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内部告発をしてみよう!

我が社のある社員が起こした不祥事について告発しよう。


この事件は端的に言ってしまえば売り上げの回収漏れだ。

当該社が自治体と実行委員会を組む事業のチケット代回収を「面倒だから」と半年以上も放置。結果全額を受け取れず、会社に損害を与えたという。

だが、話はこれだけではない。

驚くべきことに、彼はその1年前にも全く同じことで戒告処分を受けていたのだ。全く同じことなので、ここではその経緯は省くことにする。全く同じなので、それを書くと「同じ所を2度読んだのではないか」と読者にあらぬ不安を与えかねないからだ。

はたして一度ならず二度も決算作業を遅滞させられた自治体は激怒。「今後、当該社との事業については出資比率を下げさせてもらう」という事態に至った。

正確無比な事務作業を得意とし、それ故にAIに真っ先に駆逐されるであろうお役所仕事なら当然の帰結である。

ここに至り、信用も毀損された当該社は事態を重く見て、彼を停職処分とした。

解せないのは、彼がなぜ「放置すればヤバいことになる」と、小学生でも分かりそうなリスクをわざわざ取ったのかということだ。まるで目をつむれば飛んでくるボールが消えるとでも言わんばかりの、極端に悪い意味での豪胆さだ。


彼が会社に来なくなったので確かめる術もないが、筆者としては、今後も注意深く見守り、彼の速やかなる更生を切に願うものである。

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