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奈良の心地良い暗さ

皆さんはこの画像を見てどう思いますか?

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この写真の撮影場所は近鉄奈良駅から徒歩10分ほどの路地です。もちろん感じ方は千差万別ですが、僕は大阪から奈良に引っ越してきた時に暗いと感じました。もちろんもっと暗い地域があることは承知しています。そしてそこと比較するわけではありません。ちなみにこの写真は特に編集段階で暗さを強調したわけではないです。なるべくナチュラルに仕上げています。

ここで感じた、暗いという感想は決してネガティブな意味ではありません。むしろ心地よく感じました。

梅田で働いていた頃は一日中照明の中に居て、そしてその明るさが当たり前でした。自宅も大阪だったので明るさの中で常に生活していました。足りなかったのは暗さでした。暗いと夜道は危険だとか色々な感想がありますが、ここではそういったことは省きます。

まず夜道が暗いと、星が良く見えます。別の投稿で掲載した、空の広さも相まってとにかく駅周辺にも関わらず良く見えるんです。梅田で仕事を終えて疲れて帰ってきた自分にはただその程度の事でも格別な体験でした。柳生まで行くと天の川の撮影も出来ます。

話は飛びますが、僕はオーセンティックなバーが好きで良く行きます。その要因の一つがあの計算された照明です。デザインコンシャスの高いバーだと、明るさと暗さがしっかりと計算されていてそれぞれ意味を持たせています。明るさと暗さの同居している空間が心地よいのです。

初めに掲載した写真はまさに明るさと暗さが同居しています。もちろん計算された訳ではないんですが。ただ奈良に住んでいると、この同居された空間に良く出会います。

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これは夕暮れ時の大仏池付近。もちろん自然の光で構成されているのでこちらも計算されている訳ではないでしょう。

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こちらは夕暮れ時の東大寺境内です。

いかがでしょうか。まるでオーセンティックなバーの店内の如く、明るさと暗さが見事に同居しています。

奈良は夜が早いと言われ、奈良観光で来られる方は大半が17時過ぎには帰路につくのですが、季節によりますが、この17時過ぎの日没間近にこそ奈良の魅力があると思います。先日行われた若草山山焼きでも感じましたが、花火が始まる直前に来て、花火が終わると帰る方が非常に多いなと感じました。実は魅力はその前後にたくさんあるのです。フレンチのフルコースでメインだけを食してもその店の魅力が把握できないのと同様に、奈良に来られる方もぜひメインの目的の前後も楽しんでもらえたらもっと奈良の良さが分かると思います。ゆったりとした奈良時間に身を任せて楽しんでほしいですね。

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