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ドラマ『紙の月』(ネタバレ含みます)

2014年、当時も見たNHKドラマ「紙の月」を再度、観ました。
(ネタバレも含みます)

夫との関係に溝がある専業主婦の主人公。
銀行のパートを始め、お客様の孫、大学生と恋愛関係になります。
虚構の世界を守る為、違う自分を演じるように1億円を横領をしていく。
嘘が嘘であることにも気づかなくなるように。
お金はただの紙切れのようになっていきます。
失ったもの、気づいたことは何なのか。

不倫の話ではあります。
傷つける相手がいる、ということを
言葉では言ってみても、二人には見えていないことも多々あります。
よくありがちな話です。
何故、見えていないのか?

そこは別世界だからです。
現実の生活が介在しないからです。

しかし、不倫に足を踏み入れるということは
相手を好きな気持ちよりも、嫉妬よりも、
もっと深い悲しみがあります。
果てしない自分の淋しさや「ここと違う何処かへ」は
満たされていかないからです。
何故、踏み入れてしまったのか?
をわかっていないと苦しくなるのです。 

ドラマでは、主人公の友人達の物語も描かれています。
それぞれ心に蓋をして気づかないふりをしながら生きていきます。
そして、溢れだします。

主人公には子供がいません。
毎日、基礎体温を測ってノートにつけていました。
非協力的な夫がいてもかかさず、毎日。

基礎体温計を捨て、
記録していた基礎体温表に横領したお金の金額を書いていくのです。
丁寧に丁寧に。子供を作る為につけていた表に
横領したお金の額を書いていく。
この境目のない彼女の心模様。

彼女が求めていたものは、大学生の彼でもお金でも無いというのが
わかっていきます。彼でなくてもよかった。
彼女が欲していたものとは?

年齢を重ねていくと、より深くドラマの登場人物
それぞれの心がわかっていくので
昔見たドラマを観るのもいいものです。




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