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記事は「型」にハメたら書けるって話

「文章が書けない」「書くのに時間がかかる」という悩み。意外と多くの広報担当者が抱えているようです。私もかなり時間が掛かってしまうタイプでした。なんとかしようと「文章の書き方」「早く書くコツ」って検索したものです。よく目に留まったのは、文章には型がある――。

はて? どこかで聞いたことがあるよな・・・・・・。

ピンと来ない人は、どうぞこちらの記事もご覧ください(笑)

でも、よく紹介される「型」って、割と知っているものばかり。「なのになぜ書けないんだ」と、ますます悩んでしまいませんか? そこで今回は、広報うちこの各コーナーを例に「こんな記事には、この型を」というのを紹介します。

毎月の決まったコーナーに「型」を付ける、文章のお片付けです。

「うちこ往来」× 逆三角形

「うちこ往来」は、身近な町の情報を伝えるコーナーです。住民の皆さんなどから提供された情報を取材するので、新聞の地方面の記事みたいになっています。

このサイズの記事が1ページに4つ

新聞記事の型と言えば、「逆三角形」ですよね。
新聞では、重要なことから先に、5W1Hをしっかりと使って書きます。その後は「補足事項」→「さらに補足」というような感じの構成です。

広報うちこの場合、
①何が
②誰によって(主催者などを括弧書き)
③いつ
④どこで―― と、①から④を順番に書きます。

参考に挙げた記事だと
①「和紙創作展」/(②界隈づくり委員会)が/③12月7・8の両日、/④天神産紙工場で開かれました。/ と、主な内容を流し込みます。

その後に、⑤なぜ行ったか(目的など)、⑥どのような内容だったかーー などを加えます。そして、補足的に主催者や来場者の感想などで締めくくるのが、基本的な「型」になっています。

この記事は200字程度と短いのですが、⑤や⑥を膨らませることで、次のように長めの記事にすることもできます。

詳しく伝えたいときは2枠分で!


「ぼくの夢わたしの夢」× PREP法

このコーナーでは各小学校の6年生が、自分の将来の夢を語ります。なので「夢は何か(結論)」を先に書く方が、圧倒的に書きやすく、読みやすくなります。こんな記事にぴったりくるのが「PREP法」です。

PREP法は「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の順で文章を書き進めます。流れがいいので、分かりやすく説得力のある記事になります。ビジネスの場面でよく使われる「型」ですが、このコーナーで使うと「背伸びした大人っぽさ」が出て、それが可愛らしさにもつながっている気がしています。

こんな感じの記事です

上の記事の2段落目を例にすると
P―獣医になること
R―動物が好きで、獣医の本に影響を受けた
E―亀の甲羅を外して手術することなど
P―いろいろな動物を助ける獣医になりたい、となっています。

これで文章の大体の流れができると思います。後はどう膨らませるかですが、かなり早く書けるはずです。このコーナーの場合、「具体例」を「頑張っていること」に変えても形になります。
ただ、実際に取材すると「理由」や「具体例」が弱い子もいるので、そこを上手に聞き出すテクニックも要りますが、それはまた別のお話で。


「内子町の人⭐︎キラリ」× 起承転結

人☆キラリは町民を紹介するコーナーで、自薦・他薦を問わず頑張っている人を紹介するコーナーです。読者からは、どんな人が出ているかな、知っている人かな、と楽しみにしてもらっている記事です。多分!

さて、誰もが知っている究極奥義のような「起承転結」ですが、実は自治体広報紙の記事ではあまり使えない「型」です(笑)。理由は、結論が後回しになるから。情報発信の基本は結論が先、ですからね。
ただし、「人☆キラリ」のような記事は、読者が登場人物に興味を持って読み始めるので、少しずつ興味関心を喚起する構成でも大丈夫です。小説のようにじっくりと読んでもらえる究極奥義を、このような記事で練習しておきましょう。

起承転結の説明は不要だと思うので、「人☆キラリ」の場合を説明します。

起―なぜ、この人にスポットを当てるのかを簡潔に説明
承―「起」で提示したことをより詳しく説明
転―登場者の苦労や思い、主張などを記載
結―登場者の言葉などで、記事を簡潔にまとめる

最後に起承転結で書かれた素敵な記事をご紹介。

ええ話や


「型破り」が大切(まとめ)

今回は広報うちこのコーナーを使って説明しましたが、皆さんが担当する広報紙にも、似ているコーナーがあると思います。何かヒントになれば、幸いです。

ただ、レイアウトの型と同じで、毎月同じように書くと読書が飽きてしまうのも事実。内容を充実したり、少し変化させたりすることが大切になります。

時間はかかるかもですが、型を意識して書き続けると、きっと読者に合わせた文章が書けるようになります。自分本位の「かたなし」の担当者になるか、いろんな型を記事や読者に合わせて自然に使える「型破り」の担当者になるかーー あなたはどちらを目指しますか?

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