石岡瑛子「血が、汗が、涙がデザインできるか」
石岡瑛子さんの展覧会に父と行ってきました。
アートディレクター・グラフィックデザイナーである父とは小学校低学年から一緒に住んではいないものの、高校の頃から横尾忠則さんのライブペイントに連れて行ってくれたり、石岡瑛子さんも生前のドキュメンタリー番組を見せてくれたりしてくれていて、今思うとありがたいなと思います。
そんなわけで昔から石岡瑛子さんのことは、とても好きなデザイナーの1人ではあるが、到底わたしなんかが憧れてはならないというか、存在が大きすぎる人物だと思っていました。
石岡さんの作品は全て、デザインが本当に生きているというか、なんかデザインに血肉が通っているというか、魂でデザインという仕事を全うした人という印象がありました。
展覧会を見ていて最初は当初受けていた印象と変わらず、今にでも会場中のポスターなどが歩いてきそうな勢いを受けて、「あー、本当にすごい」という語彙力を失う感覚。
途中でポスターに入れている赤字も展示されているブースがあって、その赤字の細かさに、「こういうことだったのか」と衝撃を受けました。
色校正が真っ赤に染まるくらいに書き殴られた赤字の数々。頭から指の先まで、背景まで、全てに血が通った赤字。本当に衝撃だった。
この赤字に震える感覚を抱きながら隆々とそびえ立つ作品たちに感動しっぱなしだったけど、最後の、当時見ていて石岡さんが手掛けた衣装が大好きだった「白雪姫と鏡の女王」と、この白雪姫が「最後の作品」となり、同じブースに石岡さんが高校生の時に作った「最初の作品」の少女の絵本が同時展示されていて、
デザインに憧れて夢を見ていた少女が、壮絶なるデザインの冒険をし、様々な困難を経て自由の身になるプリンセスとなるお話と彼女はまさしくリンクしている、その白雪姫が最後の作品という一番最後のキャプション展示を見て、鳥肌。
ああ、石岡さんも、普通の少女だったんだな、と。
晩年の亡くなる1年前に初めての結婚をして、白雪姫の衣装を作って生涯を閉じたストーリーに、石岡さんの少女性と言うか、作品しか知らなかったわたしは、彼女の本質の部分はもしかしたらとってもキュートな女性だったのかもしれないと、勝手に妄想をしてすごく感激しました。
最後にミュージアムショップに寄って、作品集の予約でもするかな。。と思った手前にもう1冊、分厚い石岡さんの本が売っていて、その帯のキャッチコピーが「激しくてラブリー」と書いてあって、あーもうこれは買わないといけない、やっぱりラブリーな人なんだ!!と速攻で買いました。(正確には買ってもらった)
本当に分厚いので頑張って読破したいと思います。
あともう一つ感じたことがあるけどそれは自分の胸にだけ秘めて、わたしも引き続き情熱を持って、毎日コツコツ努力して作品と向き合いたいと思います。💪
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