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正しい一歩を踏み出すために3つの円の交点を描こう

3つの円の交点を探そう!というキャリアについての話を書いていこう。

先日のことだが、仕事の細かい打ち合わせから始まって、ひょんなことから少し年下の世代のトレーナーとキャリアの話になった。

彼と話していて少し考え方としてはもったいないな、偏っているなという部分があったため、3つの円の集合体である「ベン図」といわれているものについて説明をしながら、こんな風に考えたらいいのでは?という話をしたのだった。

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ベン図はWill/Must/Can

このベン図というのは、円が3つあってそれぞれ重なり合っている交点があるという図。よく見るものだろう。トレーニング指導の専門家としてもこの3つの集合のベン図というのはフレームワークとして活用していたりする。

例えば、強化は大事だが強化と栄養、そして休養。この3つの円の交点で、時期によってどの要素を強調すべきなのかは変わってくる。

例えばオフシーズンであれば強化が最優先だろうし、シーズン中の連戦期は休養が最も優先順位が高いだろう。その時々で、3つの円の重なり具合に変化を与えていくイメージだ。

やはりある種のフレームワークなので、言葉でいうとよくwill、must、canといった表現をする。したいことはwill、すべきことでmust、できることはcan。

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仕事のキャリアとして考えていくならば、考えるべきは「自分の今悩んでいることというのがどこの部分についてなのか」、そして「自分のキャリアとして考えていくときにどの部分を伸ばしていくべきなのか」という点だろう。

したいことなのか、できることなのか、求められていることなのか。

結局いずれにせよ、この3つの交点部分でしか基本的には仕事にはならない。お金をいただく仕事として報酬をいただくことはできない、というのは原理原則として把握しておくべきだ。

・学校を卒業したばかりの学生上がり
・10~20年、同じ仕事のみに従事し「やはり好きなことを仕事にしたい!」と転職しようと考えている人

こういったバックグラウンドの人は、一般的には「したいこと」ばかりを考えがちな印象だ。Willが先行している状態なのだ。

対して、トレーナー業界に多い職人気質の人は、どうしても自分の能力を伸ばすことにばかり執着しがちだ。Canの円を大きくしようとすることばかりに意識が行きがちになるわけだ。

あまりそんな印象は受けないようだが、私自身、元来はプロフェッショナルになりたいし、職人気質の人間だと思ってはいるので、この心情はよく理解できるつもりだ。

しかし現実として、世の中でいうところの「バイタリティーがすごくあって、凄いスピードで事業を作っていく人や成功者」という方たちに共通しているのは、1番先に「求められていること」であるMustを解決しようとするという点だ。

自分のできることやしたいこととは関係なく、ビジネスとして、どこにニーズがあるのか。どんなサービスをしたら人から喜ばれるのか。

本来はこの「世間から求められている部分」を最優先して考えるのが、仕事としては正しいわけだ。

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3つの円をバランス良く捉えよう

トレーナーというのは、基本的にしたい事(正確にはしてあげたいことだが)、そしてできること(これも正確にいえば能力だったりすべきことという意味だが)に執着しがちな生き物である。

間違いなく人としては信用できるし、正しいことではある。また愛しいところでもあるのだが、仕事にするのであれば本質的には「求められていること」を優先すべきである。

キャリアの話になった前述の彼も、やはり「自分の能力を伸ばすこと≒キャリア」と考えており、だからこそもっともっと経験を積みたいという点に執着しているように見えた。

ただCanの円がいくら大きくなっても、やりたいことだったり、もっと言えば求められている事の部分の理解や、自分がその能力を生かせるか、という他の2つの円が大きくならない限り、仕事としてチャンスをいっぱい得るというのは難しい。そして残酷なようだが、人に役に立つ可能性もやはり低くなるだろう。非常にバランスが悪いからだ。

3つの円の交点というベン図の考え方は広く知られているが、とても大事なフレームワークだと思っている。

特にフリーランスであったり、自営業スタイルで仕事をしている人はなおさらだ。複数の業務を行っていくということはリスクヘッジとして大事だが、違う業務をWill, can, mustの割合の変化率を大きくすることにもつながるからだ。

できること・したいこと・求められていること。

この3つの比率を意識的に変えた働き先を作れると、仕事としてもお互いを補完しあってリスクが少なくなるし、相乗効果が生まれやすいのだ。

私自身はそのような仕事の仕方を選んでいる。


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やりたいことを考えたときなどは、自分がこうありたい!と思うことをやっているわけだから、その業務をすることで、最も報酬をいただけるように…と考えるのは、本来おかしいはずだ。

効率や賃金というのはあんまり考えずに、まずは楽しめるかどうかというのを優先すべきだろう。

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できることの比率が高い場合は、多くの時間を割きすぎることなく、ある意味時給単価がいいというか、あまり大きな苦もなく合理的にできることの方がいい。

自分は得意でできるが、他の人よりもっとできる能力があることなので、これに関しては時給単価という概念で効率よく稼げるということを考えるべきだ。

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求められていることの比率が高いものを仕事として選ぶとき。この場合は、今後の自分の仕事の中で求められていることをやり遂げることで、

・どれだけ他の要素(やりたいこと・できること)に掛け算の要素として役立ってくるか
・自分のキャリアの中でどんな複利効果を生んでくれるか

引き受けるかどうか、やっていいかどうかは、そんな観点から検討するのがいいのではないか。


やりたいことのロマンや、できることのエゴを、世間で求められている、すべきことと混同させないこと。文章で読めば「当たり前じゃないか!」と思うことでも、実はごっちゃになっていたりすることは、往々にしてあるものだ。

3つの円の交点について、一度じっくり考えてみるのはとてもオススメだ。

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