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炭水化物(糖質)の弊害3.「ニキビ、シミ、乾癬の原因」

 今回は、低糖質食を生活習慣病に対して行ってきた結果、思わず良くなることに気づいた疾患です。そこで、低糖質食と皮膚疾患の関係を調べて
みました。皮膚の疾患に、苦しんでいる人たちに少しでも役に立てばと
思い発信します。

 私は、脳神経外科医であり皮膚科の医者ではありません。でも、
皮膚科にかかっても一時的に改善するかもしれませんが、結局は繰り返し
悪化しているのが現状ではないでしょうか。それは、原因が変わって
いないからです。では、始めましょう。

1)ニキビと糖質について

 皮膚には、体を守る皮膚常在菌(アクネ菌 黄色ブドウ球菌など)が
います。皮脂を栄養にして、皮脂から脂肪酸を作り出し、皮膚を酸性にすることで、悪い菌やウイルスから体を守っているようです。
(コロナウイルス対策で、手を洗いすぎて手があれていませんか?
皮膚を守る菌も体にはいるのですよ。よけいな事でした。)

 糖質過多の食事をするとインスリンが増加します。インスリンは、血糖を
下げるだけでなく、組織を無秩序に成長させる作用もあるようで、組織が
増殖すると毛穴がふさがれてしまいます。そうすると皮脂が毛穴から、
出られなくなり、毛穴に住んでいるアクネ菌が、皮脂をエサにして増殖する
事によりニキビとなるようです。

 また、糖質をエネルギーにする際に、ビタミンB群を消費しますが、
ビタミンB群が皮脂の量をコントロールしているようで、欠乏すると
多量の皮脂が作られ、ニキビがひどくなると言う事もあるようです。

 理屈は、どうでもいいのですが、糖質を取らない未開の原住民にニキビが無い事。糖質を取っていなかったイヌイットの人たちはニキビが
無かったのに、糖質を取り始めるとニキビができるようになったと言う
事から糖質とニキビには関係がありそうです。

 ニキビなどは、思春期の2次性徴の時にできるものと思っていましたが、
最近は、肥満の成人にもできているようです。
(肥満の原因は、そうです。糖質過多の食事です)

大人のニキビを減らすのは低糖質食です。

 ニキビでお困りの方は、糖質過多の食事から、低糖質食に変えてみては
いかかでしょうか?
 低糖質食を、勧めている本の中には、低糖質食でニキビが良くなるこを書いた本が多いと思います。

2)糖質過多の食事は、シミ しわの原因。

 シミ、しわの原因は、タンパク質の糖化 酸化が原因と言われています。
まず糖化と酸化は何かと言うと、

糖化とは、タンパク質に糖質がくっつく事。酸化とは、タンパク質に活性酸素がくっつく事。
糖化されたタンパク質は、極めて酸化されやすい事が分かっています。

 人間の体は、タンパク質でできており、しかも、体を機能させるホルモンや
酵素などもタンパク質でできているのです。そのタンパク質に糖質が
くっつく事を糖化、活性酸素がくっつく事を酸化と言います。
 糖化されたタンパク質は、極めて酸化されやすくなり、本来の
タンパク質の機能が発揮できなくなります。つまり、糖質は、良くないの
です。(糖質は、食べなくても作れるので必須栄養素ではありません。)

 シミは、コラーゲンと言うタンパク質が糖化され、酸化され皮膚に
染み出してきたものです。また、しわは、エラスチンと言う弾性繊維の
ようなタンパク質が糖化され、酸化されたものと言われています。

シミやしわは、糖質過多の食事で起きています。
皮膚は、体の糖化の程度、酸化の程度の指標になります。

 みなさんは、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と言う糖尿病の検査を
知っていますか?これは、血液のヘモグロビンと言うタンパク質の糖化度を
示しています。
(赤血球の寿命が3か月程度なので、3か月間の糖化度です)

 HbA1cが高い5.7%から6.4%を糖質過多(糖質の取りすぎ)と言います。
6.5%以上が糖尿病です。シミやしわがある人は、糖質過多の人を示してい
ます。HbA1cが高い。シミやしわが多い人は、老化が早く血管障害を
起こしやすいから要注意です。

 私は、脳血管障害の患者さんを診ていますが、シミが多いのに驚いて
います。血管障害を起こす前に、皮膚にシミやしわができることで、
糖質過多の食事が危険であることを警告しているようです。

 低糖質食にした患者さんの多くは、シミが薄くなり、しわも浅くなるため
若返ったように見えるので喜ばれます。

3)乾癬の原因も糖質過多の食事?

  乾癬は、免疫の異常で起きていると言われています。人間の体で、
免疫と言えば、小腸に約7割の免疫細胞があると言う事で、腸の
免疫異常から、乾癬は起こっていると考えられます。

 しかも、即時型アレルギー(IgE抗体が関与)ではなく、
遅発型アレルギー(IgG抗体が関与)だそうです。
 アレルギーは、アレルギー物質を特定してそれを除く食事をするのが、
一般的ですが、アレルギー物質が多いと食べられないものが増えてします。
    (効率的でないのです)

 そこで、免疫が起こる状態を改善させる方法を考える方が、理にかなっていると言えます。

乾癬は、免疫異常で起きていると言われています。

4)腸の免疫異常と言えば?

 そうです。リーキーガット症候群(腸管壁侵漏症候群)です。これを改善することが乾癬の治療につながる可能性があります。

小腸の粘膜上皮は正常な状態でくっ付いているが、粘膜上皮にすき間ができて
消化されていないタンパク質やペプチド、また、細菌やカビが体の中に
侵入してくる状態。

 リーキーガット症候群を良くすることから始めましょう。

 

a)グルテンを含む食事を止めよう。

 グルテンは、主に小麦に含まれていますから、小麦でできた食品を避けましょう。グルテンからできるグリアジンと言うタンパク質が、ゾヌリンと
言うタンパク質を作り、小腸粘膜上皮に穴を開けて、消化されていないペプチドやタンパク質が体の中に侵入し、それに対して抗体を作ることで
免疫異常(アレルギー)を起こしています。

 まずは、小麦でできた食品を避けることから始めましょう。

b)食事から徹底して糖質を除きましょう。

 糖質過多の食事をしている人が乾癬を起こしやすいようです。
糖質過多の食事をいつもしていると、通常は小腸内にはあまり細菌がいないのですが、糖質が多い食事を習慣的にしていると小腸内に糖質の大好きな
細菌が増殖してくるようです。

 小腸内細菌異常増殖症(SIBO small intestinal bacterial overgrowth)が
起きるようです。小腸内の細菌が原因でリーキーガット症候群を起こして
いる可能性があります。

 特に甘いものが好きな人に生えるのがカンジダ菌です。酵母の一種で
正常でも体の中にいるのですが、糖質が多いと増加して菌糸を伸ばし
小腸粘膜上皮に穴を開け、体の中に侵入してくるそうです。

 上記のようにグルテン製品や糖質の多い食品は、乾癬の患者さんは、
極力避けるべきだと思います。

 まずは、低糖質食を実践することが大切です。また、腸を休めるために
オートファジーと言う事も考えて、朝食は抜きましょう。

 乾癬の患者さんに、光線療法をすることがありますが、これは、ステロイドホルモンに近い働きをするビタミンDを光を照射して作るためと
思います。つまり、抗炎症作用を目的としたものです。

 それならば、ビタミンD3、オメガ3脂肪酸(EPA DHA)をサプリメントで
取ることが効果的かもしれません。

5)抗菌 抗炎症作用があるココナッツオイルを塗ったり飲んだりしましょう。

 ココナッツオイルは、自然が提供してくれる抗菌抗炎症作用のあるオイルです。ニキビやシミには、塗ることで効果があります。
 また、乾癬には、飲むことで腸内の悪玉菌やカンジダ菌を殺すことが
できることが分かっています。善玉菌は殺しません。
 善玉菌や悪玉菌を見境なく殺す抗生物質を内服する前に試してみては
いかがでしょうか。

 約50万人いると言われる乾癬で苦しんでいる人たちに、少しでも
喜んでいただけたら、幸せです。ありがとう。

 食事の異常は、先ず皮膚に現れます。皮膚の治療だけでなくもっと大きな病気を防ぐために根本的な食事の見直しが必要です。

※2型糖尿病で治療されている人。肝硬変のひと。低糖質食ができません。
命に係わる状態になることがありますので、低糖質食はしないでください。
お願いします。




 
 

 

 

 


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