆東京原発
◆月給一三、〇〇〇円
◆スケアクロウ
◆吹けば飛ぶよな男だが
◆アメリカ アメリカ
◆カクテル
◆すかんぴんウォーク
◆祭りの準備
◆東京ランドマーク
◆スミス都へ行く
◆新宿マッド
◆みをつくし料理帖
◆異人たち
◆あの夏のルカ
◆英二
◆新宿狼
◆ハートビート
◆君は永遠にそいつらより若い
◆あのこは貴族
◆キングコング(1976)
◆静かなふたり
◆ラストナイト・イン・ソーホー
◆佐々木、イン、マイマイン
◆マルホランド・ドライブ
◆パディントン
◆まとめ
配信コラムは以上です。
今回は家出や行方不明といった誰かがいなくなっちゃうような映画をピックアップさせていただきましたが、一方で上京映画という主人公の成長を表現しやすいようなテーマ性のある作品が盛りだくさんでした。
次回は6月2日(日)22時〜の配信を予定しております。
今回もありがとうございました。
▼配信アーカイブはこちらから。