【必見!?】広告代理店がブラックになりがちな理由
こんにちは!株式会社カラバオの村上ユウジです!
オリンピックが終わってロスを感じながらも甲子園が始まり、パラリンピックも始まるということで毎日気になる話題が絶えません笑
さて今回は広告代理店の中の人として感じたことを書いていきたいと思います。
就職したい業界ランキングでも上位の広告代理店ですが、中の人と外からの見え方の違いが大きいようです!
特に今回注目したいのは就活生を中心によく言われる広告代理店は「ブラック」なんじゃないか、ということについてです。
結論を先に言うと「ブラック」になりやすい業界ではあります。もちろん会社によって全然違いますし、人によってブラックと感じる内容も違ってきます。
業界の中の人として「ブラック」になりがちな理由を好き勝手書いてみました!
前提として僕はみなさんが思うTHE大手広告代理店の出身ではありませんが、WEB広告の業界はある程度知っているつもりです。
ですのでここで言う「広告代理店=WEB広告の代理店」と思っていただけると良いと思います。
あくまで僕の経験して感じたことなのでそんなことないぞ〜ってこともあるかもしれません。
それでは行ってみましょう〜〜
理由①:労働集約型の市場である
広告に限らず代理店という形態は「労働集約型」の産業になります。
労働集約型とは人間の労働力が事業活動に占める割合が大きいビジネスのことです。簡単に言うと人間の頑張りに事業が大きく左右されるというものです。
なので事業・会社を拡大するためには会社メンバーの頑張ることが必須条件となります。
しかし、1人の人間が対応できるキャパシティには限界があります。高い目標を達成するためにキャパを超えて頑張らないといけないという状態になってしまうのです。
そういった事業構造が残業や長時間労働につながってしまうということが往々にしてあります。
ではなぜ労働集約型の市場だと「ブラック」になりがちなのかというお話ですが、プロダクトによる差別化が難しいということが大きな理由だと考えています。
同じく代理業で労働集約型(※一部では違うと言われますが)の商社(トレーディング)だとイメージしやすいと思いますので、商社を例に説明します!
商社(トレーディング)は自社プロダクトを販売しているわけではありません。メーカーの商品に物流など様々な付加価値をつけて代理で販売しています。競合他社も同じメーカーの商品を販売しているわけですからプロダクト部分で差別化することが難しくなります。
となると比較要素としては「価格」と「付加価値」となり、その部分で競合と争っています。つまり価格を下げて物流などを手厚くサポートすることで付加価値を上げていきます。
ということは最小の価格で最大のサービスを提供することになります。そうすると会社に残る収益は減ってしまいますがかかる工数は増えてしまいます。でも収益を伸ばすために新しいお客さんを見つけて担当を増やしていく必要があるわけです。
広告代理店も同様にGoogleやYahoo!など他の代理店と同様のプロダクトを扱っていますので商社と同じ構造になることは想像できるでしょう。
これが「ブラック」と言われる最も大きな要因だと考えています!
理由②:対応範囲が広すぎる問題
これは業界の人なら感じたことはあるかもしれません!
広告代理店の対応範囲は多岐にわたります。
特に運用型広告では対応することは無限にあるといっても過言ではありません。
先程の商社の例と同じように広告代理店も付加価値で勝負をしています。
となると単純に広告を出稿して終わりというわけにはいきません。
広告掲載前にはどのような内容で行うか提案をする必要があります。出稿が決まっている状態での提案ならまだいいのですが、出稿を検討してもらうために提案することもあります。むしろ出稿を検討してもらうための提案の方が多いのはないでしょうか?
となると資料作成などの仕事が発生するわけです。ただ出稿が決まってない段階で提案料をとるケースは稀でほとんどの場合が無料で対応していると思います。(コンサルティング会社なら提案で何十万、何百万という費用が発生するのが一般的だと思います)
そしていざ出稿に至ったら次は配信結果が出てきます。配信結果を分析する必要があります。
結果が良ければ気持ちは楽ですが、結果が悪い場合は特に様々な分析をする必要があるのは想像できます。そして分析は広告に限らず市場分析や競合分析にまで拡がります。
ここまでいくともはや対応範囲は広告代理店というよりコンサルティング会社ですね。。。
このように広告に限らずとにかく対応することが多くなる傾向があります。
もちろん適切な費用が発生するのなら全く問題ありませんが、広告業界には次に述べる“謎の慣習”がありそれ以上の費用が発生しないことの方が多いのです・・・
理由③:謎の手数料20%ルール
これは業界最大の謎ですねw
もちろんすべての会社が20%というわけではありませんが、広告代理店の手数料は予算の20%に設定されていることが多いです。
つまり100万円の予算であれば広告費は80万円、手数料は20万円ということになります。
その20%の中で前述したような対応を行います。
となると言い方は悪いですが“割に合わない”案件も出てくるわけです。
さらに僕が「テンションの違い」と勝手に呼んでいるのですが、そういった現象も発生します。
「テンションの違い」について予算100万円のケースを考えてみましょう!
広告主としては100万円を支払うことになりますので100万円のサービスを期待します。ただ広告代理店としては手数料の20万円の範囲で対応しようとします。
これはビジネスとして仕方ありません。「100万円払ってるだろ!」と言われて広告代理店が手数料100万円の仕事をしていたらビジネスとして維持することができなくなります。大赤字になってしまい、最悪の場合は会社をたたむという結末を迎えてしまいます。
この「テンションの違い」が小さければ大きな問題にはならないのですが、20%の手数料ゆえにどうしても大きくなってしまうのです。
こういった「テンションの違い」からお客さんからの要求水準が上がり、メンタル的に辛くなってしまうということが起こりえます。WEB広告は結果が数字として見えやすいので良くも悪くもお客さんもテンションが上がりやすいものです。
手数料を上げればいいのですが、業界平均として20%ということは広く知られています。どうしても広告主の立場だと価格はインパクトの大きい判断要素になってしまうので簡単に手数料を上げることも難しい状況があります。
理由④:広告に休みはない
これも意識してない人もいるかもしれないですが、大きな要素だと思っています。
仕事を終えて帰宅した後でも、飲み会のときでも、休日にゆっくりしているときでも広告は配信されます。職場から離れたら仕事のことは考えたくないという人も多いと思います。僕もどちらかというとこのタイプなのですが、広告の場合はそうはいきません。
もちろん退勤後、休日に対応しなくてもいいようにするのですが、どうしても気になってしまって心が休まらない人も多いのではないでしょうか?
特に月末が休日にあたったときはヒヤヒヤします。
予算大丈夫かな?設定間違えてないかな?など気になって気になって・・・
さらに緊急事態が発生した場合に素早い対応を求められることもあります。広告は常に動いているので可能な限り早く正常な状態にしたいと思うのは自然なことです。
もし使用中の広告が使えなくなった場合なんてなおさら素早い対応が求められます。
このあたりはアンコントローラブルなことなのですごくストレスがかかりますし、業務時間が増えてしまう要因ではないでしょうか。
理由⑤:技術の進歩早すぎ問題
これはもう仕方ありません。。。
去年の知識が今年は使えないなんてことはザラにありますし、自分より若い社員の方が詳しいなんてことも普通です!
だから常に情報にアンテナを張っておかないといけませんし、業務外でも学ぶことを続けなければいけません。ついていくだけで忙しくなってしまいます。。。
逆に言えば先輩社員を追い越すこともできるのでモチベーションを高く保てるという意味ではポジティブな面でもあります。
僕も後輩に教えてもらうことも多く、本当にありがたい限りです!
最後に
今回は業界の中の人の立場で思うことを書いてみました!
思ったより長くなってしまったので弊社カラバオとしてのスタンスはまたの機会にしたいと思います。(←こちら下記です!)
広告代理店のネガティブな部分を好き勝手書いてしまったので業界内外から怒られてしまうかもしれませんが、業界をより良いものにするためにも知ってもらう必要があると思っています。
今回、僕は「広告業界はブラックだからやめとけ!」ということが言いたいのではなくて「キラキラに見られがちな広告業界のことを知ってもらいたい」「業界を知ってもらい採用のミスマッチを減らしたい」という思いで書いています!
逆に広告代理店にはビジネスに必要な要素が詰まっています!
僕もサラリーマンとして3社の企業を経験しましたが、最も多くのことを広告業界から学びました!特に新卒・若手ビジネスマンにはオススメの業界です!
今は働き方改革などで以前よりは無茶な働き方も減っていると思います。
そしてもし広告代理店に依頼する側の立場の方に見ていただけたのなら事情をわかってくれとは言いませんので、「ふ〜ん」程度でも興味をもっていただけると嬉しいです!
駄文にお付き合いいただきありがとうございました!!
それでは!!
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