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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第210話:決して玄関を覗いてはいけない。

「われわれが怖れなければならないただひとつのことは、恐怖そのものである」フランクリン・ルーズヴェルト


 ぼくは今生きている。
 しかし、過去に何回も死のうと思ったことがある。
 でもぼくは今生きている。

 その中で、実際に死んでいったやつをたくさん見た。

 たくさん見てきた。
 今日、道に迷った。
 右に行こうか、左に行こうか。

 今、ぼくは生きている。
 そういうことを考えていると、まともには生きていけないから考えないようにしているけど、ぼくたちはいつだってそのことを考えている。

 そのことを考えている。

 酒を飲む。

 呼び鈴が鳴る。

 真夜中にそんなそんな夢を見る。

 玄関のドアを隔てた向こう側で、誰かが呼び鈴を押している。

 その姿をぼくは知っている。

 その顔をぼくは知っている。

 目を閉じる。

 冷房が足を冷やす。

 目を閉じる。

 呼び鈴が鳴る。

 ぼくは起きる。
 いや、ぼくは起きていた。
 はじめから寝るつもりなんてなかったんだ。

 はじめから、そのつもりなんてなかったんだ。

 ぼくは今生きている。
 しかし、過去に何回も死のうと思ったことがある。
 でもぼくは今生きている。

 音が聞こえる。
 喉が渇いた。
 お腹が空いた。

 きみに会いたい。
 きみに会いたい。
 きみに会いたい。

 ぼくたちの人生はぼくたちの過去だ。
 生きたい。
 決して玄関を覗いてはいけない。

 開けるんだ。

いつだって心の向こうにはきみがいる。

生きている向こうにはきみがいる。

ありがとう。

愛してるよ。

おやすみなさい。

初めての人生、

怖いことがたくさんあるけど、

ぼくたちはいつの間にか気がつくんだ。

怖いことは怖くないと。 

今日もありがとう。

今年も、残り140日。

またね。

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