今の仕事が合わない・ピンとこない専門家が考えるべき可能性
今の仕事が合わない。同僚がピンとこない。
こんな風に嘆いている専門家も、ちょっと俯瞰して考えるべき可能性ってあるのではないか?
そんな話をしてみたい。
有吉さんの3つ目の回答が刺さった
2021年4月23日金曜日の夜。久しぶりに昔の人気番組だった、怒り新党というコーナーがワンコーナーで復活した。
お笑い芸人の有吉さんとフリーアナウンサーの夏目さんの結婚。ビッグカップルが結婚し、それをかつての3人でやっていた番組の中で発表していくというような趣旨だった。今も続いているマツコさんと有吉さんの番組の中で、普段通りハガキが読まれて質問がきて…というコーナーが限定復活したのだった。
その中の1つの質問は、高校生からのもの。
「私はクラスの友達と全然話題が合わないし、友達になる気になりません。どうしたらいいでしょうか?」
といった内容だった。
ずいぶんとざっくりした質問だなと思いつつ、眺めていると、それに対して有吉弘行さんがサラッと答えた内容が胸に刺さったのだ。
「まぁわかるよね〜。高校生って、よくこういうの話ってあるんだよね。…まぁどれかだろうね。考えられるのは3つ。話題が合わないか、ノリが合わないか、それともあなたのプライドが高すぎるか。どれかでしょ」
こう答えたのだ。
マツコさんが同調するように
「だいたいは3番目だと思うわ、私」と続ける。
有吉さんは
「芸人なんかでも多いんだよね。あいつは全然話が面白くないとか、全然オチが見えないなんていう。本人の話聞いてみたら全く面白くないとかね。そうなのよ。そういう人に限って自分の話をほとんどしないよね…でもこのプライドが邪魔するというのもありがちだよね~」
という話をひとしきりしていた。
マツコさんもご自身の高校時代も振り返って
「私もそうだったもの。プライドが邪魔してとにかくできるだけつるまないようにしていたし。今30年経って48になって後悔してるわよ!」
なんて深い話をされていて面白かったのだが…
私自身は、これは専門家にとっても同じような話がいえるのではないかと思って聞いていた。
あなた自身が「箱の中に入った」考えをしていないか
私自身はトレーニングの専門家だが、それだけではなくトレーナーの仕事であっても、通訳であっても、スポーツ現場に携わるスタッフというのは、ある程度スペシャリティを持った人間の集まりだ。
20年というキャリアとなり、最近では私も相談を受けることが多くなった。そんな相談で多いのが、
「今の仕事場で合わない人がいるんです」、
「全然理解してくれないんです」
といった内容だ。
しかしその話をよく聞いてみると、どこかしら「自分にとっての」合わない人がいるだけであったり、その人自身の考え方がすごく固定概念が強くて箱の中に入っているというか、自分の世界観の中で偏見が少しあるのではないかと感じたりすることが多いものだ。
自分自身のプライドが高すぎると、なかなか他の人を認めることもできず、コミュニケーションを取ることができない。なかなか自分の殻から出られない人というのは、周りから見ても結構雰囲気として伝わるもの。なかなか近寄り難かったり、仲間にしづらい雰囲気があるのだが、本人はそのことに気がついていない。悪循環だ。
鏡の中を変えようとするな
古くからよく言われていることだが、周りを変えるよりもまずは自分自身が変わってしまったほうが早いし簡単だ。わかっているものの難しいことではあるが、その意識なしではなかなか状況は打破できないというのが、私の実感である。
私も20年に及ぶキャリアの中で、さまざまな現場を経験してきた。これはちょっと合わないな…と思って離れた現場が、後から振り返ってみても「やっぱりイマイチだった!!」と感じるような場所もあるから、今の現場に不平不満を言うな!という気は全くない。
本当にパワハラが蔓延しているような酷い環境を我慢する必要はない。軽やかに全力疾走で逃げ出そう。
ただ、自分の理想的な仕事場でみんながうまくいっているなんて事なんて状況はそうそうあるわけがないのも事実。
私自身は、歳を重ねてきていろんな経験を積んでからは、くだらないプライドはある程度捨てられるようになってきた。すると、若い頃なら飛び出してしまっていたような、しんどい現場も快適になっていったり、人間関係でもうまく回っていったりするようになってきた。
はっきりと言えることは「鏡の中を変えようとしても無駄」ということだ。
自分自身が行っている行動や自分の雰囲気を映し出すのが、周りの人というふうに考えていけるとしたら…。
自分自身が変わらない限り、その鏡の中の自分が笑ったり、楽しげになったりということはない。だから、まずは自分自身を変えてしまおう。
ひいてはそれは、チームのためにもなるし、何より自分のためになるのだから。
*この記事はstand.fmにて音声配信したものを基に記事にしています。