2023ローコードに関する予見 Part -1
下記DevOps Digestの抄訳です。
2023年にローコード/ノーコードがどのように進化し、DevOps、開発、ビジネスに影響を与えるか、業界のエキスパートが予測します。
ローコードがエンタープライズを席巻する
ローコードは企業全体で爆発的に普及し続け、やがてすべての職務記述書の基本的な部分となることでしょう。開発者の人材不足が解消される兆しはなく、企業はローコードパワーで自動化とイノベーションを拡大し、組織全体のミッションクリティカルな問題を解決する必要に迫られています。今後1年間、ローコードアプリケーションは、企業レベルでの買収が進むと予想されます。実際、Gartner社は、2025年までに企業が開発する新規アプリケーションの70%がローコードテクノロジーまたはノーコードテクノロジーを使用するようになると予測しています（2020年の25%未満から上昇中）。組織は、迅速なイノベーションを可能にするツールを求めており、ローコードはそれを実現するものです。このような状況の中で、ローコードの熟練度は、今日の履歴書におけるMicrosoft Officeと同等になり、差別化要因というよりはむしろ要件になると見ています。
マーカス・トレス
ServiceNow、GM兼App Engine Business担当VP
ローコードを採用するDevOps
2023年にデプロイのスピードを上げるために、より多くの組織がローコード/ノーコードのDevOpsソリューションに大きな投資をするようになります。ローコードDevOpsソリューションは、アジリティを高めながら、複雑さを取り除くのに役立ちます。このアプローチにより、組織は要求の厳しい、ペースの速いソフトウェア業界で競争優位に立つことができるようになります。
ブライアン・ガルーラ
Convox社 CEO
ローコードプラットフォームにおけるDevOpsの成熟度は遅れていますが、2023年は、ローコードとDevOpsの関連性が大多数の見解となり、DevOpsの導入が加速し続ける極めて重要な年になりそうです。この傾向は、特定のプラットフォーム向けに構築され、ローコードやハイブリッドチームにとってDevOpsを利用しやすくしたDevOpsソリューションが市場に出回っていることを受けています。ローコードDevOpsを採用する企業は、より伝統的な環境で何年もDevOpsを実践してきた開発者から教訓を学んでいる、という重要な利点があります。特に、DevOpsは技術と同じくらい文化に関するものであり、DevOpsの原則をビジネス価値に変換するには、どちらも細心の注意が必要であることを、彼らは当初から認識していることが多いのです。
ケビン・ボイル
Gearset社CEO
ローコードを支持する
エンタープライズ IT は、リスクを最小限に抑えるローコードアプローチを求めるようになるでしょう。リスクは高まりつつあり、企業は自分たちのソフトウェアが何をしているのか、人々がそれをどのように使っているのかを知る必要があります。ローコードは、ビジネスアプリケーションをより迅速かつ容易に開発・展開するための大きな可能性を秘めていますが、放っておくと、企業はそのパワーを活用することができなくなります。むしろ、ローコードは企業のITにさらなるリスクをもたらす可能性があります。2023年には、リスクの回避と最小化を支援するエンタープライズグレードのローコードツールとガバナンスに対する需要が高まると予想されます。IT部門はローコードの新しいチャンピオンとなり、ローコードツールの運用と管理を積極的に行い、不正なITを最小化することになるでしょう。2023年は、ビジネス・リーダーがIT部門を支援し、ローコード開発を主導するようになる年である。
フランシス・カーデン
Pega デジタルオートメーション＆ロボティクス担当副社長
AIによるローコードの民主化
AIとローコードテクノロジーの組み合わせにより、ローコードはついに民主化され、技術経験の有無にかかわらず、すべての従業員がその力を活用できるようになります。ソフトウェア開発はパラダイムシフトを経験し、ローコードツールは技術者でない従業員にもプログラミングの力を与えるようになるでしょう。IDCのレポートによると、2023年から2025年の間に約7億5千万個の新しいアプリケーションが作成されるとのことです。このペースでは、何かが起こるはずです。機械学習モデルが進化を続ける中、これらのイノベーションはローコードに引き継がれる態勢を整えています。このシフトは、ローコード開発の次の波を示し、ユーザーは何を作ろうとしているのかを簡単に説明できるようになります。あとはAIがやってくれるので、経験レベルに関係なく、すべての社員がより複雑なアプリケーションを作成できるようになり、AIが全社員にとって身近な存在になります。例えば、コードを打ち込む代わりに、私たちが欲しいものを口頭でツールに伝えれば、ツールはアプリを作成し、命令を実行できるほどインテリジェントになるでしょう--デジタルアシスタントに似ていますね。
マーカス・トーレス
ServiceNow、GM兼アプリエンジンビジネス担当VP
ローコードによる生産性の確保
2023年には、技術者の解雇が増加し、開発者の不足がさらに深刻化するため、ITの生産性を確保することがさらに重要になります。開発者チームがローコードツールを使えるようにすることは、その一助となります。最近の調査によると、ローコードツールを使用している開発者は、従来の開発者よりも高い満足度を報告しており（57%対36%）、半数以上（59%）がチームの生産性に満足しているようです。生産性の向上とコミュニケーションの改善により、ローコード開発者の71%が週40時間労働を守ることができると回答しており、2023年にはより熱心な開発者チームと高い定着率につながる可能性があります。来年には、より多くの企業（中小企業から大企業まで）がITおよび開発者チームにローコードツールを採用し、パフォーマンスとスケーラビリティを損なうことなくアプリを迅速にロールアウトすることが予想されます。
プラカシュ・ヴィヤス
OutSystems社 ポートフォリオマーケティング部長（リンクは外部サイトです）
ローコードによるデブオペレーションエクスペリエンスの向上
今後、DevOpsチームは、DevOpsと開発者チームのエクスペリエンスを向上させる方法として、ローコードのアプリケーション開発ワークフローを採用するよう組織に働きかけることが多くなると思われます。ローコードはおそらく、開発者でない人でもドラッグ＆ドロップのインターフェイスであらかじめコード化されたモジュールを使用してアプリケーションを迅速に構築し、反復できる利点で最もよく知られていますが、ローコードの採用は来年、DevOpsの観点からさらに影響力を持ち続けるでしょう。ローコード採用の増加は、DevOpsチームがより簡単かつ効率的にアプリケーション開発ツールを運用し、より少ない人員でより多くの作業を行い、複雑で面倒な管理作業を排除することで日々の満足度を有意に向上させることを可能にします。
ブライアン・サティアナサン
Iterate.ai CTO(リンクは外部サイトです)
ローコードで開発者不足に対応
ローコード/ノーコードソリューションは、今後も繁栄し続けるでしょう。労働統計局によると、2026年までに米国のエンジニア不足は120万人を超えると言われています。また、DevOpsの求人に応募した候補者のうち、雇用主の要件を完全に満たしているのは39.6%にすぎません。このような状況や、高い学習曲線などの要因から、アプリケーション開発プロセスを高速化し、企業のニーズに対応するために、ローコード/ノーコードソリューションが広く採用されています。
Venkat Thiruvengadam（ヴェンカット・ティルヴェンガダム
DuploCloud創設者兼CEO(リンクは外部サイト)
ローコードは市民開発者に力を与える
ITチームがサービスや製品を提供するための代替アプローチを模索する中、ローコードツールはソフトウェア分野のゲームチェンジャーとなりつつあります。2023年には、革新的なプロジェクトがより技術力の低い人々によって組み立てられ、過重労働の開発者の負担が軽減されるでしょう。ローコードツールの助けを借りて、この種のツールは、技術者でない聴衆がフルサイクルのアプリ開発に関与するのに必要なコンポーネントとビルディングブロックを提供するので、経験豊富なコーダーの必要性は減少する。2024年までには、これまで以上に多くのテクノロジー製品とサービスが、市民開発者、デザイナー、および非技術系関係者によって生み出されるようになるでしょう。
ジェイソン・ベレス
Infragistics社 SVP Developer Tools
2023年、企業はローコード/ノーコードツールを相互接続し、柔軟なフレームワークでそれらを補強してスケールを実現し始めると予測しています。市民による開発は、すべてがうまくいっているときは素晴らしいのですが、デプロイがよりミッションクリティカルになるにつれて、より高い利害関係の運用リスクを軽減する必要が出てきます。これは、市民開発者がビジネスプロセスの自動化のような複雑な領域に取り組むことを可能にするコードネイティブローコードテクノロジーの長期的な出現を呼び起こし、資産をコードとして保存し、DevOps原則に基づいてそれらを実行することになります。
アンティ・カルヤライネン
ロボコープ CEO
ローコードCX
ここ数年、企業は刻々と変化する顧客ニーズに効率的に対応するためにピボットする必要があることが浮き彫りになっています。来年は、無数のタッチポイントやシステムでシームレスな顧客体験を実現するために、ユーザーフレンドリーでローコードなプロセスやシステムが増加すると思われます。ベンダーは業界標準のAPIを採用し、企業がCXエコシステムを内部および外部システムと苦もなく統合できるようにすることでしょう。
プラティーク・カパディア（Prateek Kapadia）
Flytxt社 CTO
頭脳を使ったローコード
AIは企業全体に戦術的に導入されていますが、それはより広範な変革の一部であり、多くの場合、データサイエンティストの軍隊を必要とします。実用的に導入されれば、AIはすべての従業員に変化をもたらすことができる。ローコードの登場です。2023年には、よりスマートなローコードが登場するでしょう。AIが導入されたローコードは、これまで以上に価値と安全性が高まるでしょう。2023年は、AIを注入したローコードによって、すべてのユーザーがAIの恩恵を受け、プロセスの最適化、効率の向上、意思決定の改善を実現し、ローコード開発がこれまで以上に有益で安全、そしてスマートになる年です。
フランシス・カーデン
Pega社 デジタルオートメーション＆ロボティクス担当VP