レノバ、洋上風力の受注失敗 太陽光発電の今後を考える

トピック

レノバ、洋上風力の入札で価格差によって受注失敗 レノバは24.5円/kWhを想定か
落札した三菱商事系は約12円~16.5円/kWhの破格で受注(日経BP 2021/12/27)
総定格出力は約1.6GW
総売電価格は素人計算で1600億円/年くらい
洋上風力自体、日本ではほぼ導入がなく(0.7GW)、レノバもこれからは太陽光の伸びはなく、風力に注力することをうたっている

日本における再生可能エネルギーの今後

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT=Feed-in Tariff)の開始(2012年)から10年
太陽光発電のFIT認定は約1億kW(10GW) 未稼働は2400万kW
FITの入札価格は約10円/kWhが相場なので、潜在的には約1.3兆円/年の規模か
日本の総電気需要は約1兆kWh
国策では2030年に向けて、再生可能エネルギーを2017年の2倍にする予定
ついでに原子力も3倍にする
総発電量に対して、再生可能エネルギーは36~38%、約3600億kWhを目指す
太陽光は約700億kWh(2020年)を、2倍にする予定

発電の収益性について

モデルプラント方式による計算方法
(資本費+運転維持費+燃料費+社会的費用)/kWh = 円/kWh
総額は割愛してランニングコストのみ抽出

試算(人件費、修繕費、諸費のみ)

計算式より、そもそも発電量が増えれば、コストが下がるし、維持費を下げればいいので、今の10円/kWhはその辺も織り込み済みと考えられる
自然影響を受ける太陽光は今の約10円/kWhが限界だろうか
今後、政策により、再生可能エネルギーの使用が強制されるはずなので、その辺も見込んでの先行だろうか
今後は、巨大資本が大きな発電設備を建設して、数10年かけて投資資金を回収していく流れになると思う

電力小売り自由化と送配電網の整備

2016年から始まった電力小売りの全面自由化と再生可能エネルギーの発電所建設が進む中で、特に電力会社を越境する送配電網の強化を進めるらしい
個人的には中間搾取するブローカーが増えただけな気がするんだけど…
ただ、日本全体の総発電能力を高めることは現状必要だと思うし、それに伴う送配電網は不可欠
これらは電気が安くなることとは無関係だとは思う

今後のレノバ

レノバの成長戦略として、3GW(3000万MW)の発電能力を目指す予定
FITが10円/kWhで推移するなら売上3000億円くらいがMAXか
2022年3月期予想で300億円の売り上げ予想{現定格で600MW(0.6GW)}
(営利40億なら、営利率13%)
ただし、FITがほぼ40円/kWhなので、半減なら赤字
アマゾンやGEなどが参画した三菱商事との価格競争に負けたことにより、今後の成長は不透明
将来的にはM&Aされるか
2022/01/07 業績の下方修正、減損処理を発表


参考資料
ISEP:環境エネルギー政策研究所HP
経済産業省 資源エネルギー庁HP
経済産業省 資源エネルギー庁「2030年に向けた エネルギー政策の在り方」(2021年)
経済産業省 基本政策分科会に対する 発電コスト検証に関する報告(2021年)
総合資源エネルギー調査会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第9回会合)報告書
レノバの決算短信、決算説明資料

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