レイアウトには型がある
皆さん、こんにちは!
4月の人事異動などで広報担当になった人など、これから初めて自治体広報紙の特集に挑戦する人もいるのではないでしょうか?
私が広報担当になった当初は、レイアウトって何?って感じのど素人で、
前任者の特集をマネしながら作っていたのを思い出します。
そんな私が最初に手にしたのが、『レイアウトの教科書。』という本です。
この本の中に「レイアウトには型がある」という言葉があって、
昔、空手をしていた私にとって、この「型」という言葉がすごく腑に落ちました。格好つけましたが、黒帯ではありません(笑)
基本的な型や、その意味を知ることで、デザインに対する苦手意識や迷いが減ると思います。応用することで新しいレイアウトを作ることもできると思いますので、私がよく使わせていただいた「型」をいくつか紹介します。
ちゃんと学びたい人は『レイアウトの教科書。』を買いましょうね。
と、著者の方に怒られたらいけんので、宣伝しておきます。
基本的となる「L字型」
特集の文字情報には、タイトル、リード、本文(テキスト)、補足的な内容(キャプションなど)があります。それに加えて写真や図などのビジュアル的な要素があり、それらを紙面に効果的に配置するのがレイアウトです。
読者が読む順番は基本的に、タイトル→リード→本文→補足的な内容、となります。縦書きの紙面の場合、読者の目線は右上から左下へ移動するので、その目の動きに合わせて、文字情報を順番通りに配置すると読みやすさにつながります。
図にするとこんな感じです。
補足的な内容がL字になる、もっとも基本的な型です。
広報うちこの紙面では、こんな感じです。
補足的な内容には、特集に関係する「お知らせ」や「コラム」、「インタビュー」などがあります。「L字」にしなくても、紙面の左側に「I」、下側に「—」の形で配置するでもOKです。
使いやすいよ「谷川型」
次に「谷川型」。
広報うちこでもよく使うレイアウトの型です。
写真が岩で、文章が水。と思うと谷川のような景色に見えてきませんか?
この型は本文が流れるように配置され、素直に目線が動く、とても読みやすいレイアウトだと思います。
ちなみに写真の配置は、左側を直観的、右側を説明的にするとより読みやすくなると言われているので、左側に特集のメインビジュアルとなる大きな写真にするのが良いです。広報うちこではこんな感じで使っています。
読みやすさ重視の「雪見障子型」
雪見障子とは、上側が障子、下側がガラスになっている木製建具です。ガラス部分から外の雪景色を楽しめることから、その名がついたそうです。
紙面の場合は、上側にガラスがあるイメージですかね。
雪見障子型も広報うちこの特集でよく使っています。
インパクトがあり華やかな感じになるので重宝しました。
注目はテキストの部分で、縦組の場合、視線が左方向に強く誘導されると思います。迷うことなく、すっと読んでもらえるので最初のページに使うと、特集の内容が頭に入りやすいし、最後のページに使うと、読後感の良さにもつながります。
複数人インタビューは「屏風型」
右開きの広報紙でも、この型のようにすれば横組みを使えます。
多くの人のインタビュー記事を掲載するときには、とても便利です。
ただし、横組みだからといって紙面全体を左から読ませるのは、読者にストレスを感じさせます。各インタビューを一段で完結させ、紙面としては右から読んでもらえるように工夫することが必要です。
参考までに、インタビュー記事の数が奇数の場合はタイトルとリードを縦書きに、偶数の場合は横書きにすると決めておくと、悩みが減ります。
話はそれますが、前回の投稿で紹介した特集「おだこうアオハル地域未来」が2024年の全国広報コンクールで入選2席を受賞しました。K保永さん、心のこもった紙面が、審査員の胸にも届いてよかったね。本当におめでとうございます!
明快で力強い「引戸型」
見開きを左右に大きく2分割または3分割する「型」です。左側のページを全面写真にすると力強い構成になります。最初の方で、左側に直観的な写真を置くと良いとお伝えしましたが、その効果を最大限に生かせる型です。
単純で簡単そうに見えますが、実は奥が深い型でもあります。明快にページが分割されるので、別々の記事に見えないようにする工夫が必要です。
例えば次の紙面では、大きな赤の四角と数字を付けることで、一目で関連のある記事ということが分かるようにしています。
「型」を身に付け、独自の「技」へ
今回使ったレイアウトの図は、分かりやすくするため、文字情報の「補足的な内容」を省きました。しかし実際の自治体広報紙では、補足的な内容が多めになるはず。基本の型を念頭にいろいろアレンジしてみてほしいです。
それから、考えるときのコツですが、骨子などから大まかな要素を把握し、再利用紙などに「手で書くこと」。InDesignに直接でもよいですが、手を動かしながらたくさん書いてみるのが、一番アイデアが湧くと思いますので、ぜひ試してみてください!
最後に、レイアウトから考えるばかりだと、型にはまった内容のない、つまらない紙面しか作れなくなります。
大切なのは、やはり取材です。中身です。取材した内容が読者にしっかりと伝わるためにどうすればいいのか、身に付けた型が実戦で自然に使えるように、あなただけの「技」と「思い」を育みましょう。
以上、広報は黒帯、空手は黄色帯(白帯の1個上)の兵頭でした。
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